芝重賞まとめ’22-’23

新年あけましておめでとうございます。”稀に”note更新ということで気に入って下さってる方、初見の方、本年も気まぐれ更新になりますが宜しくお願い致します。


サンデーサイレンス
トニービン
ブライアンズタイム
この3種牡馬時代から抜け出したのがサンデーサイレンス産駒。そのサンデー産駒が役割を終えてからの数年は混沌としたリーディング種牡馬争いも、そんなサンデーサイレンスの仔であったディープインパクト産駒が一気に席巻し天下統一。そこにキングカメハメハが加わって、横綱ディープ.大関キンカメという時代がしばらく続きました。


そして現在…ディープ.キンカメ共に若駒は居なくなりハーツクライは今3歳世代がラストクロップ。ドゥラメンテは23年リーディング種牡馬に輝くも今年デビュー予定の2歳馬がラストクロップ。確実に戦国時代となっており種牡馬過渡期の様相。仮にサンデー⇒ディープからのコントレイルという流れになるならばもう数年はこの状態が続くであろうかと。


各系統毎、そこからピックアップした種牡馬、改めて今どういう状況なのか?少し咀嚼しておいた上で2024年の競馬に向かいたい。


では、ここからは芝重賞に絞ってみていくことに。



父キングマンボ系

23年
28- 34- 20-292/374 
勝率7.5% 複勝率16.6% 連対率21.9%
22年
40- 28- 32-318/418 
勝率9.6% 複勝率16.3% 連対率23.9%

22年から23年は大きな変化は見られずも勝率がダウン。この大きな要因は…

【2歳重賞】
23年 
1- 2- 1-21/25 
勝率4.0% 連対率12.0% 複勝率16.0%
22年 
6- 4- 4-16/30 
勝率20.0% 連対率33.3% 複勝率46.7%

ひとえに明け3歳馬となる=2歳馬が奮わなかったのが大きいか。2歳戦芝で2勝以上した馬が22年10頭に対して23年は3頭のみ。これは昨年に比べると層が薄いという可能性も。

ドゥラメンテ

【23年】
東京 2勝
前走東京 4勝 4-1-2-9

JC3.5着だったスターズオンアース&タイトルホルダーが有馬記念2.3着だったように前走東京でキレ負けした馬を狙うのが手っ取り早そうなドゥラメンテ。シーズンリッチ.ドゥーラ.アヴェラーレ.リバティアイランドがこのパターンで次走勝利した。東京も決して向かないことはないが、そこからの跳ねという意味でパワー.体力に長けてる分だけ見込めるのだろう。 


父サンデーサイレンス系

23年 
16- 30- 17-238/301 
勝率5.3% 連対率15.3% 複勝率20.9%
22年 
19- 19- 19-262/319 
勝率6.0% 連対率11.9% 複勝率17.9%

ここでのサンデーサイレンス系というのはディープインパクトとステイゴールドの血をひかない馬を指す。(例)ハーツクライ.キタサンブラック等。
勝率がダウンした23年だったが連対率&複勝率はアップした。

【2歳重賞】
23年 
4- 5- 4-23/36 
勝率11.1% 連対率25.0% 複勝率36.1%
22年 
3- 3- 3-32/41 
勝率7.3% 連対率14.6% 複勝率22.0%

こちらは父キングマンボ系とは対照的に2歳重賞でかなり走った23年。阪神JF1着がダイワメジャー、ホープフルS1着がスワーヴリチャード、朝日杯FS2着に阪神JF3着も。昨年のクラシック路線は父キングマンボ系と父ノーザンダンサー系に押し出された感があったが、今年のクラシック路線では主役を担っていきそうな気配ではある。

スワーヴリチャード

23年 重賞2勝(共に牝馬)

レガレイラのホープフルSとコラソンビートの京王杯2歳S。期待の新種牡馬である。これは全体的にも言えることだが現状スワーヴリチャードも牝馬となると脚が速く優等生な面が牡馬よりはありそう←それが重賞勝利へと結び付いたのかなと。バーンと世代間で飛び出したように特に仕上がり早というのはその父ハーツクライよりも母父であるUnbridled's Songの影響力が大きいか。そして牡馬は加えてよりハーツクライっぽくこれからなのかもしれない。それはここまで内枠.多頭数で苦戦傾向にあってハーツが内包しているトニービンらしさが出てるから。そのトニービンというのは小回り内枠をキュッキュッと回る器用さよりは大箱でドンと持続力で追い掛けるのが大きな特徴でもあるのでね。従って中山そして東京で牡馬がどうなっていくのかを見守りたい。


父ディープインパクト系(D2系種牡馬)

23年 
16- 12- 19-254/301 
勝率5.3% 連対率9.3% 複勝率15.6%
22年 
11- 12- 16-161/200 
勝率5.5% 連対率11.5% 複勝率19.5%

2.3着率が若干減った22年⇒23年も大きな変化なし。

【稍重.重.不良】
23年 
2- 6- 3-52/63 
勝率3.2% 連対率12.7% 複勝率17.5%
22年 
0- 1- 1-23/25 
勝率0.0% 連対率4.0% 複勝率8.0%

22年から23年で目立ったのがこれ。シルバーステート産駒が相当貢献したとはいえ全体と比較するといわゆる湿馬場でよく走った感。ディープというイメージは消して挑むのがこの系統と上手に付き合っていける方法かも。


父ロベルト系

23年 
12- 13- 12-150/187 
勝率6.4% 連対率13.4% 複勝率19.8%
22年 
10- 17- 11-140/178 
勝率5.6% 連対率15.2% 複勝率21.3%

勝率が少し上がって2.3着率がダウンも全体的にはそう変化がなかった22年⇒23年。

【23年年齢別】
2~3歳 
3- 5- 5- 65/78 
勝率3.8% 連対率10.3% 複勝率16.7%
4歳以降 
9- 8- 7- 85/109 
勝率8.3% 連対率15.6% 複勝率22.0%

若駒<<古馬。このへんはロベルトらしさというか古き良き伝統というか。全体的には使われて完成していく。モーリスなんかまさにそうだし、エピファネイアも新馬で勝つというのは初年度から変わらないが、そこからポンポンいくというよりは古馬で再上昇という馬がちらほらと。

モーリス

【22年-23年.2-3歳馬前走着順】

【22年-23年.4歳以上馬前走着順】

まさにこの成績を見れば一目瞭然で、ここまでのモーリス産駒は【若駒は連勝の壁を感じ古馬での上昇気流を見逃したくないタイプが多い】3歳前半まして2歳なんてある程度前走着順に従順なのに勝ててない。昨年の朝日杯FS人気の前走1着馬2頭が負けたのが典型的であって、むしろ負けてる方が良く古馬になってからというまるで父譲りな珍しさ。ただ4世代目となる今3歳世代は世代として2歳戦指標トップできた。だからこそ朝日杯FSの結果にはガッカリしたがまだ大将候補のダノンエアズロックが控えており重賞となるであろう次走に注目。そして前走着順にとにかく着目したい種牡馬だ。


ディープインパクト

23年 
8- 3- 13- 89/113 
勝率7.1% 連対率9.7% 複勝率21.2%
22年 
9- 9- 12-145/175 
勝率5.1% 連対率10.3% 複勝率17.1%

個人的には最早興味のない種牡馬だが、こうしてみると23年は22年より若駒が居なかったわりには頑張ってたなあという印象。

【23年場所別】
中京 2- 1- 3-11/17 
京都 2- 0- 0- 7/ 9
東京 1- 2- 2-22/27
新潟 0- 0- 1- 8/ 9

晩年に差し掛かったのと他産駒に優位性が出て来たことにより往年のスピード・キレキレではなくなりつつ。急坂中京や3-4角の坂上り下りで惰性が付けやすい京都でこそ出番か。中京は6R/9Rで人気馬がしっかりと馬券に絡み中日新聞杯でも人気薄が4-6着ならやはり今適性○。京都は2R/4Rで勝ち切りそれが重と稍重馬場。


父ダンチヒ系

23年 
11- 6- 9- 74/100
勝率11.0% 連対率17.0% 複勝率26.0%
22年 
3- 8- 7- 61/ 79
勝率3.8% 連対率13.9% 複勝率22.8%

22年から23年で大きくジャンプアップ。勝率10%超えは凄かった23年。

ハービンジャー

23年 
8- 2- 6-39/55
勝率14.5% 連対率18.2% 複勝率29.1%
22年 
2- 4- 3-32/41
勝率4.9% 連対率14.6% 複勝率22.0%

その大きな一翼を担ったのがハービンジャーで数字を見れば一目瞭然。2歳世代から復権を感じさせてた現5歳世代の活躍と3歳馬の活躍。ディープ&キンカメからお鉢が回ってきたというのはあながち間違いではないはず。8勝中3勝が稍重.重.不良の湿馬場であったのも見逃せない。

デクラレーションオブウォー

23年 2-4-1-14

現4歳世代から本格日本供用されたデクラレーションオブウォーも頑張った。コーナー4つの2000m重賞で4回馬券になったトップナイフ、そのコーナー4つの2000m重賞.稍重で3着したシランケド、重馬場で勝ち切ったタマモブラックタイ。洋芝コーナー4つの1800m重賞.稍重で勝ち切ったセットアップ。好走特徴かなり分かりやすかった。


父米国ノーザンダンサー系

23年 
5- 4- 5-66/80
勝率6.3% 連対率11.3% 複勝率17.5%
22年 
7- 5- 4-49/65
勝率10.8% 連対率18.5% 複勝率24.6%

これは23年大きくダウン。特に同じノーザンダンサー系と比べて割を食った感あり。

【23年年齢別】
2~3歳 
3- 1- 3-32/39
勝率7.7% 連対率10.3% 複勝率17.9%
4歳 
2- 2- 1-14/19 
勝率10.5% 連対率21.1% 複勝率26.3%
5歳以上 
0- 1- 1-20/22 
勝率0.0% 連対率4.5% 複勝率9.1%

元来仕上がり早な血筋な系統。ソダシ.ユニコーンライオンという実績馬が引退しマリアエレーナも下り目。ママコチャ&アグリが頑張れるかになってくるが古馬勢がより厳しさを増してきそう。


父ステイゴールド系(ステゴ第2世代)

23年 
5- 5- 8- 76/ 94
勝率5.3% 連対率10.6% 複勝率19.1%
22年 
6- 7- 7- 85/105 
勝率5.7% 連対率12.4% 複勝率19.0%

もっと落ちてるイメージがあった23年だが22年とそう変わらなかった。

【23年牡牝別.湿馬場】
牡 1-0-4-7
牝 0-0-0-7

22年は道悪エリ女ライラック2着があったが、基本的に牡馬がパワー.体力に優れていて、牝馬はそれを少し差し引いて牡馬よりはスピードがあるという認識で。


父欧州ノーザンダンサー系

23年 
4- 5- 4-38/51
勝率7.8% 連対率17.6% 複勝率25.5%
22年 
2- 5- 3-36/46
勝率4.3% 連対率15.2% 複勝率21.7%

これは23年伸ばしてきたなあ。特に道悪で数字を伸ばしてるわけではなく…23年のダービー馬タスティエーラがサトノクラウン産駒でMarju~欧州ノーザンダンサー系。この馬の活躍が大きかったし、この血がダービー獲れたというのも主流な脚早血統が居なくなったのも大きいし、育成⇒早い段階のレースで速い脚の一端さえ見せていればそれに伴って現代では十分勝負になってくるというところか。そして24年に活躍が見込めるのが凱旋門賞馬ソットサス全弟でSiyouni産駒のシンエンペラー。新馬で上がり速い加速ラップを勝っており第2のタスティエーラつまりダービー馬の可能性は現時点で十分という見立て。

【23年場所別】
中山 2-3-1-8
京都 1-1-1-6

中山は急坂、京都の好走3頭は全てタフだった秋。こういうところはやはり狙い撃ちしたくなる。



<最後に>
どうでしたか?
自分は変化を読み取るというのを大切に。そしてそこからの未来予測もほんのりと取り入れながらというのがここ数年の血統テーマ。予想は主観と客観の間で難しい面はあるが、そこのバランスを上手く取れればというのが理想。一時ふらふらしていた時期もあったが近年はほぼ血統オンリーでやれてるしそれだけで十分やれると思ってる。長~いブログ生活を終えて約2年、一昨年はプラスで昨年はマイナス。余計な重し?が取れた3年目はまたプラスへと挑戦しそうなればベストだが、まずは血統と共に競馬を楽しめる一年にしたいなと。 メンク