10/16 秋晴れ天高く

なんと素晴らしい気候なのだろう。日のあたる坂道を登り下りしたりなどして、日光にあたりビタミンD生成の儀を果たした。

北京が最も美しい季節も、秋である。

と書くと、あたかも北京っ子と勘違いされそうだけど、生まれも育ちも北京ではない。が、実は2カ月間だけ、秋の北京で生活したことがある。

私がまだ小学校低学年の頃、父親が北京のとある大学の施設で働いていた時期があり、キャンパスの中に社員寮があった。どうやって休みを取ったのかは覚えてないが、秋頃に地元から北京の親のところへ遊びに行ってそのまま2カ月弱一緒に暮らしたことがある。大人の自転車の後ろに乗せてもらい、キャンパスを出たところの大通りをよく走ったものだが、その時の光景は今思い出しても泣きたくなるほどに美しい記憶として残っている。沿いにある桐の木の大きな葉っぱが黄色く枯れ、優しくはらはらと散っていくのが、スロモーションに見えた。今思えば、あれは「故郷から離れてよそで暮らす」最初の体験だったのだ。

色んな想い出を回顧しては、その煌めきに胸がいっぱいになったり、喪失感に襲われたりしている。

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