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マリオフラッシュサイト「ひなたの庭」 【インターネットの追憶】

インターネットをやっている人間であれば、多かれ少なかれどこかで通過したはずの「おもしろフラッシュ」
小学校のパソコン室といえばでおなじみの、おもしろフラッシュ、一太郎スマイル、ぐっぴょん、クター、おもしろフラッシュ、ピンボール、ちょボット、おもしろフラッシュ、恐怖の館、おもしろフラッシュ…
もはやパソコン室の思い出の大部分を、おもしろフラッシュが占めているといっても過言ではありません。
そんなおもしろフラッシュですが、2020年12月31日にアドビがFlash Playerのサポートを終了したために、その歴史に幕を閉じてしまいました。

今回は、そんなフラッシュサイトの中でも私が一番好きだった、マリオフラッシュサイト「ひなたの庭」について、少し懐かしんでみたいと思います。
(注 現在 2023/8/3 時点でもサイトは運営されています)


!ひなたの庭!についてのページを見ると、2003年頃からフラッシュを探し始めたこと、2006年9月に旧サイトからこちらの新規サイトになったことなど、サイト運用のいきさつが書かれていました。
フラッシュサポート終了後の現在では、サウンドに関するページのみ更新されているようです。(それでも更新されていて嬉しかったです。)


私が最初にこのサイトにたどり着いたのは、学校でクラスメイトとおもしろフラッシュ総合サイトで「マイケルクエスト」や「スーパーマイケルブラザーズ」を見たことがきっかけでした。
(今回十数年ぶりにおもしろフラッシュ総合サイトを訪れると、フラッシュサポート終了に対応して、一部動画の埋め込みになってサイトが存続していました…まだ機能してるのすごいですね。当時一番見てたのは「おもしろムービーズ」でしたが…)


それからYahoo!きっずやきっずgooで「マリオ フラッシュ」とか調べて、検索結果のトップに出てきたのが「ひなたの庭」さんのサイトでした。
こちらのサイトでは、国内外のフラッシュが多数紹介されていて、様々な作品と出会うきっかけになっていました。
サイト構成は、ジャンル別にたくさんのフラッシュの「タイトル、サムネ、一言コメント」が一覧で表示されていて、シンプルで見やすいです。

個人的に好きなポイントは、管理人の方の一言コメントです。ネタバレが無く、そしてワンパターンではない良いアオリ文です。
また、残酷描写や下品ネタの有無をコメントやGIF画像のマークを使って教えてくれているのも親切なポイントです。
マリオのフラッシュはやたら血が出る残虐描写や下品なネタが多いのです。
ちなみに下品ネタ注意のためのGIF画像の名称が「pipeunko.gif」なのも個人的に好きなポイントです。


マリオフラッシュはその大半が海外で制作されていることもあり、会話文の英語字幕やジョークは全く分かりませんでしたが、それでも動きで何となく面白いと感じられる作品がたくさんありました。
私にとって当時特に印象的だったマリオフラッシュ作品をいくつか紹介します。

当時見てクオリティ高いな~と思ったフラッシュの1つです。
マリオやソニック達が登場し、シリアス展開やユーモアありのバトルが繰り広げられていきます。
OPがいい曲だなと数年前に思い出して調べたところ、ロックマンエグゼAxessのOP曲「二つの未来」だということを知りました。
今はリメイク版などがYouTubeで公式に投稿されているらしいです。(熱狂的なファンが作者に迷惑かけるのはどこでもよくある光景ですね…)


ストーリーと戦闘シーンがいいです。最初にマリオが死ぬという展開が印象的でした。
ひなたの庭さんでも、「マリオフラッシュの中でも最も人気が高く、友情あり、感動ありのすばらしい作品」と紹介されています(参照)。
(上述のSuper Mario Bros. Zもそうなんですが、なんというかフラッシュの戦闘系作品って、小学生の頃に自由帳に全力で描いたバトル漫画に込められていたものを感じますね。理詰めよりもこのシーンを見たい!が先に来て作る感じ?)


[!流血シーン注意] 実はこれまでに死んだたくさんのマリオの遺体は、キノピオ達に集められて1つの穴に捨てられていて…
いかにもマリオフラッシュな作品です。
「マリオ死にすぎ」という名称で日本でも有名なフラッシュでした。
フラッシュでは、これぐらいのグロさはマシな方ですね。
他にも「燃焼系マリオ」とかありましたよね。


マリオ3のパロディです。もはや古典と言えるかも。
そこまでインパクトは無いですが、原作の雰囲気を残しているためかやたら記憶に残っていました。子供が見ていてもまだ親は許せる感じの内容です。


Son of a Peach

[!18禁下ネタ注意] タイトルで察せます。親が説明に困って子供に怒るやつです。
15年前にYouTubeに転載された動画が現時点で567万再生されてました。この世界絶対おかしいよ…
国内外問わず、皆さん大体「当時は意味がわからなかった」って同じことをコメントしてますね。それ以上何も言うまい。


[!流血シーン注意] ゲームです。ノコノコが主人公でマリオ達を倒していきます。ジャンプの操作が難しくて、当時2面とかで詰みました。最近上手い人のクリア動画を見てこれは自分にはクリアは無理だなと思いました。


Super Mario Crossover 2.0

ゲームです。マリオのコースでリンク、ロックマン、サムス、悪魔上ドラキュラ(多分)、魂斗羅(多分)などのキャラを操作できます。
各キャラごとにパワーアップして使える能力が異なっていて、かなり凝ってるゲームでした。
最近のスマブラ、マリオメーカーにも通じるところがありますね。
あと、「Super Smash Flash2」というスマブラのフラッシュゲームもありましたが、ジャンプ漫画のキャラを出していて、解釈違いだと感じたのをついでに思い出しました。(めちゃくちゃどうでもいい記憶の押し入れの箱が開封されていく)


(余談)昔マリオフラッシュでよく見た戦車マーク(下の画像)は、「Newgrounds」というフラッシュ作品投稿サイトが2006年~2018年に使用していたロゴらしいです。
こちらのサイトではフラッシュサポート終了後に、「Ruffle」というオープンソースのAdobe Flashエミュレーターを導入しており、現在でもフラッシュを見れるようになっています。実にありがたいですね。

(海外だとサイト運営がうまく機能して今でもこうしてフラッシュを見ることができていますが、国内のサイトは個人が運営していたものが多いせいか殆ど消えてしまっています。文化の違いなのか、技術的なスキル差なのか、何が理由でこの違いが生まれているのかについても調べたいです。)


かなり久しぶりにフラッシュを大量に観て楽しかったですが、ただ1点だけ、動画と違って早送りができないのがやや不便だなと感じてしまいました。
自分はすっかり懐古老害ファスト消費豚ってことですね。
もうあの頃の感性には戻れない…
私も、この社会も。


さて、今回「ひなたの庭」さんのサイトを改めて訪問しましたが、やはり素晴らしいものでした。
昔見たあの作品はどれだっけと思ってサイトを見ると、その充実度やサイトの構成のお陰で探しやすいですし、また随所にマリオフラッシュへの愛が感じられる要素が詰まっています。
フラッシュを懐かしみたい方や新たに何かコンテンツを探している方は、こちらのサイトにアクセスすると、今でも何か面白い発見があると思います。
ぜひ、一度訪問してみてはいかがでしょうか。


たしかにフラッシュは過去のものとなりましたが、こうして形として残っていると当時の思い出が蘇ってくるので、やっぱりとても嬉しいものですね。
書籍は出版されればその内容によらず国立国会図書館に残りますが、インターネットのサイトはどれだけ人気があろうともサービス終了や運営者のサーバー解約などで跡形もなく消えてしまいます。
当時の目撃者ができることといえば、昔を懐かしんで語ることぐらいです。
あのとき確かにあれは存在したんだと。
過去の技術自体が跡形も無くなっても、あの時の面白さや感動は色褪せないものであり、当時の受け手の1人として何らかの形で記憶の断片をネット上に残しておきたいなと思っています。

そんなわけで私は今後も1人、インターネット同窓会をしていく所存です。
みんなみんなさよなら みんなみんながんばって みんなみんなありがとう


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