Mタイム×血統クロストークvol7~有馬記念を終えて


クロストークファンの皆様(いるのか?)久々の更新となりました。今回は第7回目扱いという形で第3回安田記念回に続いていなろさん豆苗さんというお二人と有馬記念を振り返ってみました。↓にはバックナンバーを、そして↑のお二人の名前のリンクはそれぞれが活動されてるnote.ブログになっておりますので是非!

Mタイムというのはお二人が週末Twitterでスペースを使ったお話をされてるんですがそのタイトルのようなもの(←大丈夫?合ってる?)。今年から始められて個々の活動と共に積極的に取り組んでおられます。お二人と私は実際に顔合わせしている間柄で有難いことに仲良くさせてもらってるのです。以下、有馬記念のMタイムアーカイブへ飛べるツイートを添付

そんなお二人との久々のクロストーク。結構獲れ高があってあまりカットしたくなかったのとホープフルS前にUPしないと!というのもあって長くなりましたがゆっくりお時間のある時に一読してもらえると嬉しいですし、お二人を知らなかったという方はこれをきっかけにしてもらえると私としては嬉しい限り。

いなろさんのTwitter
https://twitter.com/_inaro

豆苗さんのTwitter
https://twitter.com/sakastino1


それでは、いってみよう~



メンク 「♬祭りだ、祭りだ、祭りだ、キタサン祭り~、またもキタサンにやられたよ~、なんで~2人も~無印や~ねん」

※ちなみにここでの”またも”はキタサンブラックの菊花賞勝ちでハズレに続いてということになる

有馬記念3人の予想印


豆苗 「全員無印」


メンク 「ちなみに2人はイクイノックス印打つなら何番手やったの?それかやっぱり無印?」


豆苗 「僕は打つなら4番手でした」


いなろ 「うん、参りましたね。わたしは勝負の無印です」


豆苗 「メンクさんは完全に消しでしたか?スピード優勢イメージ?」


メンク 「天皇賞秋が血統的に超ビンゴ=100点っていう判断で◎だったからそれ以上は評価し辛かったから無印ね。そう、スピード優勢なイメージで。でも字面の血統は全く問題ないし呆れるほど強かったし、もうイクイノックスと他のキタサンブラック産駒は分けて考えないとダメなんだろうね」



↑いなろさんとの前説。キタサンブラック産駒とイクイノックスについてあれこれ語ってました。イクイノックス以外の?産駒でまだまだ活かせる局面があれば…




豆苗 「3人全員秋天◎イクイノックスだったんですね〜」


豆苗 「僕は去年のエフフォーリアと今年のイクイノックスの強さが同じだと仮定した場合、有馬記念っていう舞台への適性はエフフォーリアの方が上だと見たので来ても2着まで。アーモンドアイほど繊細ではなさそうなのでそれよりは上、という評価でした」



いなろ 「↑は(白:有馬記念の過去平均ラップ、緑:イクイノックス自身のこれまでの個別ラップ)」


いなろ 「わたしは、求められるラップ適性とこれまでの経験値を比較してですね…これだけ乖離があるなら、新しい体験に驚くほうに振りました!」


メンク 「そっか!!じゃあ尚更ここで揃って下げの方向になるのは致し方なしか…しかしここでまさか100点から120点を叩きだされるなんてね」



メンク 「イクイノックスって母父キングヘイローの父ダンシングブレーヴ、母母父トニービン、母母母父Allegedって皆凱旋門賞勝ち馬。一族も道悪が凄い得意だったりするから、まあ中山2500mという意味では血統的に納得ではあるんやけど…同じ産駒のガイアフォースにビジュノワールも中山重賞で走ってるわけで。自分もいなろさん同様に経験という意味とまた1番人気を考えたら秋天と同じように評価は出来なかった」


メンク 「なんていうんだろう?欧州的重さや体力っていうのを走りからあまり感じられないのよね感覚的に。有馬の4角なんて痺れる~やん。こんな感じの血統的重さがあるけど走りにそれが感じられない=ディープ、エルコン、オルフェみたいな。ってことで凱旋門賞へGO!なんてね」


豆苗 「仰る通り、走りにパワー体力ゴリゴリな感じはないです」


いなろ 「4角は本当に痺れました。すーーーーーー!っていう感じ。後ろに映るボルドグフーシュと比較するとなおさらです」


豆苗 「僕なりのMでの個体像としてはアーモンドアイとかフィエールマンみたいなとにかく良質な、東京2400ドンピシャの超王道、超主流っていうイメージです」


メンク 「ジャパンカップなんかもういいよーその通りで勝つよ(笑)」


メンク 「もし凱旋門賞出たらどうせ国内馬券は1番人気やから豆苗ちゃんにあの得体のしれない海外馬券の買えるやつ教えてもらってそっちから買おう(笑)」


豆苗 「得体の知れないやつ笑」


豆苗 「リファールクロスでキレを出してるっていうのを聞いたんですけどその辺はどうなんですか?」



メンク 「キタサンブラックに入ってるAlzaoと母父のラインにあるダンシングブレーヴがリファールで血統構成もかなり近いのよ。それが爆発力=斬れに繋がってるとは思うね。アルテミスSのラヴェルも母方にダンシングブレーヴ持ってるから。でももうそんなの通り越してるよw」


豆苗 「お手上げレベルの強さですか?」


メンク 「うん。仮に道悪となっても牝系から大丈夫そうだし、後は2人も触れてるようにHペースや内前が強い硬いクッション値の超高速馬場ぐらいじゃない。でもHペースになっても爆発力あるし。内前が強い硬いクッションの超高速馬場なんてなかなかねえ…リニューアル京都後の春天なら!?とも考えたけど絶対出走しないし、しかもキタサンブラックやからまたやられたら祭り唄わなきゃいけなくなるし」


いなろ 「またやられたら祭り唄わなきゃいけなくなるwww」


メンク 「2人は今後のイクイノックスはどう考える?」


豆苗 「苦手な条件、逆らう場面を探すっていうよりただただ強さを讃えたいです笑」


いなろ 「わたしは苦条件で一縷の望みにかけたいです。有馬記念の残り1000mのラップはボルドグフーシュと同じでした。大外回してしっかり追ったボルドグフーシュと、持ったままボルドグフーシュよりも内を回ったイクイノックス」


イクイノックス :ラスト1000m 59.0、最速区間(L2F) 11.4
ボルドグフーシュ:ラスト1000m 59.0、最速区間(L2F) 11.5
ジェラルディーナ:ラスト1000m 59.4、最速区間(L2F) 11.5


いなろ 「天皇賞でもダノンベルーガと小差だったことを考えると、見た目のインパクトと数字の違和感は持ち続けていたいです」


メンク 「なるほどね!ラップからだとまだ分からんぞ~っていういなろさんと、Mだと超王道で超主流に感じる豆苗さん。そしてはよ凱旋門賞行けというメンク。今度は3人で祭り唄おうね!」


豆苗 「唄いましょう笑」



メンク 「じゃあ3人が評価してたジェラルディーナ。ラップ.M.血統とそれぞれ違うファクターで唯一揃った馬だね」



メンク 「血統的にはジェラルディーナとボルドグフーシュ、父は違うけどまあ一緒。で、共にAlydarという血を共通して持ってる」


豆苗 「Alydar?あんまり聞いた事ないです」


メンク 「有馬勝ち馬のゴールドアクターもスクリーンヒーローにAlydar持ち。冬の京成杯勝ちにタフ馬場皐月賞3着のジェネラーレウーノもスクリーンヒーローにAlydar持ち」



メンク 「昨年2着で今回自分と豆苗さんが評価したディープボンドも母母父にAlydar」


いなろ 「父の影響か、体力主導(豆苗さんのいうL系)ばっかり出てきますね」


豆苗 「体力っていうよりはパワー系の馬が多い、かな?」


いなろ 「Alydar 自身は、アメリカの中距離ダートで活躍してた馬...なんですね」


メンク 「そう!Alydarは米国型でパワーをガツンと付与で捉えてるんやけど、これだけAlydarが相性良いレースもなかなかなくてね。今年はスロー寄りでも結局Alydar。しかもスクリーンヒーローとの組み合わせ◎。これは私的には有馬らしい2.3着」


豆苗 「3歳馬らしい勢いを使って突っ込んで来たボルドグフーシュと、馬体を増やしながら個体の成長で上がって来たジェラルディーナ。【パワーをガツンと付与】っていうのが僕が使う駆動っていう表現と繋がるかも」


メンク 「おお!繋がるかい!ボルドグフーシュもジェラルディーナもスクリーンヒーローやモーリスの上昇曲線って感じでまさに上り詰めてきたよなって」


豆苗 「血統のこういう所はちょっと知っておきたいんですよね。頑なに個体を見ていくスタイルなんですけど、それらの挙動に似たような所があった時に血統の奥の方で同じものが効いてるみたいな、アプローチとしてはあくまで挙動をベースとするんですけど、その答え合わせの情報として奥の方の血統の知識を持っておきたい


いなろ 「同じくです。アプローチとしてはあくまで個別ラップをベースとするんですけど、その答え合わせの情報として(...以下同文」


メンク 「Alydarが全てこうである!というわけでは勿論ないけど、パワーを活かせる≒小回りだったりタフな馬場。今このAlydarという血が前面に出てる馬はほぼ居ないけど、こういう奥まで見ていくと例えばスクリーンヒーローとは物凄く繋がってきたりする。こういうのを見つけるのが楽しいし奥まで見たくなるのよね


豆苗 「今でいうとキズナの牡馬とかゴールドシップ産駒がそうですけど、
体力主体の馬が多い種牡馬で、Alydar的なアメリカダート質ガツンがある馬とない馬の差とか見たいですね。とりあえずMタイムファンお馴染みの弱い体力(L)系の代表格マカオンドールにはAlydarは無かったです笑」


いなろ 「www」


メンク 「マカオンドール笑。ゴールドシップのウインマイティーは母父にAlydarが入ってるね」


豆苗 「ウインマイティーの方が駆動(S)がある評価なんで納得です笑」


いなろ 「元々ジェラルディーナは阪神外回りを瞬発力で持ってくるイメージが強かったですが、最近の、特にエリ女の極悪馬場でも減速しないパワーを見て評価が爆上がりました!」


エリザベス女王杯ラスト3Fの個別ラップ
11.6-11.6-12.1 ジェラルディーナ
11.6-11.6-12.3 アカイイト
11.8-12.0-12.8 イズジョーノキセキ
12.1-12.5-14.0 ウインマイティー


豆苗 「母父ディープの字面と最初の頃優等生っぽかった印象から瞬発力タイプのマイラーっていうイメージを僕も持ってましたけど、スピードじゃなくて体力とか量(この表現使ってすみません)で飲み込む挙動ですね。オークスで飲み込んだラヴズオンリーユーのイメージです」


メンク 「そうね~お母さんジェンティルドンナのイメージも付いて来てたし、確かにジェラルディーナのイメージは2人と同じ感じに自分も思ってた。それが一気に!っていうのは父モーリスにやっぱり似てる。重賞を使いつつのし上がっていくのは同産駒ピクシーナイトと被る部分もあるし。ピクシーも最初たるいマイラーかな?って思ったら1200m使って一気だったから」


豆苗 「確かに一気に上がっていく感じ似てますね」


メンク 「だからもたついた○○○○ドールは騎手云々じゃなくそんなになんじゃないかな?」


豆苗 「Alydarもないしスクリーンヒーロー的な駆け上がり要素もないし」


いなろ 「もうやめて、有馬記念に出ていないマカオンドールのライフは0よ!」


メンク 「これマカオンじゃなくてジャックのほう」


豆苗 「スクリーンヒーローじゃないから「ん??」って思いましたけどこの流れだとマカオンだと思っちゃいます笑」


いなろ 「これは罠。笑」



豆苗 「エフフォーリアの来春のイメージはお2人どうですか?Mタイムでも話しましたけど僕は路線変えて春天なら普通に走ると思ってるんですよね」


メンク 「言うほど悪くはなかったよね有馬のエフフォーリア。しかし前走3着以下からエピファネイア産駒は未だに重賞だと1勝もしてないなんてね」


エピファネイア産駒芝重賞前走着順別


豆苗 「全然悪く無かったです。一気に巻き返すようなイメージは薄かったんですが、活力は戻してるような印象で、有馬4〜5着で次へのステップにするのが理想だと話していたので。今回5着でしたけど、M的にはダウン延長の阪神大賞典ならしっかり巻き返して連対して来そう」


メンク 「まだサンプリングがデアリングタクトしかないんだけど、自分もちょろっとツイートしたりnoteに書いたのは短いところを使って刺激を与えてから距離延ばすみたいなね。エフフォーリアの大阪杯後の宝塚は内からの挙動は悪くなかったのもあったから」


豆苗 「デアリングタクトも結局体力系で2200以上ベターな感じになってますよね」


メンク 「そうだね。JCも惜しかったし。スカイグルーヴも距離短くして一瞬だけ輝きかけたじゃない。だからそういうところから体力のほうに戻していくみたいなね」


いなろ 「悪くないけど良くもない。デアリングタクトの立ち位置に似たイメージです」


イクイノックス  :114-12.1
ボルドグフーシュ :11.5-12.2
エフフォーリア  :11.8-12.7
ジャスティンパレス:11.9-12.7


いなろ 「ラスト2Fで11.8-12.7と、他と比べてしっかり減速しているので、あんまり評価は変わらないですね」


豆苗 「なるほど、最後まで失速しなかったタイプの方が延長への安心感はあるっていう話でしたもんね」


メンク 「絶対能力でまだカバー出来てるけど今後の跳ねが?って感じだね」


いなろ 「ですね」



メンク 「ラップって数字やグラフ化で目にぱっと飛び込みやすい面はあるけど、Mの個体評価っていうのはラップと比べると断然目に飛び込みにくいね~一般的に。そういうところ今後豆苗さん的には少し下って分かりやすいほうにいくとか、いなろさん的には数字以外のMの取り入れ方とか、なにか2023年に向けてこうしていこうってのは現状なにかある??」


豆苗 「S、L、Cっていうのを分かりやすく駆動、体力orスピード、精神力っていうワードに置き換えて表現するっていう作業を今年やって来たんですけど、それ以上の作業、例えば5角形のグラフ化みたいな事は個人的には興味はないですね。こういうのをやった方が理解してくれる人は増えると思うんですけどね…」


メンク 「S.L.Cをその表現にしてるのは外向けには凄く分かりやすいと思うよ。それが少し下ってるということになるんやろね。オレ個人としてはグラフ化なんかしなくていいけどw」


いなろ 「いい時計で勝った馬が、次に嘘のようにボロ負けする。数字には見えないところを、豆苗さんがわかりやすい言葉でヒントをくれます。自分で豆苗式Mの視点を鍛えると言うよりは、豆苗さんの見え方をもっと反映したい(二人三脚感)と思いますね


メンク 「なるほどね!見た目と一緒で優しい人だね(^^)。でも息も合ってるし反映できてると思うよ」


豆苗 「僕も感覚だけで突っ走っちゃう所があるんでいなろさんに現実を教えてもらえるのが凄いありがたいです」


メンク 「うん。だから丁度噛み合うと思う」


豆苗 「Mタイムとしても来年以降どこまで外の世界に意識を向けていくかっていうのは年明けに2人で飲みながら話そうと思ってます」


メンク 「当然そこだよね~でも継続してきてだいぶ聴いてる人も増えたんじゃない?」


豆苗 「有馬の回はとーるさんの影響もあってか録音の再生数も凄い多かったんですけど、どうですかね。あんまり実感する場面は少ないかもしれないです」


メンク 「そっかあ。でもそういう影響力のある人を呼んでっていうのも2人を知らない人が外から飛び込んでくるきっかけにもなるだろうし、1人でもそんな人が居たらそれが2人→4人とかになって広がっていくこともありだろうからね」


いなろ 「んー。わたしも実感は薄くて。単なる予想発表の場じゃなくて、オリジナリティやユーモアをもっと出したい。性格上難しいとこはありますが、極上の素材はもってる自信があります。あとはどう料理するか。今年は一歩踏み出したところを評価したいです」


メンク 「そうだよ!今年がスタートなんやから今後色々考えて変化してもいいし、しなくてもいいし、やりたいようにやればいいのよ!」


豆苗 「そうですね、とりあえず今年は新しいものをスタートさせてそれを1年継続出来た事が何よりです。無理して自分たちがやりたくない事をやるつもりはないので、まずは楽しく、そして価値あるものを生み出していけたら理想だよね、というテンションで来年もやっていこうと思います!」


メンク 「それでいい!それでいい!継続ってほんと大変だから。しかも1人じゃなく2人なら尚更。それを遠くから見守ってるメンクという形でいいじゃないw」


いなろ 「見守りありがとうございます」


メンク 「来年お二人とMタイムの更なる発展を願いながらこのあたりで終わりますか」


豆苗 「お忙しい中2回目のクロストークありがとうございました!」


いなろ 「クロストークありがとうございました!また安田記念でお会いしましょう!」


メンク 「安田で連敗ストップしたから有馬外れたんやわw」



各馬のラップは DERBY ROOM 様を参考にさせていただきました。



~あとがき~

ブログを書いてる時から金満血統のクロストークに憧れていつかやりたい!という構想を持ちながらなかなか実現へと至らなかったクロストーク。今年それをnoteにおいてようやく実現出来ました。

気付けば今回で7回目だったんですね。どれもが凄く有意義で楽しいものとなり実際に読んでもらった方々からも色んな声を掛けてもらえました。改めてこの場を借りて私とクロストークして頂いた方、そしてこのクロストークを読んでもらった方、沢山の方々に感謝そしてありがとうございました。