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月経血幹細胞の文献

月経血幹細胞臨床研究会コラム



月経血幹細胞に関する文献は日本からも出ています。

 
これは2008年に慶応大学から出ています。
すでに10年以上前に日本から文献が出ているのは嬉しいことですね。

この筆者らは骨髄よりも高い心筋形成能を持つ新規の幹細胞を探索する中で、非侵襲的な採取が可能なヒト月経血から強力な心筋前駆細胞が採取できることを発見しました。

幹細胞療法は、心臓の組織を修復するのに役立ちますが、現在確認されているヒトに適した細胞の多くは、入手が困難であり、侵襲的な処置を必要とします。

文献中には、月経血幹細胞が誘導後、自発的に拍動を開始し、心筋細胞特異的な活動電位を示すことを実証されたことも述べられています。

心筋トロポニンI陽性の心筋細胞はin vitroで月経血由来幹細胞の27%-32%を占めして、心筋分化誘導能に影響を与えることなく、増殖したことも記されていました。

この文献上では、心筋形成細胞の大部分は剥離した子宮内膜に由来すると仮定されていて、76%-97%がin vitroで心筋細胞へ形質転換されたことが述べられていました。

また、月経血幹細胞のCD29・CD105は陽性、CD34・CD45は陰性であったことが示されています。

また、移植された月経血幹細胞は、ヌードラットモデルにおいて、損なわれた心機能を有意に回復し、心筋梗塞の面積を減少させ、月経血幹細胞由来の心筋細胞組織がin vivoで心筋梗塞領域に観察されました。

月経血幹細胞は心臓幹細胞を用いた治療のための
新規で入手しやすい材料となる可能性があるようです。

参照:Stem Cells. 2008 Jul;26(7):1695-704.