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2022年の終わり。大雪のなかを生きる。

但馬に大雪が降って、ハチ高原はすっかり銀世界となった。毎朝、除雪車が道の雪を除けてくれて、そこで暮らす私達は車が凍りついても大丈夫なように、ワイパーを上げて、サイドブレーキはかけないでおく(と良いということを、先輩が教えてくれた)日々が始まった。

今年は初めての体験ばかりだけど、この雪は別格だ。これほどの大雪の中で暮らしたのは実家ぶりだし、あの頃と違って、運転するのは母でも父でもなく、私自身だと思うと、不安な気持ちでいっぱいだ(なぜなら運転がスーパー下手だから)。不安すぎて、暗い顔をしていたら、ある先輩は夜、私が雪の中運転して高原まで上がってくると聞いて酒好きにも関わらず、私に何かあったときのためにと飲まずに待ってくれていた。ある先輩は私が路面が凍る中下山すると聞いて、出発の様子を見守っていてくれた。とまあ、心配かけまくりな事態である。申し訳ないなと思いながらも、そうやって気にかけてくれていることが嬉しくて仕方がない。

8ヶ月前、ひとり但馬に来たときは、既知の人は多くあれど、誰に何を頼ったらいいか分からないでいた。馴染むのに必死で、悪癖である「わかったふりをする癖」は今よりも猛威をふるい、これまでと勝手が違う人間関係の築き方の難しさに泣いて泣いて、友達に電話する夜が度々続いた。
ある日耐えられず但馬へ来る理由ともなった恩のある上司に移住によって生まれた様々な不安を相談したら、見事に(それは予想通りに)「私が悪い」ということで淡々と結論づけられた。ハイパー落ち込んだけれども、「そりゃ、そうだよなあ。そんなすぐ馴染めるわけじゃないもんな」という気持ちにもなった。
私は往々にして変化に馴染むのに時間がかかるが、馴染んでしまえば割とへらへらしているところがある。ただ馴染むまでが尋常じゃなくしんどい。ほんとーうにしんどい。
それを発散する方法が「愚痴る」「泣く」なわけで、これまた「人様に迷惑をかけて申し訳ない」という気持ちになり、負のサイクルにハマってしまうわけだ。
だが、非常にありがたいことにどんなに愚痴っても、泣いても、元気づけてくれる友達に恵まれていて「愚痴って悪いなと思いながら愚痴る→元気になる→頑張る」のサイクルを一生続けている。多分、中学生くらいからはそんな性格な気がする。(そう考えると、12歳からの親友は私のこれに14年も付き合っているわけだから、神様かもしれない。なんで友達やってくれてるんだろ。奇跡か?)

そんなサイクルを今年もぐるぐるぐるぐると回し、今では先輩たちに心配させる始末。嬉しくてちょっとニヤニヤしちゃうくらいには。隣町の友人たちもいつでも愚痴れ、遊びにおいでと声をかけてくれる。優しい。泣ける。

仕事もまだ覚えなくてはならないことがたくさんあって、不安は募るが、少しずつ形になってきていることもあって嬉しい。まちにとって初めての取り組みをしてみたり、ちょこちょこと作ったものにありがとうと言ってもらえたり、初めてのことでも勉強して知識をつけたり。はじめてのことでワクワクすることが多かった(正直11月はサボり気味だったので、反省しかないけれど…)。
今まで一緒にお仕事をしたことのない「友達と何かを形にする」という経験はなかなかにハードだったけど、おかげで話せたこともあったりしたし、来年もチャレンジしたいなあと思う。

つらつらと書いてみたが、まだまだ書きたいことはたくさんある。そのくらい、中身の濃い、そして本当にありがとうの気持ちでいっぱいの一年だった。

とはいえ、反省点は多く、書き出してみると
・話しかけられるたびに緊張して、テキトーに相槌を打ちすぎ(コミュ障すぎて、話を円滑に進められますよと言う空気を出したくて、分かったふりをしてるんだと気がついた。多少間を置いてもしっかり実のある返事をする勇気を持たなくてはならない)
・脊髄反射で相手が言い淀んだことを「あ、◎◎のことですか??」と察した感じで言い過ぎ(これは本当に困ったもんで、母や友人は褒めてくれることが多かった癖だったので、悪いところだと思っていなかった。察しててもなんですか?と聞く意識を持つ。)
・愚痴りがち(これは前にも書いたけど。もう少し文章などで発散して調整したい)

ところで、これまではひと目を気にして生きてきて、それが数年前から「ひと目を気にしすぎず、自分のしたいようにもう少し生きてみよう」と心がけてきたら、どうやら「一人っ子に見える」ようになったようだ。あんまり嬉しくない。あと気を遣わないでいると、それもまた罪悪感で疲れることもわかったので、来年はもう少し調整したい(あと疲れすぎると本当に気がつかえないやつになるので、疲れすぎたときはひとりになるようにしよう)。

さて、長くなったが、結論とても良い一年だったからこそ、2023年は反省点を改善したいと思うようになった。
加えて、新規事業も見込んでいる2023年。仕事面ではこれまで以上に広範囲に渡る仕事になるだろうから、気を引き締めて頑張りつつ、多くの方にハチ高原や養父、但馬の魅力を伝えられる、そしてそれによって経済を回していける、そんな年にもしていきたい。

ちなみに、なんと一年前の私は、こんなことをnoteに書いていた。

来年はきっと今年よりずっと楽しい。そう今から思えている私はとても幸せだ。たくさんの方に感謝の気持ちしかない。

2021年の終わりにより

本当にその通りになった。すごい。でもこれは本当に友人やたくさんの人のおかげでしかないなと思う。
だからこそ、来年も楽しくて幸せだった!と思えるように、よりよい自分になって、もっとみんなが一緒にいて、心地よいと思えて、かつ力になれるような人になることに努めたい。

昼間には雪上車が走り、夜には圧雪車がキラキラと光る。外に出ようと思ったら、車を掘り起こさなければならず、道が凍る前にできるだけ山に帰る。運転怖いと先輩たちにぼやく。
そんな冬の生活が当たり前になる日が来るんだなとぼんやり思いつつ、31日の明日も最後まで力になれるよう、駆け抜けて終えたい。

ほんとにほんとにありがとうございます…!