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「オカンの話5」

1998(平成10)年正月、実家でオヤジと飲んだ時、どんな話の流れだったかは覚えてないが、「俺が植物状態になっても延命はするな」とオヤジにに言われた。

果たしてその半月後、オヤジは脳内出血で救急搬送され、植物状態どころか脳死状態で横たわっていた。もちろん意識不明、心臓だけがかろうじて動いていた。

医師の説明によると、出血箇所は脳幹部。あらゆる生体維持に関わる部分だ。半月前にオヤジの言葉を送られていた私は、オカン、兄弟、伯父伯母に同意を得て、延命を止めるように医師に申し出た。

臓器移植法が公布されたのが1997年7月。まだ人の死が心臓死か、脳死か、様々な議論があった頃だ。医師であってもそうだったと思う。それでも、医師は申し出に応じてくれた。

皆が見守る中で、オヤジに繋がれているチューブが外されていく。バイタルは落ちていく。脈拍、60,50,45...

突然、「ちょっと…」とオカンが声を漏らす。

「おいおい…^^;」と私は戸惑う。あれだけ納得してたやないか…

オカンはそんな人だ。だから、誰もオカンを責めないでいた…

I have a dream. 私の「夢」は、日本に活動家を養成する学校をつくることです。 私の「モットー」は、Life is Art. Life is Play. -生活をアートできるようになれば既に幸せ-