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お見合い会無料化と、今後の展望【VRChatの商用利用について】

はじめに


こんにちは!VRCお見合い会を運営しておりますKouchと申します。

VRCお見合い会についてや、始めた経緯についてはこちらのnoteでお話しさせていただきましたので、ぜひご覧ください!

実は、今朝VRChat社から連絡があり、結論として【今後お見合い会は完全無料で開催する】ということになりました。

こちらのnoteでは、VRChatで商用利用の許可をもらった経緯からまとめていき、これからどうしていきたいかまでお話ししたいと思います。


お見合い会が商用利用許可をもらうまで


お見合い会とVRChatの最初のやりとり

まずは、僕たちとVRChatで英語でのやり取りを数往復しました。

https://help.vrchat.com/hc/en-us/requests/new

こちらのフォームから問い合わせて、一度返ってきた後はメールでのやりとりです。


VRChatは利用規約で商用利用を制限しています。
ただ、VRChatが許可した団体に限り、商用利用を許可する「商用利用制限の免除」という概念があります。

こちらは僕たち向けに作られたものではなく、公式HPから誰でもアクセスできるものなので、こちらにURLを貼っておきます。

この「商用利用制限の免除」という契約があり、商用利用をしたければこちらに同意してくれ、とのことでした。

ここに書かれている条件(例えば「VRChatはこの免除をいつでも取り下げられる」とか)に同意するなら、免除を検討するよ、ということですね。



VRCお見合い会について、詳細を伝える

そこで、僕たちはお見合い会について詳細をまとめ、公式に連絡しました。
こちらの文章は僕たちが作ったものですので、一部公開いたします。

Dear VRChat organizer

Hello, thank you for developing wonderful VR Service!
We are Flamers Inc.(in Japan), organizing "Matching Event"(details are later).

After we sent support request about commercial use of our Matching Event, we were told that you(VRChat) were able to provide an exception to permit limited use of what we proposed.
We agree to the terms of the commercial waiver for "Matching Event" at https://hello.vrchat.com/legal/waiver.
We are happy if you give us permission for commercial use.

In case you want to check the event, I attach the detail again.

(略)

■ About the Matching Event
- https://twitter.com/vr_matching
- Event for VRChat users who want to make a lover.
- About 20 participants talk each other in the event world, for each about 10 min. After the event, participants tell organizers about the name they want to match.(This event style or details might be changed, but concept won't be changed)
- Organizers check conversations all the time, so that sexual or violent conversations are not happend.
- We have already organized the event three times, and all of them were succeeded.

- Here are about commercial use.
  - Charge a fee by participants.  
    - For example, ticket to participate in the event, extra fee for premium support.
    - Payment method is not fixed yet, but we are planning to sell them on website such as Booth(https://booth.pm/en) or something like that.
  - Charge a fee from companies.
    - For example, advertisement fee (such as a poster/3D model in the world to promote).

VRChat主催者様へ

この度は、素晴らしいVRサービスを開発いただきありがとうございます。
私ども株式会社Flamersは、「マッチングイベント」(詳細は後述)を開催しております。

マッチングイベントの商用利用についてサポート依頼をしたところ、御社(VRChat)より例外的に限定的な利用を認めていただけるとのことでした。
マッチングイベントについては、https://hello.vrchat.com/legal/waiver、商用利用禁止の免除の条件に同意しています。
商用利用を許可して頂ければ幸いです。

イベントの詳細の確認のために、再度添付します。

(略)

マッチングイベントについて
- https://twitter.com/vr_matching
- 恋人を作りたいVRChatユーザーのためのイベント。
- 約20名の参加者が、1人約10分間、イベントワールドで語り合います。イベント終了後、参加者はマッチングさせたい名前を主催者に伝えます(本イベントのスタイルや内容は変更される可能性がありますが、コンセプトは変わりません)。
- 主催者が常に会話をチェックし、性的・暴力的な会話が行われないようにする。
- すでに3回開催し、すべて成功させています。

- ここで、商用利用についてです。
  - 参加者から料金を徴収する。
    - 例えば、イベント参加チケット、プレミアムサポートの追加料金など。
    - 支払い方法は未定ですが、Booth(https://booth.pm/en) などのWebサイトで販売する予定です。
  - 企業から手数料を徴収する。
    - 例えば、広告料(世界にポスター・3Dモデルを出して宣伝するなど)。

※翻訳はDeepLを使い、一部修正しています。

まとめると、お見合い会の具体的な部分を記載し、許可をお願いしている文章です。

そして、VRChatからの返事をいただきました。こちら先方からのメールなので、一文だけ公開させていただきます。

Thanks for agreeing to the commercial use waiver. You are good to move forward.

商用利用の権利放棄に同意していただき、ありがとうございます。 あなたは前に進んで良いのです。

とのことで、これでVRChatから商用利用制限の免除をいただき、商用利用可能となりました!
これが5月27日のことです。これを受けて、第4回お見合い会から有料イベントとしてやっていくことになりました。


今朝!!急にVRChatからの連絡が…


そして、今朝(6/14)、VRChatからのメールが届きました。日本時間で朝4時のメールでした。
内容をまとめると

VRChatからのメール要約
・VRChatは、VRマッチングイベントに関する「商用利用制限の放棄」を終了します。
・我々は「商用利用制限の放棄」の第 3 条に従っています。
・商用的権利放棄を取り消した理由については答えられません。
・このプロジェクト自体は応援しています。

とのことです。僕は朝会社に出社して、めちゃめちゃ驚きました…
そうして急遽このnoteを書いているという次第です。

この第3条というのは、先ほどの「商用利用制限の免除」の「免除の終了」の項目ですね。

第3条の要約
VRChatはいつでも承認を取り消すことができます。
承認が取り消された場合、ユーザーは5営業日以内に商用利用を停止してください。

このとおり、あくまでVRChat社がいつでも免除を終了していい、との項目があり、僕らはこれに同意しているので、当然商用利用をやめなければなりません。

理由も公開できないとのことで、これ以上の情報は得られず、これがVRChat社とのやり取りのすべてになります。

結局何が理由なのかはわからないですね…
イベント自体に何か問題があれば、イベント自体を禁止されると思うのですが、プロジェクトは応援してくれているとのことなので、イベントの内容だとは考えづらいと思います。


これは僕の推論ですが、まだ法人などが商用利用するケースはそこまで多くなく、VRChat社としてもそこまで方針がしっかり決まってないのかなと僕は推測しています。

VRChatのイベントでお金をいただく、ということは今までほとんどない事例だと思うので、僕たちがこのやりとりを公開することで、今後何かやりたい皆さんに何かプラスになればと思います。



ということで、VRCお見合い会は無料でやっていきます!


先日行われたシミュレーション会

VRChatから「商用利用制限の免除」が終了と言われた以上(ややこしい)、僕たちとしてはイベントを終了するか、無料でやっていくかの選択肢しかありません。

ただ、僕たちとしては今後もVRCお見合い会は無料で続けていくことを決定しました!

会の内容については、特に変更する予定はありません。
今後ともぜひご参加いただければと思います!


今後Quest Storeなどにリリースする予定です

前回のnoteでも書きましたが、今後は、VRCお見合い会をもとに、Quest Storeなどで独自アプリ化していく予定です。

もともと、有料でVRCお見合い会を進めながら、独自アプリを開発予定だったのですが、それは無料での開催となっても変わりません。


有料での開催となったのは第4回だけでしたが、有料だとしても男性から多くの応募があり、それだけの需要があるということがわかりました。

今Flamers社のUnityエンジニア3名で自社アプリを作成していきますが、今後開発を加速するための資金調達も検討しています。

VRChatだからこそできること、逆に自社アプリだからできることの両方があるとは思いますが、僕たちは当分はVRCお見合い会も開催しながら、自社アプリも育てていこうと思っています。

今は応募フォームやプロフィール記入、お相手の指名などがTwitterやGoogleFormなど、外部サービスに頼っていますが、ここらへんもアプリ内で出来るようにして、もっと相手のことを理解できて、快適で簡単なフローにしていきたいと思っております。



VR × 恋愛について

今こんな記事がTwitterで話題になっていましたね!

VRCお見合い会に参加される方は、リアルな恋活(合コンやマッチングアプリ)に積極的でない方も多く来ていただいてます。

僕もその一人で、人生で合コンなんて怖くて行ったことないです笑


甲冑をつけてテンション上がってるKouch

もちろん恋愛に積極的な方も参加されていますが、恋活の選択肢としてマッチングアプリが当たり前になってきたように、メタバースでの恋愛も選択肢に上がればいいなと思っております

リアルとインターネットの良さをミックスしながら、メタバース内で出会って、デートしていくという文化が育っていくと思っております。

僕たちはVRChatでも、その外でも、その文化を加速する役割を果たせたらと思っているので、今後ともよろしくお願いいたします!!


今後のお見合い会日程

第5回 6/21(火)
第6回 6/28(火)

に開催予定です!(もちろん無料で!)
応募フォームは一番下に貼ってあります!


また、お見合い会について質問がある方は、本日(6/14)23:30~よりKouchとなみしろでTwitterSpaceを行いますので、ぜひご参加ください!

またVRCお見合い会を通じてお付き合いされた方のインタビュー記事も公開しています!こちらもご覧ください~!






補足:インターネット異性紹介事業について


今までインターネット異性紹介事業について何回かご質問をいただいたので、こちらについても補足でお話しします。

結論としては、VRCお見合い会はその運営形態から、インターネット異性紹介事業に当てはまらないと判断しております。

警察庁の「インターネット異性紹介事業」の定義に関するガイドライン
https://www.npa.go.jp/policy_area/no_cp/uploads/01.pdf

なぜかというと、上記URLのインターネット異性紹介事業の4要件のうち、②の「公衆が閲覧できる」に該当しないと判断したためです。
(1ページ - 1 定義の解説 - ②)

マッチングアプリのような、不特定多数がプロフィールを閲覧できるわけではなく、僕たちのやっているサービスは、あくまで数名ずつの形式なので、こちらには当てはまりません。

この判断は、僕たちだけの判断ではなく、警察への相談や、何名かの弁護士さんへの相談の結果、導き出された結論です。


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