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カール・ロジャースについてのあれこれ

支えている人にとって有効なアイテムになるかもしれないのが、カール・ロジャースの心理療法。 
その中で、気になる所をピックアップ。 まずは、

☆「非指示的療法」から

指示、つまり
「あーしないさい」「こーしなさい」と言わないようにする事。
本人は、すごく頑張っているのです。 
治るために色々自分で調べもするし、試してみたりもする。 
それなのに、周りが積極的に指示を出したりダメ出ししたり。
本人はパンク状態。
「どうすればいいんですか?」と困惑してしまう。
「あなたの為だから」と言って指示を出すのは、
自己満足になってない?
だからといって、すべてイエスにしろという訳じゃない。
例えばの話、本人が「死にたい」と言ったとする。 
「今死にたい」ならば、無論全力で異を唱えて止めるだろう。
「死にたいと思うほど」と言うのなら、
「そんなことを言うな!」と否定するのではなく、
そう思う心に寄り添う事が大事だと思う。

☆ 思考の歪み

誰もが、自らを癒す力を持っている。 
でもその力は、独りきりではうまく発動しない。 
ストレスフルで疲れ切ってしまった心は、
こうでなければいけないと思う自己像とのギャップに苦しみ、
思い込み、ロジャーズの言う「思考の歪み」が起きてしまう。

他者があって、自分がある。 
誰かに自分の考え、思い、感情を話すことによって、
自分自身が何を考え思っているかに気付くことができる。
だから、誰かに話すことはとても大切だし、
周りの人はその話を、否定せず、
共感をもって聴くことが大事だという。
聴くだけでいい。 
それが回復力を呼び覚ます。


☆クライエント中心療法

ロジャーズと言えば、「クライエント中心療法」。 
カウンセリングの基礎とも言える療法です。 
カウンセラーは相談者に解決策を教えるというのではなく、
同じ位置に立って、
「共感的理解」「受容」「純粋性」を持って臨むのが基本理念

よくあるじゃないですか。 
誰かに相談に乗ってもらった時、
「ばっかだなぁ。そんな考えだからダメなんだよ。
 俺なら、そうしないな。」と言う人。
これは、相談者そっちのけで自分の考えばかり。 
こんな言い方されたら、たまりません。 
こんな関係では、心は癒されない。

この世の多くの人は、人と人の関係で心に傷を負う。 
でも、その心を癒すのもまた、人と人との関係だという。 
自分たちはカウンセラーじゃないけれど、
でも大切な人が傷ついた時には、
隣にいて肩を貸す存在でありたいと思う。


☆ 受容

相手に関心を持ち、全てを肯定する事とロジャーズは言っている。
ただ、全てと言われても困惑する。
本人は、全て受け入れてくれるとは思わないだろうし、
どう表現していいか悩む所もあるだろう。
周りの人には、その人なりの思いがある

では、どんな面持ちでというと、ロジャーズ曰く、
「それは、受容について何も条件がない事であり、
”あなたがかくかくである場合にだけ私はあなたが好きなのです”
というような感情を持っていない。」
それこそ、病める時も健やかなる時でも、
あなたはあなた、それを私は受け入れるという事だと。

でも、本人がそれを善しとしない場合もよくあると思います。 
遠慮や思い遣り、その裏に曝け出す事への恐怖や苦しみ。 
ならばいっそ、離れしまった方がいいという諦め。
あなたが考えるように、周りの人は強くないかもしれないけれど、
あなたが思うより弱くもないと思う。 


☆ 共感的理解と感情の反射

「共感的理解」
相手の考え・行動について「それはこうすべきだよ」といった
否定的になるのではなく、
あたかも相手自身であるかのように考えを理解し、
同じように考え、相手に伝え返していくこと。
カウンセリングの基本。

でも、出来ない場合がある。

周りにて支える人、
カウンセラーじゃないけど なんとか癒してあげたい。 
そう思う人もいる思う。  
でも、関係が近しければ近しいほど、客観的ではいられなくて、
共感的理解が難しい事もあると思う。
何かできる事はないだろうか?

ロジャーズが唱えた「感情の反射」。
相手の感情を、
評価や偏見を加えずそのまま受け取り返していくこと。
カウンセラーのには感情の上澄みしかみえない場合でも、
近しい人ならその背景などから察する事が出来るかもしれない。
そして、一緒に泣けるかもしれない。
一緒に泣けるひと、いますか?

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