イカのお寿司のこと
イカのお寿司が好きなことを自己紹介に書き忘れた。
食べ物の好みには理由が特にないものも多いと思うが、私がイカのお寿司が好きになったきっかけが二つあるので書いておくことにする。
昔お寿司屋さん(寿し常)で、隣のカウンターに一人で座っている老紳士がイカばかり頼んでいるのに気付いた。板前さんとの会話から、いつもイカだけを頼んでいるようだった。
ちょっとした好奇心で、自分もその板前さんにイカを頼んだ。
「柔らかいのですか? 固いのですか?」と聞かれ、そのときはじめてイカには柔らかいのと固いのとがあることを意識した。知っていたとは思うんだけど、意識したのは初めてだった。
柔らかい方を頼み食べる。やわらかくネットリとした甘さに衝撃を受けた。固い方も食べてみようとか、イカの種類を聞こうといったことは頭に浮かばなかった。
それからしばらくはイカに思いをはせることが何度かあったように思う。
次のきっかけは、「あたしンち」の中で家族が寿司の本を読む話があったのを見た後、本屋で「すし手帳」という本を見つけ、購入したこと。写真と文章のバランスが良く、眺めるだけでも面白そうだし、寿司ネタの種類を知るのも面白いだろうと。
すし手帳 | 坂本一男 | Kindle本 | Kindleストア | Amazon
この本が、とても良い。
イカが8種類も紹介されていて、それぞれが個性的なのだ。
まず写真が良い。それぞれの透明感・白さ・みずみずしさから、味や食感が口の中に湧き出てくる。
文章も良い。「身はさくっと歯切れよく、舌にしっとりとからまるよう。」等、これも味や食感が口の中に湧き出てくる。おいしさの表現が好み。味以外の情報もへぇと思うところがいくつもある。
2008年発行。たぶん新刊だったから目についたのだろう。割と手に取りやすいところに置いてあり、10年以上愛読していることになる。イカ以外も良い。
それにしても、イカは種類が多い上に、同じものの名前が地域によって変わったりしてわけが分からない。
もう、いくつかの種類だけ覚えてあとは諦めてしまった。たぶん、アオリイカとスミイカが好きなやつだ。回転すしでは白いイカはほぼ頼んでみることにしているが、一度に食べられる寿司の量は限られているので、もう頼む寿司ネタは決まってきてしまった。変わり種に手を付ける余裕がないことが残念だ。