許容PSRの再検証:OKTA/PINS

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また本noteは投資を勧めるものではありません。
投資は自己責任で宜しくお願い致します。

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こんにちは、はっさくです。

ワクチン接種が進み景気回復が意識され、米国10年国債が上昇し、高PSRだったハイテク株が軒並み焼かれました。
金利が上がればハイテクグロースがやられるとは知識で知っていても、僕はその急激な変化に対応することが出来ませんでした。
かといって狼狽売りもせずひたすら耐え、調整が一服し株価の戻りに安堵しているわけですが、改めて許容PSRを検討してみたいと思います。

ちなみに許容PSRとは成長株は決算や将来の期待などで上限となるPSRが拡大することで株価が伸びるという僕の考え方で、別に専門用語でもなんでもないです。
また前回の許容PSRを検討したnoteは下記になります。

検討銘柄は前回と一貫性があった方が良いのですが、僕が今興味ある銘柄で検証したかったので今回はOKTA/PINSで見ていきたいと思います。

まずはOkta Inc($OKTA)です。
OKTAは2020年Q4決算ガイダンスをミスしましたが、事業自体は健全であり、また調整相場と相まって大きく株価が落ちたハイテクグロースSaaS銘柄ということで投資しました。
決算毎の売上と四半期ごとの売上成長率は下記のとおりです。

画像1

OKTAはSaaSなのでPSR(4x)を適用し、四半期毎の最低株価と最高株価を下記の表にまとめました(発行株式の希釈化がされていない前提)。

画像2

ちょっと見づらいですが、
Q1は最低株価148(PSR:26.7) / 最高株価224(PSR:40.2)
Q2は最低株価193(PSR:31.6) / 最高株価247(PSR:40.4)
Q3は最低株価230(PSR:34.7) / 最高株価291(PSR:44.0)
Q4現在の株価は227(3/13時点)(PSR:31.7)
になります。
ここで注目して欲しいのがQ1~Q3は決算OK且つ低金利状況ということもあり、順調にQ毎に最低PSRは26→31→34と、最高PSRは40→40→44と切りあがっているのが確認出来る点です。

一方で金利上昇&決算ミスしたQ4ではかなり下落し一時208(PSR29)につけ、そこから反発し現在株価227(PSR31.7)です。
これは許容PSRの切り下げが発生したと考えています。
Q2-Q3ではファイザーショックでSaaS銘柄含めて大きく売られましたが、Q1-Q2と比較して許容PSRの切り下げは発生しませんでしたので、それだけ今回Q4で許容PSRが前回許容PSRを割り込む動きを見せたのは特筆に値すると思います。
やはり今回のように実際に金利上昇を伴って売られた場合は株価に大きな影響を及ぼすということなのだと思います。

また許容PSRの下値が切り下がったことで、上値も同様に切り下がったと考えるべきだと思います。
この辺はあくまでも想像ですが、僕は許容PSR40±2くらい(株価271~300くらい)がこの四半期の上値限界だと思っています。また下限はパニック売り時のPSR28±2(株価186~214くらい)だと思っています。

また許容PSRの縮小は金利が安定するまで発生しない(許容PSRが28±2~40±2におさまる)ことを前提に、OKTAが四半期ごとにこれまで通りの成長をした時(所謂、業績相場)の想定株価は下記のとおりです。

画像3

ちなみにM&Aの影響を考慮すると大変なのでOrganicの成長のみで考えています。

金利がこれから急上昇したらさらに許容PSRが切り下がることもあると思われ、また売上成長率は適当なので上記はただの皮算用です。
ただ上記の仮定を適用した時、1年Holdすれば許容PSRの想定下限であるPSR28でも株価300であり、現在株価の1.4倍くらいはあり、想定上限のPSR42なら株価440で今の2倍弱くらいです。


次にPinterest Inc($PINS)です。

PINSは昔から好きなSNSだったのですが投資する前に株価があがり手が出せなくなってしまった銘柄であり、今回の調整を機に投資しました。

PINSは広告収入が主なので売上に季節要因があるため成長はYear to Yearで,PSRはTTMで考えます。四半期ごとの売上とYoYの成長率は下記のとおりです。

画像4

またPSR(TTM)に応じた株価は下記のとおりです(発行株式の希釈化がされていない前提)。

画像5

Q1は最低株価16(PSR:9.1) / 最高株価25(PSR:15)
Q2は最低株価32(PSR:14.9) / 最高株価53(PSR:24)
Q3は最低株価55(PSR:20.7) / 最高株価89(PSR:33.1)
Q4現在の株価は71.8(3/13時点)(PSR:23.9)

順調にQ毎に最低PSRは9→14.9→20.7と、最高PSRは15→24→33.1と切りあがっているのが確認出来ます。
またPINSはアフターコロナでも業績を伸ばす可能性のある銘柄ということもあるせいか、許容PSRの切り下げは起きていませんでした。
したがってQ4決算次第ではさらに許容PSRの拡大もありえるかもしれません。
許容PSR上限の予測が困難なので2021年の理論株価算出は省略します。


まとめ

たった2つの銘柄しか見てないので全体的な傾向を論じることは出来ませんが、僕の投資方針としてはOKTAは四半期ごとの許容PSR上限で指値売り、許容PSR下限で指値買いをしたいと思っています。
今回の暴落で追加入金は上昇局面ですべきではなく調整時に投資出来るよう銀行に置いておくべきだと感じました。
そのため今ある投資資金を最大限活用するためにスイングの練習をすることにしました。
そのための銘柄として、長期的には右肩上がりの成長が期待出来、ある程度PSRの上限が想定出来るOKTAを選定したことになります。

一方でPINSは上昇余地が想定出来ずスイングに不向きなので、値動きの任すままにし、アフターコロナ銘柄としての成長率加速の確認を決算で行っていこうと思います。

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