女子力は褒め言葉か否か

少し前に偶々目に入って速攻ハートマークを押したツイートがある。

料理すること女子力高いって言われるのめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ嫌だな ご飯のことが好きなだけなのに
(うで @udemiji 2020/05/01)

目に入った瞬間、心の底から「わかる」と声が出た。昔からずっと思っていたことだった。いいねに回数制限が無ければ、100回は押したい気分だった。

好きな事や物は人によって違うし多種多様。ファッション、美容、旅行、漫画、車、スポーツ等々挙げていけばキリが無い。
私は食が好きだし、料理が好きだ。好きが高じて栄養学科を専攻するくらいには。
数あるうちの中から、私が好きになったのが偶々料理であるだけなのに、投稿した料理写真を見たり、趣味を聞かれて料理と答えるとしばしば“女子力が高い”と言われる。
つい最近そのやり取りの流れがあり、“凄い～女子力ですね～”と言われた時には、とりあえず“女子力”と言えば喜ぶと思っているんだろうか、と乾いた笑いをすることしか出来なかった。捻くれ全開だ。

“女子力”とは一体何なんだろう。こんな時はそう、Wikipedia。

女子力 （じょしりょく）とは、 女性 が自分の生き方を向上させたり、自身の存在を世の中に示すために使う力を指す言葉。 ただし明確な定義はなく、主に女性らしい態度や容姿、女性ならではの感覚・能力を活かすことなどを指す 。

いや待て、“自身の存在を～”の部分ってほぼディスじゃない？
ただ、孕んでいるそのニュアンスは、なんとなくわかる。”女子力”と言われた時に感じる違和感と居心地の悪さは、それなのかも、と思った。
料理が、女性らしさを誇示したいが為のツールという捉え方をされているように感じてしまう。

誇示ではないと言いつつSNSに写真投稿してるじゃん、と思う人もいるかもしれない。
たしかに、見てほしい気持ちはある。ただ、見てほしいのは“調理過程でどんどん変化していく食材”や“美味しそうに出来上がった料理”であって“その料理を作った私の腕前”ではない。
例えば、猫好きの人が猫の写真を載せた時に見てほしいのは“可愛い愛猫”であって”愛猫を飼える私の経済力”ではないように。(中にはそういう人もいるのかもしれないけど)

特に興味が無いのであれば「え～いいね～」くらいが丁度いいし、好きなら料理について楽しくお話がしたい。
料理を食べたり目にした時は”美味しい”と”美味しそう”の言葉があれば、嬉しさで贅沢な気持ちになれる。それでいいのだ。(バカボンかな)

褒め言葉か否か、私にとって“女子力”は否だ。
料理が好きなことは、女子の正解でも正統派でもない。
ツイートの言葉を借りるのであれば、めちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ嫌だ。

あ～言ってしまった。何となく言葉にすることを躊躇っていたのだけれど、一寸スッキリ。以上！