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Return of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰還)の考察/II章の病気について

目次

・前書きの前書き
・前書き
・考察/死に至る病とは?

前書きの前書き

これは何かと言うと、前回の記事で書いた「クソみたいな前書き」を供養する場所である。
そんなもん供養せずに焼き棄てろと思うかもしれないが、一応理由もある。理由としては、この後続く前書きが「あけましておめでとうございます」という南半球的季節感から始まっているため、この言い訳を載せない=前書きも全て書き直しということになるからだ。
それは、非常に、面倒臭い。そのためここに言い訳をそのまま載せるのだ。

―――クソみたいな前置き―――

実のところを言うと、冬にハマっていたゲームの考察記事を投稿しようとして断念したという経緯がある。せっかく8割方書いたのだから近々投稿しようとは思っているのだが、ある程度書いてみて、やっぱ職業に関わる系の話はダメだなあと痛感した。書けば書くほど自分のバカさに自分で気づかされるのだ。圧倒的知識不足。事象の上澄みだけをすくって、「なんとなく」で話を進めていく愚かさ。専門外の分野、しかもフィクションの話をしているのだからもっとテキトーに書いてもいいだろうに、性分なのだろう、自分の理論、考察に対して何かしら根拠がほしくなってしまうのだ。その性分をもっと日常業務にも活かしてほしいものである。ゲームに出てくる架空の肺炎に近い症例の論文を調べる前にもっと調べる論文があるでしょう。そんなんだからnoteもツイッターも日常生活もふわふわになるのだ。呆れた、実に呆れた。(ドラえもん風)

職業に関わるような内容の考察と違い、趣味に関わる話は(基本的に)根拠がいらない。そこがとてもいい。頭に浮かんだことをつらつら述べていくだけでいいのだ。
巨乳が好き!(自分の意見)
何で?
だってエッチじゃん!(主観的意見)柔らかくて気持ちいいし!(紛うことなき主観的意見)
そっかあ〜。

うん、いい。とてもいい。こういう昼休みの高校生がするような空っぽの話題を書きたくて僕はnoteを始めたはずである。改めて、それをしようじゃあないか。

―――クソみたいな前置き終了―――

と、ここから前回書いた趣味(アイマス)の話になって行くわけだ。
今回はこの「冬にハマっていたゲームの考察記事」をちゃんと完成させて出すという記事になる。改めて読んでみると、なぜだか丁寧語が今と比べて多い気がする。少しばかり面映いが、これも我が子と思って投稿してみる。
では、どうぞ。


前書き

メナです。遅れながら、明けましておめでとうございます。

自己紹介記事の次に書く記事が中途半端すぎませんかね。何だよいきなりII章ってさあ…。なので、まずはこの記事を書こうと思った理由を述べます。

先月、ニンテンドースイッチでゲーム買ったんですよ。『オブラ・ディン号の帰還』というゲーム。ジャンルはミステリーアドベンチャーゲームで、価格は2000円ちょいだったかな。リンク貼っときますね。
このゲームがすごく面白くて、1週間で一気にクリアしちゃったわけです。プレイ時間は11時間ちょいだったかしら。
んで、とっても面白かったこのゲーム。クリア後もなかなか妄想が膨らんで、考察ブログを漁ってたんです。「オブラディン号の帰還 考察」とかで検索して。その中でヒットしたブログに、この病気について考察している人がいたんですね。その人の考察を一通り読んで、感想ついでに自分の考察をコメントで書こうとしたんです。

そしたら、ね。途中までしか書いてないのに1500文字を超えたんですよね。

いや流石に人様のブログで「初コメントです。」から書き始めて1500文字超えるのは気持ち悪いな??と思い、あれこれ割愛して短縮版をコメント。で、せっかく考えたことだから自分のノートに残しておこう、という訳です。

注意点をば。
・上に述べたような理由で書き始めているので、ストーリーの説明はしません。面倒なので。
・本記事は『オブラ・ディン号の帰還』のネタバレを含む、かもしれません。まあゲームの本筋からは大幅にかけ離れている内容なのでほぼネタバレ0だと思ってもらっていいです。
・参考文献はwikiか何らかのウェブサイトか自分の拙い知識です。存在していないかもしれない病気のために論文なんて漁る訳ないでしょ。なので医学的にフツーに間違えている可能性だって大いにあります。どうか見逃してあげてください。

というわけで前書きは終わり。ぼちぼちやっていこうと思います。

考察/死に至る病とは?

まず、使ったデータはII-1とⅡ-2の音声です。というか、ほとんどそれくらいしか病気に関するデータが無い。
とりあえず音声を載せますね。ツイッターと結びついちゃうけど、別にひた隠しにするわけでもないし仕方ない。

短い方がII-1で、長い方がⅡ-2。ここでこの2人が死にます。死因は病死が正解なので、この肺病とやらで死んだということですね。
Ⅱ-2でのエバンズ医師の発言は書きおこしておきます。数少ない大事な情報なので。

「肺病ですね。もう1人と同じです。結核ではないが…この寒さで悪化したかと。」
(伝染病か?)
「いえ。その心配は。インド人水夫の待機所で感染したのでは?全員診察しましたが––他は皆、健康です。」
(こいつは?助かるか?)
「アヘンチンキを––投与しましたがね…」

まずは音を聞きます。身体所見はとても大事なのだ。
ヒューヒューゲホゴホ、あまり痰が絡んでいるような感じは無さそう。音だけ聞くと喘息の重篤発作のような印象を受けました。
でも同じ国籍の2人が同時に喘息発作を発症するのはちょっと偶然すぎる気がします。そもそも喘息持ちが水夫なんてなれるのでしょうか。こんな時代だし、子供の頃の発作でそのまま死にそう。というわけで喘息説は却下。
痰がらみについてですが、これは演技の限界なのかなあという結論になりました。ここで死んだ2人は確かに肺病に罹っている。しかしその声を出しているのはレコーディング室にいる健常な成人男性です。健常な成人男性が「肺が水浸しになって苦しい感じの音」だったり「感染してドロドロの痰が絡んだ咳の音」を出せるのでしょうか。無理じゃないかなあ。
あくまでこれは「呼吸困難な感じの音」でしかないのかなと。そうすると、呼吸の性状と疾患の原因は無関係な気がしてきます。じゃあ身体所見から得られる情報は全て水の泡ってわけだな。ちくしょう。

これで考察おしまいにするのは味気なさすぎるので、エバンズ医師の台詞をもとに考察を続けます。台詞をすべて分解すると、8個の情報に分かれます。
①肺病
②2人は同じ疾患
③結核ではない
④寒さで悪くなった
⑤伝染病ではない
⑥インド人水夫の待機所で感染した

⑦2人以外は健康
⑧アヘンチンキを投与したが…
ここで特に気になったのは③⑤⑥⑧です。

③⑤について、なぜここでエバンズ医師が断定できたかは分かりませんが、③⑤はともに⑦を理由としてるのかなと思います。結核の検査として有名なツベルクリン反応検査は1890年に生まれたそうなので、おそらくゲーム内(1800年前後)ではまともな検査すらないはず。こいつさてはすげー適当に言ったな?

ただ仮にこの病気がヒトヒト感染するタイプの病気だった場合、空気感染や飛沫感染でほぼ全乗員に感染してるはず。なので、他の乗組員が最後まで無症状であることと矛盾します。潜伏期間を考慮してもインド人仲間には発症するはずだとすると、③⑤の診断は合っていると考えるのが自然かもしれない。
ちなみに結核の潜伏期間は半年〜2年だそうで。昔はもっと短かったとかある?そんなん知らんよ。
Ⅰ章がイギリスの南海岸あたり、Ⅱ章はポルトガル・リスボンの西あたり。この移動期間は不明ですが出発地のロンドンから目的地の希望峰へは6ヶ月で着くはずだったらしい(ニンテンドーストアのゲーム概要を参照)。うーん、ざっくり1ヶ月ってところかしら。症状の経過も劇的に見えるし、やっぱり結核ではないのかな。

⑧について、アヘンチンキはモルヒネやコデインを含んでいるようです。これらは鎮痛薬、鎮咳薬として現代医療でも用いられていますが、あくまで咳嗽による苦痛を緩和するのみであり、咳嗽の原因を直接取り除く薬物ではありません。いわゆる対症薬というやつです。エバンズ医師は⑥のように何らかの感染症を疑っているため、対症薬だけでは心許ないと考えていたのでしょう。
ついでに言うとこいつらは気管支喘息発作患者には禁忌です。気道分泌が低下して、分泌物の粘度が高くなるから余計に息苦しくなっちゃう。音に関しては最初に話した通り本疾患と無関係なのですが、ああいう音してる人にアヘンチンキは逆効果のような気がしました。

んで、⑥。ヒトヒト感染はしない、でも同じタイミングで水夫として働けるような元気な若い男2人が発症して死んだ。この男たちが同時にいたような場所があるのだとしたら、そこからなんらかの病原体をもらったに違いない。って感じですかね。
というわけで水夫の待機場が可能性にあがる。さらに、そこで起きる感染としては?と考えて……

ひとつの説として、食事を媒介とした感染症を考えました。

食事を介して〜〜って考えると、例えばアニサキスとか。例えばカンピロバクターとか。例えばO-157とか。有名なのでも色々ある。
その中で肺の症状がメインになるやつは?と考えて、容疑者をテキトーに絞ってみました。(複数出すのがめんどくさいとか複数出す知識がないとか言わない)
絞った結果が、肺吸虫症。この子になります。

寄生虫の勉強なんて最後にしたの何年前やろか。あんま覚えていないのでほぼ論文頼り。
試しに肺吸虫症で論文検索してみるとウエステルマン肺吸虫症の一例が出てきたので、これを中心に考察してみます。
ウエステルマン肺吸虫症は東南アジア〜東アジアに多いらしい。インドかあ、ギリギリだな?一応アヘン戦争とかは1840年頃なので、このゲームの時代にはすでにインドと中国の間での交流もあったはず。そもそもインド人も中国人もイギリスまで来てるし。でも中国人グループは感染してないなあ…。まあそんな事言い出したらキリがないし、てかそもそも日本の寄生虫すら碌に知らんのにインド在住の寄生虫とか分かるわけないし、そこはもういいでしょう。容疑者はこの子で仮置き。
論文症例では食事をしてから2週間後に腹部症状が出て、そこから数日で発熱、咳嗽というパターン。考察を読むと、サワガニ(なつかしー)やそれを食べた・それで汚染された水を飲んだジビエから感染するとか、寄生虫が小腸から腹腔内に出て、そこから横隔膜→胸腔に移動するとか、食事後1週間で腹部症状が出て、そこから6−14週間で呼吸器症状が出るとか。エトセトラエトセトラ。


ん、発症期間が予測してた期間とだいぶ近い。やっぱこれ信憑性あるんじゃない?結核よりだいぶ短くて、6ヶ月の航海の前半で発症して、対症薬だけじゃ改善せず、死ぬ。当然、他疾患の可能性だってあるけど、とりあえずこの考察を世に解き放っておこうと思います。

結語。
というわけで、この若いインド人水夫2人だけが罹患し、死に至った病は、食事を介した寄生虫による肺炎だと推測します。
いかがでしょうか。なんか見落としとか明らかな間違いとかあったら教えてくれると幸いです。
余談ですが、このゲーム。発売したのは2018年とか2019年とかなんですが、なんと今年の春にサントラ出てるんですよね。しかもiTunesでも配信されてる。プレイ中もBGMのジングルがすげーいい味出してたから、このサントラもなかなか良かった。
音楽よし、グラフィックよし、推理性よしの良ゲーなので、もし興味が出たら買ってみてください。

それでは。

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