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魚の目

【連続更新1000日達成までに熟成下書を全部昇華させるチャレンジ】
今回は、2021年10月の熟成下書きを仕上げて、更新記事としています。
小学生の頃の思い出がやたらと出てきていた時期だったようです。子供時代(特に小学生)は、いい思い出が殆ど無い。



______ここから______



小学生の時の上履きに関する切ない思い出や、宿題にまつわることを書いたが、また思い出したことがある。

今回は5年生の頃の話。

小学5年生、10才。
成長期である。
身長が伸び、手足も大きくなる時期だ。
4年生のころはクラスで真ん中あたりの背丈だったのが、5年になった時には背の高さはクラスで1,2番ぐらいになる高さになった。
女子の成長期は男子より早い。
履いていた運動靴がすぐにサイズが合わなくなり、結構な頻度で買い替えてもらっていた。


また靴がきつくなったと訴えたある日、母が怒りながら言う。
「毎度毎度、買い替えても買い替えてもすぐ履けなくなって!!!困るわ!」

その勢いと圧力に、いつものようにビビりあがってしまった私は、もう金輪際、靴を買って欲しいと言わないようにしなきゃと思うのだった。



しかし。
私の心とは反対に、足のサイズは大きくなる。
靴はとてもきつい。
きついし痛いけれど、母に買い替えてと頼むことは恐ろしくてできなかった。

毎日窮屈な靴を履いて通学した。
サイズが合わない靴を履いていたら、いずれ布地が破れるだろう。
破れたらさすがの母も、買ってくれるだろうと目論んでいた。


しかし、一向に布地は破れないし、さらに私の足は大きくなっているのか、歩くときのみならず、座っているときも足が痛い。


ある日、あまりにも足の裏が痛いので、靴下を脱いで見たところでっかい魚の目ができていた。

こんなんができた、痛い、と母に訴えることはできなかったし、してはいけない。

どうせまた怒られる。

ひたすら絆創膏を貼って何日もやりすごした。
ある日、激痛と共にその魚の目がぽろっと取れた。
そして足の裏に、ぽっかりとパチンコ玉ぐらいの穴が開いていた。




______ここまで______



母はなにかにつけ、よく怒る人だった。
今回の靴についても、たいして履きもせず、古くもなっていない状態で靴を買い替えるなんて、確かにカチンとくるだろうと思う。
私も自分の娘が成長期の時は、そう思ったこともある。
けれど、体が成長しているのは自然なことだし、逆に喜ばしいことなのだが、そんな子供にグチグチあたるのは、親としていかがなもんかと思うけどな。


あの頃の私に、きつい靴を履いていた私に向かって慰める。




しかし、あの日あの時、窮屈な靴を履いていた割には、デカ足に育っているのよね(笑)
かわいい靴とは無縁だった。


纏足の時代、そんな慣わしがあった中国に生まれなくて良かったよ……(;´∀`)・・ァハハハ・・ハハ・・ハ・・"