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読書記録『大人のための文章教室』

読書記録をつけてみることにした。
読み終わるちょっと前にnoteを始めていてnoteを始めるために手に取った本みたいだなと思ったので、1冊目として丁度よい。

講談社現代新書
大人のための文章教室
清水 義範(著/文)
ISBN 978-4-06-149738-2 C0281 新書判 224頁
定価 840円+税
発行 講談社
奥付の初版発行年月 2004-10

清水義範氏の著書は、『国語入試問題必勝法』を高校生の時に初めて読んでから面白くて色々と読んだ。そう言えばパスティーシュという言葉をこれで覚えたが他で聞いたことがない。当時『有坂誠人の現代文速解 例の方法』も流行っていたが、高校生の時期にこれらを読んだのはいまだに役に立っている。四択どんとこい(暗記勝負ものはなぜか二択まで絞れても間違えるけど)。

前半は文章の基礎で、接続詞や句読点等について。後半は手紙、実用文、随筆などの書き方技法について。
全体を通して何かしら書きたい、表現したい人に向けて書かれていると思う。

随筆を書くことには、自分の体験を書き、人に知らしめるという満足感がある。その体験をして自分がどう思ったかという、考えを伝える喜びも。そしてそういう考えを持つ私とは、そういう感性の人間なのだ、ということを伝える充実感がある。

清水義範. 大人のための文章教室 (講談社現代新書)

文章とは自分を他者に伝えるためのもので、うまく伝えたい、できれば相手を同感させたいという目標を内在しているものなのだ。文章がうまくなるというのは、その目標に近づくことである。

清水義範. 大人のための文章教室 (講談社現代新書)

この本を読んで、そうだ私は何かを書きたいんだ、という気持ちが明らかになった。
また、あとがきに書かれている通り、具体的なコツや技がたくさん紹介されているので、これで書くためのハードルが下がったように感じる。書かないでいてもダメだし、闇雲にやたらめったら書けばいいものでもない。上手に書くためのポイントを教えてもらったので、あとは書いてみて反省するのを繰り返したらいいんだと思う。

この数十年、ロジカルとか箇条書きとかマニュアルのための文章とかFAQとかが中心で小説も読んでなかった。シンプルを心掛けた挙句接続詞がなくなって文章はぶつ切りになり、文末が全部体言止めか「と思う」になってしまっていた。
ロジカルももちろん大事なんだけど、表現したいことがあって読んだ人が共感してくれたら嬉しいという気持ちで文章を書けたらいい。
そういう気持ちを思い出させてくれるので、ロジックとかはちょっと横に置いておいて色んな人に読んでみてほしい。

パスティーシュの名手が書いただけあって、とても面白い。「あはは」と声が出たところが何か所もあった。読みやすいので是非。

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