「思いを馳せるチカラ」

五十代の私が若かった頃と今の若者世代との恋愛事情の違いについて考えてみた。

パソコンも携帯電話もない時代、仲良くなるキッカケはとにかく話しかけるしかない。その機会を増やそうと用事もないのに彼女のいそうな場所をウロウロしたり、わざと近くでとっておきのおもしろ話をしたり、気を惹くために頭を使った。

仲良くなって、電話ができるようになっても気軽にはいかない。だって固定電話だもの。「今晩は。夜分恐れ入ります。○○さんと同級生の奥村です。○○さんはいらっしゃいますか?」と自分の知り得る最上級で様子をうかがうが、「ご用件は?」とか冷たくあしらわれたら「ヒェー!」と思っちゃう。

今や、スマホでいつでも相手につながれて、出会いもマッチングアプリとか、告白もLINEで、なんていうのが当たり前になってるそうな。つながりやすくなった反面、つながってない時は意外にドライなのが今どきの若者なのかなぁと思う。

僕らの世代はもっとウェット。会えない時も「今頃、彼女はどうしているだろう?」「デートの約束をしたけど、待ち合わせ場所、ちょっとわかりにくいかな?」などと、相手に対して「思いを馳せる」ことが多かったと思う。私だけ?

おかげさんで、会えない時につながれないのが当たり前。想いを伝えるためには告白か手紙。ままならないのが当たり前だったから僕たち世代は、想像力と思いやることを覚えた。これこそ「思いを馳せるチカラ」ではないだろうか。

などと考えていたら、久しぶりにこの曲が聴きたくなった。僕らの世代だからアルバムを引っ張り出す。バンクバンド「沿志奏逢 2」から「to U」

I have a dream. 私の「夢」は、日本に活動家を養成する学校をつくることです。 私の「モットー」は、Life is Art. Life is Play. -生活をアートできるようになれば既に幸せ-