ルマ

「構成を聴く」ということ【ボカロリスナーアドベントカレンダー】


こんちは!書くの久しぶりです!


今回は前にもちょろちょろっとしてた構成の話を大まかにしていきたいと思います!



「構成を聴く」などとまあ大仰なことを言いましたが、ざっくりわかりやすく言うなら「変化を聴く」と言えばいいのかな。もしかしたらこっちの方がピンとくるかもしれません。


ではいってみよう!





ルマ / 初音ミク


曲中における”変化”を説明するのに一番わかりやすいのは転調だと思います。

最後のサビで転調するのが好き、という人は一定数いるでしょう。
それは、ラスサビで上に転調することで「より盛り上がってる感」があるからです。1コーラスでいちばんの盛り上がりであるサビをラストではさらに盛り上げちゃいますよ!と。




ライハーズノット / 初音ミク



この曲にも大きな”変化”があるのですが、どこにあるかわかりますか?

そうです、1サビの後ですね。
1サビが終わる前と後とでは、曲のテンションが全く異なります。技術的に言えば、リズムが異なります。

1番の後に「ここまでが全てイントロ」という旨のコメントも流れています。とてもわかる。
1番が終わってからが本編開始!と思わせるほどの”変化”が視聴者を魅了しているんですね。




と、ここまで話したのがアゲる変化です。次はサゲる変化


うつけ論争 / 初音ミク


この2番サビ前を聴いてください。1番の時とは違ってサビに入るまでに少し間がありますよね?

これがサゲる変化です。
サゲるとは言いましたが、いうなればタメの部分。

1番を聴いているリスナーに「2番もそのままサビに入るんだろ?」と思わせておいて、意表を突くのです。

それがフックとなって耳に残り、私達リスナーは「今の部分、良い!」とハマってしまうわけです。


こういった手法をする曲はボカロでもとても多いので、みなさんも探してみてください。



∴flower『紗痲』


こちらはタメという視点ではもっとわかりやすいかも。

ラスサビ前に入るギターソロ?のような間奏が印象的ですが、注目すべきはその前の間奏部分です。

この部分のさらに前は2サビとなるのですが、盛り上がるサビとは一転して、緊張感のある静けさが漂います。

なんとこの部分24秒もあります!この驚きはパッと伝わりにくいかもしれませんが、冒頭から24秒数えるとイントロもAメロも終わってBメロに入り始める頃です。つまりこの静かな間奏部分だけで2パート分の長さがあるというわけです。

しかもこの後本命の間奏がくるわけですから、間奏全体でいうとこの曲の中で占める割合はもっと大きくなります。

歌メロもない間奏としてのタメの部分がここまで長いというのはかなり大胆で、だからこそ強く惹かれるものがあります。




救いたかったのは/flower


後ろの音の話ばかりをしてきましたが、なにも構成というのはオケに限った話ではありません。

2サビ終わった後のCメロ最後、二度目の『僕が救いたかったのは』という歌。ここがこの曲のもっとも大きなターニングポイントとなっています。
一貫してしっとりした音とメロディで進行するこの曲ですが、ここのがなり声、そしてその後の間奏前半だけ感情が溢れ出るように熱を持ちます。

これはアゲる変化の方ですかね?この部分を魅力に感じるのは、このがなり声直後の間奏に入っても、一瞬の間を置いてまたあっけなく平素の落ち着きを取り戻してしまうほどに、盛り上がり部分をここに集約することを徹底しているからです。
ここを良いと感じるのも構成の妙なのだと、私はそう感じています。





ここまで「構成を聴く」ということについてお話してみました。
例に挙げた5曲でも「他にこんなところが構成として見どころあるだろ!」というご指摘があるかもしれません。

きっと、その多くが正解です。
構成というのはマクロな視点からミクロな視点まで、大小さまざまな魅力が恐ろしいほどにたくさん詰め込まれています。私の大好きな曲でさえ、その全てを詳細に把握することはきっとできないでしょう。
今回紹介した曲にとどまらず、他の本当に多くの曲に言えることだと思います。

その魅力の一端を知る架け橋になれば幸いです。



過去にこんなことも書いてるので、よろしければ。







さて、最後に自己紹介を。

私が被害者です。






というわけで、こちらは #ボカロリスナーアドベントカレンダー2019  という企画に参加した記事になります!

なんだかブログ的な文化でもこういったものがあるそうなので、今回はえらそうにコラム風にしてみたのですが、どうでしょうか・・・?

アドベンチャーな感じになってますか?






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