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ドラゴンクエスト ダイの大冒険 新アニメ エンディングテーマ「アカシ」についての考察


2021年4月 ダイの大冒険新アニメ第26話からエンディングとなった
XIIXの楽曲「アカシ」がたいへん素晴らしいのでその話をします。

歌詞はやや抽象的であるものの、書き下ろされただけあってきちんと原作をイメージさせるキーワードが散りばめられていると思います。それらを歌詞に沿って解説していきます。

原作を最後まで読了していることを推奨します。
アニメで追いかけている人にとってはネタバレの嵐です。

あくまでただの面倒オタクのいち解釈に過ぎませんので悪しからず。










例え悪魔に正論かざして向かってみても
それはあくまで正当化 さして違いはないかも

「悪魔=大魔王バーンと、対抗するダイ」の関係性の比喩と解釈できる。
地上を消し去り魔界を太陽で照らしたいバーンも、地上のすべてが好きだから守りたいダイも、そこに本質的な違いなどなく、ただそれぞれの信念がぶつかっているだけということ。

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今も今も揺れているけど
僕らはどこまで行くの

ポップのそれが特にドラマティックで代表的だが、物語後半では各々が自身の「戦う理由」について揺れ動くことの象徴といえる。

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天使のささやきにも似た声が聞こえた
はたまたペテン師のまやかし 一際耳に響いていた

ポップとハドラーがアバンによりキルトラップから救出された後のシーンを想起させる。

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愛に悲哀に晒されながら
誇りまみれ道の途中

かつて人間や仲間に剣を向けたことに対する贖罪という悲哀を抱えながら、やがてエイミからの愛を受けるヒュンケルを示唆している。

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また幾度となく傷つき倒れそれでも立ち上がるヒュンケルの戦いの軌跡と、その終着点におけるアバンとのやり取りとでのダブルミーニング。

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消えては浮かぶ逃避行
飲み込んだSOS
震える手を握り締めた

これはもはや言わずもがな、「勇気」というテーマを持ち、何度となく「逃げ」を乗り越えてきて、最後の壁にぶち当たる最終決戦前のポップ。
しるしが光らないのをマトリフにもハッキリとは相談できなかったことや、自らのために身を挺してくれたメルルのために勇気を出すシーンを想起させる。

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たった一つの小さな約束が
ほんの些細な思い出たちが
いつまで経ってもこの胸を焦がし続ける灯火になる

戦いのなかで増えていく仲間達との「約束」や「思い出」がダイたちを支えていることの象徴。

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ただ一筋の透明な光が
目の前を照らして行く

やや過大な解釈かもしれないが、作中で道を切り拓く様々な「光」の形容とも取れる。

・アバンのメガンテ
・ヒュンケルのグランドクルス
・ポップのメガンテ
・ダイが空に放つ紋章閃
・ミナカトールで空へ伸びる光
・破邪の秘法で増幅されたアバカムの光
・閃光のように

など…。


僕に出来ることはいくつもないさ

勇者がひとりで何でも完璧にできる必要はないということ。

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そしてこれは「勇者=諦めない人」という堀井雄二イズムにも繋がる。


信じ抜いた先に手にした未来を進んで行け

自分や仲間を信じることこそが未来を切り拓く、そういったことを描いた物語であるということ。

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