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つながりの原体験

休みの日に急に思い立って、3つの有料マガジンを購読することにした。

うち2つは週末レビュー・週報的なもの。そのうちひとつは実際に何度かお目にかかったこともある方(そういえば最近機会はない)が書いている。

いずれもコーヒー1杯分くらいの値段。それが3つで本1冊分くらいの値段である。

なぜわざわざお金を払ってまで他人の週報を読みたくなったのか。もっと他人の話を聞きたいと思ったからだ。

自分や家族以外のひとが、日々なにを思い、なにを感じ、なにに思い悩み喜びながら生きているのか。それをリアルタイムにもっと知りたいと思った。

家で仕事しはじめてはや数年が経つ。在宅だからといって仕事のモチベがぐらつくこともない。オンライン空間での仕事の楽しみ方も存分に習得できている。しかし、反面淡々と毎日仕事している感が否めない。

同僚や上司の個人的な話を聞くことはほとんどない。リモートワークの弊害は雑談がなくなったことだ。オフィスにいれば、空間をともにすることで話をしやすいし、聞きやすい。

対してオンラインワークは会話の機会が社内チャットか会議しかない。社内チャットも、絶望的に忙しい日々が続いているとみんな他愛もない話をすることは自然となくなっていく。

そんななかでもっと人の話を聞きたいと思ったのだ。それも短文ではなく、長文で。具体性があって、ふたりで話しているときにしか聞けないような話もあったり、その人が真剣に考えていることを聞きたい。そういう話は往々にしてなかなかオープンな場で公開できるものではない。だから、有料の週報なのだ。

思えば、子供の頃から友人の話を延々と聞く、みたいなことはよくあった。高校時代だって友人と自転車で帰宅して、家の近くに自転車を停めて、最近こういうことがあった、あれは大変だった、これについてどう思う?などお互いの個人的な関心事をじっくり聞き合ったものだ。

ひとの個人的な話を深く聞くことは、自分とその人がどこか遠いところでもつながっていることが実感できるからいい。ぼくにとっては「つながり」の原体験は、これなのだ。

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