POGクロストーク~vol.4①


これまではレースの振り返りを中心にやってきたクロストーク。バックナンバーは☟にマガジンとしてまとめてるので是非。

そして今回の第4弾は少し趣向を変えて『POG』をテーマにしてトークを展開。互いに別々のPOGに参加しているNackyさんのほうから利害が離れたところでならトークしやすいでしょ!ってことでここへの参加表明がありました。POGの説明はここでは省略しますが、過去のクロストークとはまた違った角度から血統の楽しみを感じてもらえればなと。では、いってみよう~



メンク 「今回はNackyさんと展望でもなく予想でもなく振り返りでもなくPOGについてトークしていきたいと思います。Nackyさんよろしくお願いします」


Nacky 「ここでははじめましての方も多そうですね、Nackyといいます。今回はよろしくお願いします」


メンク 「では、まずPOGの話に入る前に…ちなみにNackyさんの予想スタイルはMの法則ですが、予想に血統が占める割合ってどのくらいありますか?」


Nacky 「もともとMの法則の考え方の中に【血統ごとで前走→今走の変化に対する反応が変わる】という内容があるので、そういう意味合いでは少なからず血統が占められて”いた”って感じですね」


メンク 「確かに創始者である今井さんは種牡馬辞典を出してるぐらいなんでそういった考え方なんでしょうね。じゃあ今は割合としては一時よりは減らしてるという感じですか」


Nacky 「そうですね、というのも、Mの法則の創成期に比べると、要素が尖った馬がかなり減っている現状があります。ディープインパクトとかキングカメハメハとかがまさにその代表で、自分の志向としてその細かな差異を追いきれなくなってきたと」


メンク 「なるほど!そういった面では捨てる部分は捨てていくっていうのは今の自分にも共通してますね。全部を追い掛けていくのはしんどいですし」


Nacky 「そうなんですよね、細かく見るのはキリがない。で、今は特にオープン以上のレースでは過去の結果をもとにどういう臨戦の馬が走りやすいかを見るという、いわゆる【ステップ論】をベースに考えることが多いです。下級条件だとそれだけでは追いきれないので、血統論を少し混ぜ込んで網を張る、って感じですね」


メンク 「じゃあNackyさんも自分と同じ血統使いということで(笑)。それではここからはPOGの話に入っていきましょうか。今回Nackyさんと自分は同じPOGに参加してるわけではありませんが、NackyさんはPOGには毎年参加されてるんですか?そして参加されてるPOGは指名の縛り等はありますか?」


Nacky 「実は、5年くらいか前までの10年ほどは自分で主催してまして。ちょっとリソースが取れなくなったんで畳んで、昨年に再度全然違うコミュニティの人から誘われて、プレーヤーとして再スタートしたって感じです。縛りのほうですが、うちのPOGは縛りは大きくありませんが【前年のリーディングサイアー10位以内に入っていない種牡馬の仔を最低1頭指名する】【牡牝それぞれ最低1頭は指名する】というルールがあります」


メンク 「ほう~かつてご自分で主催し昨年から復活という流れ…まるで自分と重なります。自分も以前主催者兼プレイヤーでしてそれを終えてからしばらく参加してなかったんですが今回お誘いを受けて参加したんですよね。これは奇遇で面白い。自分が参加させてもらったPOGでは【同一種牡馬は2頭までとしその際牡牝1頭ずつ】【新種牡馬は必ず2頭指名】というルールがありました」


メンク 「で、その昨年度というかつい先日終了したPOGでNackyさんはダービー2着のイクイノックスを指名されてたということで!!」


Nacky 「そうなんですよ、10頭持ちで他はちっともだったんですが、彼の頑張りのおかげで1年楽しめましたw」


メンク 「こういう1頭大物を釣り上げるというのはPOGにおいてのカ.イ.カ.ンなんですよね~。で、そのイクイノックスを指名した理由というのはなんだったんですか?」


イクイノックス血統表(TARGETより)



Nacky 「そうですね、この馬についてはノーザンファーム生産で、ちゃんとPOG本に写真があって生存確認ができててという基本は押さえた上で、決め手はやはり血統だったんですよ。元々1頭は新種牡馬取りたいなと思ってまして、ならば昔POだったブラックタイドの仔のキタサンブラックの仔にしようかな、というのがスタートでした」


Nacky 「で、ブラックタイドってディープインパクトの全兄ですよね。でもこの2頭、競争成績も出してる産駒も、似ても似つかなくない。成績はもちろんですが、そもそもの競馬ぶりが全く似ても似つかないわけです。父はいずれも母系の特徴を強く出すサンデーサイレンス。ならば、この違いも母系にありそうだなと。そう考えた時に、この2頭の母であるウインドインハーヘアの母父にリファールがいる。リファールといえば基本的には前に行って粘ってなんぼの馬が多いんですけど、歴史上の名馬で1頭だけ例外がいますよね?」


メンク 「ディープインパクト!」


Nacky 「その前に、欧州に直仔のバケモノがいたでしょうw」


メンク 「💦ダンシングブレーヴ!」


Nacky 「その通りw。で、ダンシングブレーヴの爆発力とディープの爆発力ってよく似てるなあって思ってた時に、競馬王のPOG本に血統の記事書いている栗山求さんの記事で、ダンシングブレーヴとウインドインハーヘアの父であるアルザオが極めて似た血統だというのが載っていたわけです」


ダンシングブレーヴ血統表(TARGETより)
Alzao血統表(TARGETより)


Nacky 「こういう似た血で結果が残っている馬は血統的に再現性がある、という扱いになるのが栗山さんや同じ系統の考え方の望田潤さんの考え方らしくて、そこに影響を受けて【ブラックタイドでもここをいじれば爆発力が出るのでは?】という推論に至ったんですね。で、いじるには直接的にAlzao≒Dancing Braveを血統表に並べる、いわゆるニアリークロスにするのが一番かなと思って、ノーザンファーム生産場の中で、母系にDancing Braveを持ってるキタサンブラックを探したら、母スイープトウショウと母シャトーブランシュが浮上しまして」


メンク 「2択で外さなかったその読みはまあ素晴らしい!実際イクイノックス以外でキタサンブラック産駒で重賞実績あるのはフェアリーS3着ビジュノワールでこれも母父ダンシングブレーヴ系なわけなんでね。ねっ!皆さん血統ってなかなか奥が深いでしょ~」


ビジュノワール血統表(TARGETより)


Nacky 「実際は母スイープトウショウ(ピエドラデルーナ)を先に指名されたので、”残り物に福”だったんですけどねw」


メンク 「ではそのイクイノックスの勢いから今年のPOGにおけるNackyさんのコンセプトはなんでしょうか?」


【Nackyさん.コンセプト】

  • 皐月賞の結果から、ディープインパクトとハーツクライは指名しない。過渡期

  • キタサンブラックで気を良くしたので新種牡馬を血統面からピックアップする。新戦力

  • 他の実績種牡馬も新し目の中から、配合的方向性が定まっている馬で同一方向性の馬を。血統

  • そうはいっても生産牧場は重要。ノーザン1強性は薄まったが、ノーザン含む社台系とノースヒルズ系を中心に。実績

  • 昨季は健康上の問題で2頭も未デビューが出たので、黒本他の写真netkeibaの掲示板、馬名決定情報などで順調度を確認。実在

  • コメントなどで「ゆっくりと」「時間がかかる」「頓挫があり」という表現があるものはなるべく避ける。順調


Nacky 「で、配合については栗山さんや望田さんの理論を参考に、ここまでの成功例を考えながら探って行っております


メンク 「なるほどね。自分はそこまでの緻密さは全くないのよねえ」


【メンク.コンセプト】

  • 母を見て一瞬で『これは!』『OHHHH!』っていう馬

  • 兄姉がG1馬

これは指名しないっていうのがコンセプト


メンク 「参加しているところでの己の立ち位置を勝手に考えて↑以外で頑張ろうってねw。あとは馬名が変じゃないってのも考慮しました。やっぱりクラシック勝つ馬がオ◯◯ン◯ポ◯ではね😅」


Nacky 「名前のこともわかります、これはクラシック勝たんやろ、って名前は確かに存在しますもん。◯ニャ◯コ◯ンとかw」


メンク 「せっかく◯で隠したところがバラされてるw」


Nacky 「血統面から見ていく場合、ダート向きとか開花が遅いとか【クラシック向きでない】という要素も見えてくる場合あると思うんですけど、その辺は考慮に入れますか?」


メンク 「それに関してはあまり考慮しませんでした。単純にこの血統構成なら活躍期待したいっていう感じで」


Nacky 「おお、開花時期や適性はさほどって感じなんですね、意外。ちなみにPOGの場合は、メンクさんはどの辺を注意して見るんです?」


メンク 「久々に参加することになった今回は、まず既存種牡馬の場合は活躍してる構成や全体のバランスに牝系。新種牡馬はバランスと牝系と活躍するかなあ?という構成って感じで。あとやっぱり兄姉がG1馬の場合それを超えてくるような下はなかなか厳しいと思うから、世間が思う良血からちょっとズラした良血馬を狙うって感じで」



続く……Coming Soon