エリザベス女王杯コラム
今週はエリザベス女王杯。雨予報で馬場悪化ならということで書いてみようと。阪神施行ということで過去2年を線で見たり、同条件宝塚記念と合わせて線で見たり、血統予想でも色んな線での見方があるだろうしもちろんグッと個に寄せた見方も。
✅近いところでの馬場状態から重めのG1レース
✅同条件宝塚記念多頭数馬場重め時
ここではこの2つを線として見ていこうかなと。
過去にはスプリンターズSの結果からスプリントG1を線として捉えてみた記事も書いてました。
まずは直近におけるG1レース。クッション値と含水率は参考程度にして馬場状況が一日通して良馬場施行ではなかったレースのみ↓にピックアップ。もう今回は完全に雨からの馬場悪化と決め付けてね。尚、G1レースに括って距離は括らないことにした。G1という格つまり強い馬が集まるレースで短中長問わずトレンドな血統が先んずるという考え方から。
21年以降だと9レースが該当。この中から当日レース時も雨だったというのは21年の高松宮記念と大阪杯ぐらいで今回そうなれば相当久しぶりにG1レース時に雨が降るということになるのかな。
青の塗り潰し→キングマンボ系種牡馬
青字→母父キングカメハメハ
赤字→2000m以上
これを多いとみるか?少ないとみるか?になってくるが、ひとまずキングマンボの血が躍動している!それが特に2000m以上になると近いところではより躍動感が増してきてるというのが印象。
オークスではロベルト系種牡馬1.2番人気が凡走し3.10番人気でワンツー。過去ミスプロ系(キングマンボ系)種牡馬が未勝利だった天皇賞春ではタイトルホルダーが1着し21年皐月賞も2着。皐月賞では5番人気だった母父キンカメであるジオグリフが勝利。高松宮記念では17番人気キルロードが3着に入り大波乱を演出。
キングマンボの母数増に伴ってというのも勿論あるだろうが、出走馬の半分を占めている訳でもなく人気を取ってみても躍動してるのが窺える。まさに雨の日はキングマンボだなと。種牡馬地図というのが近年急速に変化してる中でこれはいわゆる血統の”風”に値するのではないかと。
これは21年以降におけるキングマンボ種牡馬の芝レース全成績、そしてそこから重.不良馬場だった条件をピックアップし比較したもの。勝率.連対率.複勝率いずれも重.不良馬場が上回っており特に勝ち切るという印象。全てのレースの結果からしてもやはり雨の日はキングマンボと言っても言い過ぎではないだろう。
では、エリザベス女王杯出走馬でキングマンボ系種牡馬ということに絞ると4頭(ちなみに母父キングカメハメハは3頭)。そこから注目馬として2頭挙げてみたい。
◆スタニングローズ
父キングカメハメハがキングマンボ系種牡馬で稍重→良だった今年のオークス2着馬。母父クロフネというのもミソで重賞になると馬場悪化でパフォーマンスup。特にそれが2000m以上だと顕著。とにかく勝ち切る!クロフネ=Deputy Ministerは母系に入るとパワー体力増しになるのだろう。詳しくは↓
母父クロフネの奥にはShirley Heights.Lyphardという欧州血統の支えも見られ馬場悪化によるタフ馬場は字面的にはドンと来い!なタイプに感じる。血統以外のことで少し引っ掛かる点もあるが真っ当に血統評価するに値する。
◆ルビーカサブランカ
同馬もスタニングローズと同じ父キングカメハメハがキングマンボ系種牡馬。ダンスインザダーク×Sharpoの母方は欧州志向でその奥にスピード血統が。全兄ユーキャンスマイルは菊花賞10番人気3着.母ムードインディゴは秋華賞8番人気2着とそれぞれG1を人気薄で激走してきた血筋馬。その源となったのはダンスインザダークが内包してるKey to the Mint~Ribotの血という見方も出来る。
Ribotとは→大レースでの一発と底力に長けて凱旋門賞馬らしい重厚感。父Ribot系で代表馬といえばタップダンスシチー。それこそ大レースG1ジャパンカップで重馬場を4番人気で1.5秒差を付けての圧巻の逃げ切り。そんなRibotの血が肝になってるのがエリザベス女王杯と同条件(阪神2200m)になる宝塚記念で今回と同じ多頭数且つ馬場が重めの時なのである。
20年 稍重
2着 キセキ(母方AllegedがRibot)
18年 稍重
2着 ワーザー(母方IrradiateがRibot)
16年 稍重
1着 マリアライト(母方にRibot)
10年 稍重
1着 ナカヤマフェスタ(母父タイトスポット.母方His MajestyがRibot)
これら4頭が5代内母方にRibot(系)の血を持ち2010年以降10.16.18.20年と多頭数道悪宝塚で好走!ということでここが線として繋がってくると考えられるのだ(←これに関しては少々強引ではあるのだが)。しかもキングカメハメハの父であるKingmamboがRibotの血を内包。キセキ.マリアライトはKingmamboの血を持っているのでつまりRibotのクロスが発生(Kingmamboの血を持っていないナカヤマフェスタも母方がRibotのクロス)。Ribot強調という意味からしてもルビーカサブランカというのは楽しみでしかない血統構成馬。
そしてもう1頭キングマンボ系種牡馬でもなく母父キングカメハメハでもないがRibotの血を持つということで注目したいのがウインマイティー。
母方にRibotを持ち父がステイゴールドの血を引いてるならイメージはナカヤマフェスタ。母父カコイーシーズは米国基調の構成だが自身はイギリスG1馬。Lomond~Golden Fleece~Ribotという母方の支えからかなり欧州の血で支えられた構成でもある。そして父ゴールドシップの産駒特徴は【休み明けはもう一つで叩きつつ間隔詰めながら走る】【道悪得意】重賞ではこれらと共に【前走より忙しさを感じる局面より延長臨戦が得意】という面が。今回は道悪濃厚なのと自身間隔詰めた叩き2走目というのは父からして非常に魅力的。使って使って延長延長で掴み取ったのがオークス3着。まさにこれがゴールドシップの真骨頂みたいな感じもその後低迷。このまま終わってしまうのか!?そう思ったところで驚かされたのがマーメイドS。福島民報杯→メトロポリタンSが休み明け忙しかったペースからの間隔詰めた叩き2走目でしかも延長でスローというまさにゴールドシップのお誂え向き的な局面で惜しくも4着。あ~これが目一杯だったのか…ってところからの短縮ペースUPで前付けしてマリアエレーナを0.3秒ちぎっての完勝。これまでの同馬のキャラそしてゴールドシップ産駒的にまさに真逆の場面と思えるところだっただけに尚更。そして休み明けの前走京都大賞典も内から3着とまとめた内容からして完全に一時の低迷期からは抜け出してるどころか逆に充実ぶりも窺える内容。2年前の同レースは惨敗してるがここ非常に楽しみにしている。
以上、木曜夜~金曜早朝時点でのものになります。