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何度目チャレンジしてもワンピースが読めない

同じプロジェクトのメンバー内での共通言語を増やすため
互いが好きな漫画を読む試みがはじまった。
私とイラストレーターの人は「ハンターハンター」を推し、
営業の人は「ワンピース」を推した。

ワンピース。

何度か読んでは、その圧倒的な「光」に目がくらんで
読むのを諦めていた作品だ。
だが、今回はもはや「仕事」だ。
個人的な趣味はまず捨てて再び読むしかない。

そう決意し、読んだのだが……

以降、ワンピースを読んで感じたこと。
ワンピースが好きな人は読まないでほしい。
どうかお願いします。またこれは、ワンピースが悪いのではなく、
私があまりにもネガティブで陰の者だからこそ抱いた
感想だと思ってほしい。
今読んでいるのはウイスキーピークあたりの話だ。

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◆大声で自己紹介、そして自分の夢を語るキャラクターに恐怖

冒頭の数巻は麦わら海賊団の仲間が増えていくというストーリーだ。
だが、こんな冒頭にさえ私は違和感を感じてしまった。
出会ったキャラクター達はみんながみんな、
名前を大声で名乗り、自分の夢を語るのだ。
なぜ、出会ったばかりの何者かもわからない人に…?
キャラクターを読者に説明することは大事だが、それにしても、ちょっと怖い。ブラック企業の研修を見ているような気持ちになってしまった。
人見知りで警戒心が強い自分からすれば、恐怖でしかない光景だった。

◆みんなすぐ泣く

悔しい時、嬉しい時、根性見せなきゃいけない時・・・
誰もかれもが大コマで顔をぐちゃぐちゃにして泣く。
感情が爆発した時に起こす行動が皆同じなのだ。泣き方まで同じ。
特に、ゾロが泣いた時は驚いた。
大きく感情が動く時こそ、それぞれの個性が出るものではないのか?
なぜみんな一様に泣くのだろう。
あまりにも同じなので、「泣く」という最も人間らしいといえる
行動をしているにも関わらず逆に人間味を感じず、
少し不気味に感じてしまった。

キャラクターが派手に泣いたりすることで、
読者に、「ここが大一番です」とガイドをひいているのだろうか。嫌味とかではなく、作品をわかりやすくするための手法なのかも?と。
もしくは、読者に同じ感情になってもらいたいとか?

◆ルフィがわからない

とにかく、これなのだ。
ルフィの考えていることがわからない。
「海賊王になる」という夢があることはわかる。
だが、それ以上の行動原理がまるでわからないのだ。
出会ってほんの少ししか一緒にいない人を「仲間」を呼べることも、
「仲間」の基準も、まわりの話をまったく聞かずに自分の考えだけで行動してばかりなのもわからない。(それによって毎回話の展開が途切れることに徐々にヤキモキしてしまった)
彼の感情の動きそのものがわからない。彼の興味があることがわからない。
何を考えているのかわからないからこそ、太字で叫ぶセリフ(おそらく大事なセリフ)にすら「・・・?」となってしまった。
考えを理解できないから、セリフにこめられた思いもうまく汲み取れない。いいことを言っているのはわかるが、なぜそれをルフィが
このタイミングで言うのか?という部分を自分で消化できない感じ。
考えすぎか?いや、でもわからない・・

ゴンも圧倒的すぎて理解が及ばないことが多い。
だが、ゴンを周囲の人間がどう見ているかが描かれているので
それを読むことで理解することができる。
だが、ルフィは・・・わからなかった。

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結果、このまぶしすぎる世界にやはりあてられてしまい進捗がすごく悪い。
だが、もちろん読んでいるなかで魅力的に感じるキャラクターもいた。
ゼフやスモーカーはかっこいいなと思った。
スモーカーが子供にアイスでズボンを汚されてしまうシーン、いいよね。
麦わらのメンバーはまだ魅力に気付けずにいる。

ワンピースは国民的作品だし、
世界中で愛される作品だ。だが一方で、圧倒的な光感の強いテーマに押されて読むのを挫折した人もいるのではないだろうか。
共感してくれる人がいたらとてもうれしい。


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