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そこに恋愛感情は1ミリもなく。
大好きな友達の話をしよう。
彼とは、小学校が一緒、中学校はバラバラで高校で再会した。
去年、英語ディベート大会に一緒に出場した人のひとり。
何においてもとにかく知識量が多くて、そして言語のセンスが良い。
日本語でも、英語でも、言語に対する解釈が丁寧で、綺麗で、すごく好きだ。
「広く浅く」の自分が憧れる、「広く、やや深く」の彼。
そして、ロマンチスト。
…あ、この話すると怒られそうなので、これに関してはもう触れないでおこう。
潔いところも付き合いやすい。
(実は)心配性で完璧主義な自分は、彼の「やることはやる、でもその後は知らん」という一見いい加減に思えるスタンスに何度救われてきたことか。
潔い=ドライ、と見せかけて実はなんだかんだ思いやりがあるところは、実は、ほんのちょっとだけ好きだったりする。likeかloveかは知らんが。
去年の冬にディベートの練習やら何やらで帰りが遅くなった時は、途中まで一緒に帰ってくれたし「気をつけてな」っていう一言もちゃんとくれた。
チロルチョコを奢ってくれた時もあって、「これ俺からのバレンタインね」なんていう冗談ももらったことがあった。ちょうどあの頃は2月だったっけな。
そして、先日のLINEがこちら。
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このトーク履歴が彼の人柄を物語ってる。
そんなこんなで翌朝は一緒に階段を登ってくれた。手すりではなく、彼の右袖を掴む。
転けんでよ?死ぬで
えー転けたらごめんー
今さ、赤ずきんちゃんに出てくる狼さんみたいな気分。お腹に石詰められてんの
しんどそうやなそれは。まぁ俺は体験したことないけど
…なぁ身体変わらん?
嫌やわ笑 5階までもうちょいやき頑張れ
階段を登りきった瞬間、無意識のうちに掴んでいた袖を離す。なんとなく、この時すぐに「ありがとう」の一言が喉に引っかかったままで伝えることができなかった。
その翌日、テスト最終日。
提出用の課題を片手に持っている彼に、「用事終わったら来て」と伝える。自分のカバンの中には、チロル。
お待たせしましたの声を貰い、さぁー帰ろーと返す。
…はい、昨日のお礼!
うわぁチロルやん笑
え、俺何もしてないに
いやぁ、君がおらんかったら心折れて泣きながら帰ってた自信ある
まぁそれもありやと思うけどな笑
…でも役に立てたんならよかった
…ねぇあのさ、
?
これからもしんどい時は頼っていい?
ん、ええよ
この、自分からは干渉しないけど、何気にサラッと助けてくれるところが好きだ。絶対ぜったい、本人には言わんけど。
最近ハマった動画があってさ、とか模試なぞ知らん、とか英検やばいよねー、会場で迷子になる自信あるわとか他愛もない話をしながら、いつもの場所でバイバイする。
完璧主義、と周囲から思われるゆえに、友達にすら「助けて」と言い出すことができない。
しかし、彼にはなんの抵抗もなく頼ることができてしまった。不思議だ。人としてとても尊敬していて、でもそこに恋愛感情は1ミリもなく。感覚的には友達、というよりむしろ家族への安心感に近いような。気楽、安心。だから、好きの種類もきっと違う。
とりとめのない、ただ幼なじみとの日常を切り取っただけの話になってしまった。
「助けて」の声をちゃんと聞いてくれてありがとう。
ところで君はチロルの何味が1番好きなん?分からんから全種類1個ずつ入れてもうたわ。
まぁいいや。
いつもありがとう、かなり好きです。
ご清覧ありがとうございました。
自販機のコンポタでした🌽
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