11/4 会社を辞める後輩

勤めている会社は、新入社員の研修に力を入れており、研修期間中では、複数の研修班に分かれ、1班につき2名の中堅社員が後見人となって10人程度の新人の面倒を見る。

それで面倒を見た後輩の女性が、このたび転職し、全く異なる業界なら足を踏み入れることになった。コロナの状況下でなかなか会えずにいたとのの、LINEで報告を受けたりしてやりとりは続けていた。今日は予定をこっそり合わせて送別ランチをさせてもらった。

彼女は班のメンバーの中でも、とりわけ温和で聞き分けが良く、協調性も高く、人への思いやりに溢れている人だった。現場配属になった後も、やはりその要領の良さを買われ、重たい仕事を任されらようになっていった。そのことと転職の意志がどれくらい関係してるかは正直分からないが、いずれにせよ彼女は、「都合の良い優秀な若手」をやり続けることに疲れたのかなと思った。

仕事柄、エキセントリックに振る舞う人、好戦的な人、あるいは興味のある物事以外にエネルギーを一切割かない人も多い辛気臭い職場で、彼女は明るく、謙虚で人懐っこく、そして誰よりも真面目に働いた。可愛がってた後輩がいなくなるというよりも、もっと対等な意味で、尊敬に値するそういう同僚を1人失うのは悲しいことだ。

別れ際に、高級和菓子屋の桐箱に入ったお菓子を手渡された。別に自分がこんな丁重な扱いに値するなんて思ってないけど、でもあなたのそういうきっちりしてるところが、私は好きなんだよなあ。と最後の最後まで感心した。

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