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【数字なんていらねぇんだよ!】2023-24シーズンの三遠ネオフェニックスのロスターを紹介するよ!PF・C編【多分これが一番早いと思います】

前書き

この記事は三遠ネオフェニックスの2023-24シーズンの選手紹介、PF・C編です。

PG編、SG・SF編から見てくれた人は引き続きよろしくお願いします。もしこの記事から見ているという人がいたら、別の記事も見ていってくれると幸いです。

記事の執筆順としてはPG→SG・SF→PF・Cという感じなので、だいぶテンションが落ち着いている気がしますが、書いている人は同一人物なので安心してください。安心してください、書いてますよ

PF編

PF(パワーフォワード)はゴール下での得点やリバウンドの奪取などを求められるポジションです。

同じフォワードと呼ばれるものにSF(スモールフォワード)というポジションがありますが、PFはよりゴールに近く、外側からのシュートといった役割の優先度合いが下がる一方、確実にゴール下で役割を果たせるよう高い身長や大きな体格が求められる傾向にあります。

このような傾向から三遠に限らずBリーグでは、PF登録の選手は日本人よりも身長・体格に恵まれた外国籍選手、帰化選手が占める割合が大きいです。

さて、そんな三遠のPF登録の選手について見ていきましょう。

#1ヤンテ・メイテン:センスあふれる万能型ビッグマン

ヤンテ・メイテンは2022ー23シーズンにアイザイア・ヒックス、カイル・コリンズワースと共に三遠に入団した外国籍選手です。

2018年にNBAのマイアミ・ヒートに入団後、韓国、イスラエルのプロリーグを渡り歩いた経歴を持っています。

そんなヤンテの最大の武器は攻守に見せる優れたセンスにあります。体格こそ201cm/109kgと外国籍選手として特に目立ったものではありませんが、より体格に勝る他クラブの外国籍選手と充分に張り合えるだけのセンスとスキルで勝負する選手です。

オフェンス面ではゴール下で強く、ときに巧みなプレーでゴールを重ねるほか、スリーポイントシュート成功率33.3%と外側からのシュートも強みとなります。

ディフェンス面でもリバウンドの競り合いに強く、相手のセカンドチャンスを摘む役割を充分に果たすことが可能です。

バスケにはEFF(エフィシエンシー)という指標が存在します。EFFは算出が少々難しいですが、意味合いとしてはEFFが高い選手ほど効率的にバスケをし、よりチームに貢献できるといった具合に考えてもらえればいいでしょう。

Bリーグの2022-23シーズンのEFFを見てみるとヤンテはEFFPGで22.0を記録し、リーグ全体で22位に位置しています。EFFがシーズン全体の合計記録、EFFPGが試合ごとの平均EFFを示す指標です。

EFFPG上位にはペリン・ビュフォード(島根スサノオマジック)、ジャック・クーリー(琉球ゴールデンキングス)など各クラブの代表的な外国籍選手が名を連ねており、ヤンテもまたそれらの選手に負けないだけのクォリティを備えているということができます。

ヤンテは2022ー23シーズンの2022年11月26日に左第5中足骨を骨折し、同29日にインジュアリーリストに登録、以後リストから抹消されることなくシーズンを終えてしまいました。

シーズン開幕後、ヤンテがプレーしていたおよそ1ヶ月強の期間チームは好調だっただけに手痛い離脱となり、その後チームも失速してしまいます。

故障離脱の経緯から2023ー24シーズンの契約は少し難しいかと思われましたが、2023年6月19日に2023-24シーズンの契約締結が発表されました。

Bリーグが始まって以来、三遠で2シーズン続けて契約した外国籍選手はロバート・ドジャー(2016-17シーズンから2017-18シーズンまで)のみで、ヤンテは2人目となる継続契約の外国籍選手となっています。

2023ー24シーズンは長いリハビリを経て、完全復活を遂げたヤンテのセンスあふれるプレーに期待しましょう。

#23デイビッド・ダジンスキー(新規):トルコから来たストレッチ4

デイビッド・ダジンスキーは2023-24シーズンに向け、三遠が新たに獲得した外国籍選手です。トルコリーグのフルッティ・エクストラ・ブルサスポルから獲得しています。

三遠での登録ポジションはPF/Cとなっており、実際の契約状況を見る限り三遠ではCでの出場のほうが多くなりそうです。海外のサイトを見てもPFかCかで統一されてはいないようだったので、今回は左から順にPFとして紹介していきます。

ダジンスキーは205cm/103kgと、外国籍としては重量級と言えるサイズではありません。ただしそのぶんスピードに期待ができるビッグマンです。

三遠の大野HCは攻守を素早く切り替え、速いテンポのオフェンスに持ち込むバスケを志向しています。そのため外国籍の選手にもコートの端から端まで走る機動力と献身性が求められます。その点は三遠に合致した選手であると言えるでしょう。

またダジンスキーは身体能力だけでなく、高いシュート技術も持ち合わせています。2022-23シーズンのトルコリーグでのスタッツを見るとフィールドゴール成功率が58.7%(88/150)、スリーポイント成功率が42.9%(39/91)、フリースロー成功率が81.8%(36/44)といずれも高い水準を記録しています。

母数が小さいわけでもないため、シュートの精度が高いことが分かるでしょう。実際の映像を見ても小さく速いモーションからスリーポイントシュートを記録しており、技術の高さがうかがえます。

PFはゴール下での高い得点能力を求められるポジションではありますが、当然ゴールの外側からのシュートがうまいに越したことはありません。

本来ゴール下でプレーすることが多いPFの選手に外からのシュートという選択肢があることで、シュートを警戒した相手のディフェンスがゴールから遠くへ引っ張られ、ゴール下が空く状況ができやすくなるためです。その結果、ゴール下から確実に得点を決めやすくなります。

このような利点があることから外側からのシュートがうまいPFは特に「ストレッチ4」と呼ばれ、チームによっては戦術の中心的な存在となることがあります。相手の守備を引っ張る(ストレッチする)PF(守備番号4)ということです。

ダジンスキーはシュートの成功率も高く、ストレッチ4として三遠で活躍する可能性を秘めた選手です。自身のシュートはもちろん、相手の守備を引っ張ることで佐々木やサーディといったスピード自慢の選手がより得点を挙げやすくなります。チームの得点能力を底上げする戦力として大いに期待できるでしょう。

余談ですがダジンスキーの前所属であるフルッティ・エクストラ・ブルサスポルからはダジンスキーに加えザック・オーガスト(シーホース三河)、アンソニー・クレモンズ(サンロッカーズ渋谷)が新たにBリーグクラブへ移籍しました。同じシーズンに同じクラブから3人もBリーグへやってくるのはおそらく初の事態です。

主力を一気に引き抜かれた形となったブルサスポルは少し気の毒に思えてしまいますね。強く生きてほしいです。

#4コティ・クラーク(新規):愛知ダービーを盛り上げる名古屋からの使者

知らない方が大多数でしょうが、実は愛知県はBリーグクラブが5つも存在する日本屈指のバスケ王国です。

三遠ネオフェニックス(豊橋市・静岡県浜松市)、シーホース三河(刈谷市)、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、ファイティングイーグルス名古屋(名古屋市)とB1に4クラブ、さらにB3の豊田合成スコーピオンズ(稲沢市・清須市)を加えて計5つです。

なぜそんなに愛知県にバスケのクラブが集中しているのかというのは置いておいて、同じ愛知県下のクラブ同士の試合はやはり盛り上がり、「愛知ダービー」と呼ばれることもあります。

そんな毎年熱い戦いを繰り広げる愛知ダービーをもっと盛り上げる選手として期待されるのが、2023-24シーズンに三遠に加入したコティ・クラークです。

クラークは2021-22シーズンに名古屋ダイヤモンドドルフィンズに加入した選手です。加入初年度から主力として名古屋DDをけん引し、チームのプレーオフ進出に大きく貢献しました。

成績はもちろん性格面なども名古屋DDブースターに愛される人気の選手であり、チームの中心とも言える選手が地区こそ異なれど同じ愛知県のクラブである三遠に入団したのはとても衝撃的なニュースと言えるでしょう。

正直僕もめちゃくちゃ驚きました。嬉しいとかよりも「えぇ?なんで?(困惑)」ってなりました。名古屋から豊橋に移るメリットとは……

まぁそれはいいのです。

さて、クラークのプレイ面の特徴としてはチームのエースになれるほどの高いオフェンス能力を中心に文字通り「なんでもできる」、高いレベルでの万能性にあります。先に触れたヤンテ・メイテンも攻守に高い貢献度を誇る万能型の選手ですが、クラークのそれはヤンテを凌駕する部分もあります。

2022-23シーズンのクラークはフィールドゴール成功率50.3%、スリーポイントシュート成功率41.5%、1試合平均得点も19.2点と非常に高い水準を記録しました。この1試合平均得点はBリーグ全体9位の数字であり、リーグでも屈指のオフェンス能力を持っていると言えます。

クラークは得点のほかに1試合平均アシスト数もリーグ9位となる4.5をマークしており、自分で得点をあげるだけでなく味方を活かすパスを出すのも上手い選手です。

三遠には佐々木やサーディ、金丸などガード、ウイングの選手に得点能力のある選手が多く、クラークがコートに立つ時間帯はチームでボールがよく回り、多くの得点を期待できるようになるでしょう。

一方、細かな数字を見るとシュートされて外れたボールをキャッチするリバウンドやフリースローなどの項目はクラークはヤンテに及びません。結果的に1試合ごとのEFFはクラークとヤンテとでほぼ同等の数字となっています。

このような数字の傾向を見ると、同じPFで同じような数字、特徴を持ったクラーク、ヤンテですが得意とするプレーゾーンにやや違いが見られるように思えます。

クラークは相手のゴール下から見てやや外寄りでボールを回したり、ときにスリーポイントシュートを打つようなプレーに強みがあり、ヤンテはよりゴール下に近いところでプレーするほうがいい選手であると言えそうです。

またクラークには懸念すべきポイントもひとつあります。それは年間を通してプレーできるかという点です。

クラークは201cm/121kgと、身長に対して体重の大きな選手です。このことで接触プレーの多いバスケ、PFというポジションにおいて相手に当たり負けをしないフィジカルを武器にすることができています。

しかし体重の大きな選手がコートを走り回ることでより大きな負荷が身体にかかり、故障のリスクが大きくなることは容易に想像がつきます。特にクラークは同じような身長の選手と比べおよそ10kgは体重が大きく、負荷もひとしおでしょう。

実際に、クラークは来日2年目となる2022-23シーズンこそシーズンで大きな離脱は経験しませんでしたが、1年目となる2021-22シーズンは細かな離脱が多く、出場時間もおよそ1060分程度と主力の外国籍としては物足りない数字となっています。

この離脱への対策としては1試合のプレー時間を制限し、なるべく負荷をかけすぎないよう配慮するのが第一です。三遠ではメイテンやダジンスキー、またSF登録ですが早稲田大学時代にPFでプレーしていた愈らと出場機会を分け合うことでケアしていくことが現実的でしょう。

C編

C(センター)はバスケの5つあるポジションの中で最もゴールに近いところでプレーするポジションです。

オフェンスにおいては相手のゴール下近辺からシュートし得点を重ねたり、「スクリーン」と呼ばれる、相手選手を自分に引きつけて味方選手が攻撃しやすくするプレーが主な仕事です。

ディフェンスでは自分のゴール下に陣取ってゴール下に突っ込んでくる相手のシュートを阻止したり、リバウンドを奪うことが求められます。

Cはすべてのポジションの中で最も高い身長が求められ、リバウンドの奪取などのために高い跳躍力も必要です。さらにゴール下でプレーする関係上接触プレーも非常に多く、身体の強靱さも欠かせません。

他の4つのポジションと比較するとCは身体を張る場面も多く、泥臭いポジションです。しかし強いチームには必ずと言っていいほど素晴らしいCの選手がいるものです。

三遠のCの選手について見ていきましょう。

#8太田敦也:フェニックス一筋の大黒柱

日本のプロバスケットボールは非常に人の入れ替えが激しい世界です。毎年選手の入退団が発生し、1年しかそのチームにいられないというケースも珍しくありません。

近年の三遠ネオフェニックスも成績不振やチーム体制の変化によって大幅な選手の刷新を繰り返す事態に陥っています。

その中でもフェニックスの大黒柱としてチームに残り続けるのが太田敦也です。

太田は三遠の活動地域のひとつである愛知県豊川市出身の選手です。大学卒業後の2007年にオーエスジーフェニックス東三河に入団すると、以後チームが所属リーグを変え、浜松・東三河フェニックス、三遠ネオフェニックスと改称する中でフェニックス一筋の経歴を歩んでおり、2023-24シーズンでプロ17年目を迎えます。

高い身長が求められる都合上、Cのポジションは外国籍の選手が務めることが多いですが、太田は206cmという日本人離れした体格を活かして、日本人でありながら長年フェニックスのCとして君臨してきました。日本代表にも選ばれた実績があり、名実ともにフェニックスの顔と言える選手です。

近年は外国籍選手との競争や年齢の問題によって安定して出場時間を確保することができず、2022-23シーズンの出場時間は549分ほどに留まってしまいました。ただ外国籍選手のファウルや故障離脱が相次いだ際には必要な戦力であることに依然変わりはありません。

さて、そんな太田のプレースタイルは泥臭い仕事をいとわない献身性に象徴されます。スタッツを見ると傑出した数字はなく、ともすれば平凡な選手に見えるかもしれません。

ですがオフェンスでは自身の得点よりもチームオフェンスを優先してスクリーンに代表される味方を活かすプレーに終始し、ディフェンスでは外国籍相手にも臆せず身体を張り、リバウンド争いに絡みます。

このようなプレーは目立ちません。数字にも反映されにくく、そのうえ接触が多くなるために消耗度合いや故障のリスクが大きくなります。太田はそのようなプレーでも決して手を抜かずに遂行する仕事人なのです。

プレー外でも太田の貢献度は大きいです。本人は「気は優しくて力持ち」を地で行く温和な性格であり、チームメイトからも「怒った姿を見たことがない」と称され、慕われています。また以前は決まって自身の誕生日である6月4日に契約継続の発表を行い、三遠オフの名物のひとつにもなっていました。

太田は地域貢献活動にも積極的です。三遠が活動地域の市町村ごとに1人ずつ設置する「応援リーダー」制度において、太田は「三遠応援キャプテン」に就任。すべての市町村の応援活動に参加したり、各応援リーダーのPR活動のサポートなどを行っています。

プレー内外でチームを支える太田は、文字通りフェニックスの大黒柱です。三遠ブースターに最も愛されている選手と言っても過言ではないでしょう。2023-24シーズンも出場時間は限られたものになるかもしれませんが、その中でもチームのために泥臭く頑張ってくれることでしょう。

後書き

この記事を書いている途中にコティ・クラークの電撃加入が発表されてぶったまげました。

それくらいのライブ感で書かれている記事なので誤字脱字や冗長な表現が多いかもしれませんが、ご容赦いただけると幸いです。

できればPG編とSG・SF編も見てくださいね。









































































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