Beyond Air Inc($XAIR)が10バガーになる条件


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こんにちは、はっさくです。

先日ぴたごららさんのnoteでBiopick2021の振り返りがありました。

このうちのBeyond Air Inc(XAIR)が挙げられています。ここは空気中から一酸化窒素(NO)を生成する医療機器を開発している小型バイオ企業で、僕もちょっと前に面白いなーと思っていた銘柄でした。
改めて調べると僕好みの皮算用が出来る銘柄であり、その辺を今回はご紹介したいと思います。

そもそも一酸化窒素って何に使われる?

NOは成人の呼吸窮迫症候群、特定の心臓手術後、新生児の持続性肺高血圧症などで低酸素症の治療に使用されています。特に新生児が低酸素性呼吸不全の場合に、人工呼吸器のサポートや他の適切な薬剤と併用することで体外膜酸素供給(ECMO)の必要性を低減することができるため数十カ国で承認されています。
(ECMOはコロナで不足が騒がれたので皆さんもECMOが足りている重要性はよくご存知だと思います。)
またNOは自然免疫系において重要な役割を果たしていると考えられており、in vitroの研究では、NOは、グラム陽性およびグラム陰性を含む一般的な細菌だけでなく、マイコバクテリア、ウイルス、真菌、酵母、寄生虫などの多様な病原体に対しても抗菌活性を有し、多剤耐性株を排除する可能性があることも示唆されています。

医療行為に使われている一酸化窒素ってどんなもの?

画像1

上記が実際にアメリカの病院で使用されるNOの供給機です。メジャーどころでMallinckrodt Pharmaceutical社のINOmax、Praxair Inc社のNOxBOXがあるようです。
御覧頂けるようにNOのボンベがセットされています。このボンベに内蔵されたNOは高圧シリンダーを使って供給され、使い終わったらまたボンベを取り換える必要があります。
そのため現状病院はボンベを保管しておく場所や、ボンベを発注する手間、急遽必要になった時に対応出来るようなDistribution new workを確保しておく必要があったりします。メンテナンスなんかも結構大変なようです。

Beyond Air Inc(XAIR)はどんな会社で、何をしているの?

一方でXAIRが開発しているNO供給機”LungFit”は下記に見て取れるようにボンベがありません。
これは周囲の空気からNOを生成し、適切な濃度のNOを供給し続けることが出来る医療機器だからです。
したがって高圧シリンダーも不要になり、ボンベの交換も保管スペースも発注も必要ありません。
フィルターを交換するだけでOKという優れものです。

画像2


PMA承認と売上発生時期、TAMについて

XAIRのLungFitが他のNO供給機より優れている点は「ボンベが要らない」ということに尽きると思いますが、僕の想像ではそれは十分置き換えの理由になると考えています。

では置き換えの対象となるMallinckrodt 社のINOmaxは現在どの程度売れているでしょうか?
(ちなみにPraxair社のNOxBOXは決算の数字が見つからず分かりませんでした。)

下記は直近のMallinckrodt 社の決算ですが、安定して4半期で140M$、年間で500M$ほど販売しています。


画像4

ちなみに蛇足ですが、INOmaxはもともとIKARIAという企業の商品でしたが、Mallinckrodtが買収しています。その時のDeal highlightは下記のとおりで、MallinckrodtはINOmaxしか販売していない売上150M$のIKARIAを2.3B$と評価して買収しました。

画像6

またXAIRのPPTからはアメリカで500M$以上の市場があり8%とずつ成長しているようです。

画像5

ではXAIRは売上を立てられるのは何時か?つまりFDA承認の時期ですが、、2020年11月11日にXAIRはFDAに市販前承認(PMA)申請書を提出しています。対象は新生児の持続性肺高血圧症(PPHN)です。
FDAのガイドラインではPMAの審査期間は180日となっているので、早くて2021年5月に承認される可能性があります。
ただし、現在FDA承認期間に遅れが観測されており、5月から数か月遅れることが想定されています。

またXAIRの決算報告では「PPHNにおけるLungFitの米国での販売可能額は3億ドル以上、世界での販売可能額は6億ドル以上と考えており、FDA承認が得られれば、2021年にアメリカとイスラエルの両方で製品の発売を予定しており、2021年以降もグローバルに発売を続けていきます。」とのことです。

まとめると、最速で2021年5月にPMA承認が得られ、アメリカで300M$の売上を目指してPromotionを開始できるようになります。

XAIRが10バガーになる条件は?

現在、XAIRは製品なし、ほぼ売上0、時価総額100M$程度のペニーバイオ株で投資リスク大です。
しかし今年の夏までにPMA承認が取れ販売出来る可能性があり、商品であるLungFitは既存品の問題を解決出来ると考えられます。
仮に数年で年間100M$以上の売上を見込める状況になった時、XAIRの時価総額は1B$~を超えることが出来ると僕は考えています。
IKARIAが2.3B$と評価され買収されたことを考えると、XAIRは売上150M$で時価総額2.3B$以上になることは十分可能だと思います。
ただしPPHNだけではTAMが少ないため、早い段階だけで株価は頭打ちになる可能性があるので、1B$~以上の時価総額を目指すためには次のCatalystを示せるかどうかも重要です。

PMA承認後のCatalystは?

そもそもLungFitの重点領域は、新生児の持続性肺高血圧症(PPHN)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS CoV-2)、急性ウイルス性肺炎(AVP)、気管支炎(BRO)、非結核性マイコバクテリア(NTM)の肺感染症です。
直近最も大事なのはPPHN向けのPMA申請ですが、他の重点領域の進捗が企業の期待値をあげるため重要だと思います。
進捗として、下記は嚢胞性線維症財団より、非結核性抗酸菌性肺疾患に対する吸入式一酸化窒素の臨床開発促進のため、最大217万ドルの助成金を獲得したニュースです。

2020年12月にオーストラリアで12週間の多施設共同オープンラベル臨床試験を開始し、約20名の難治性NTM肺疾患の成人患者を登録する予定で、2021年半ばに中間データを報告し、その約6ヵ月後に全データのトップライン結果を発表することを想定しているとのことです。
この試験が成功すれば2022年末に主要な試験を開始する予定で、この適応症では、米国で10億ドル以上、全世界で25億ドル以上の売上が見込めると考えてるとのことなので将来大きなCatalystになりえます。

また新型コロナを含む急性ウイルス性肺炎患者の治療のために、LungFitを使用した試験を2020年後半に開始しており、イスラエルでは新型コロナに感染した患者最大90名の成人患者の登録を予定しています。
この中間データは2021年春を予定しており、もしかしたら5月に行われるThoracic Society International Conference 2021でアップデートがあるかもしれません。
コロナテーマは常に大きなCatalystです。

またアメリカでは年間約35万件のコロナ含むウイルス性肺炎による入院があり、全世界では年間約1,600万件のウイルス性肺炎による入院があります。
急性ウイルス性肺炎の適応症については、米国では15億ドル以上、全世界では30億ドル以上の売上が期待できると考えているとのことで、これも大きなCatalystになりえます。

ほかにも腫瘍癌に高濃度NOを直接供給するような研究もしています。
これはThoracic Society International Conference 2021でアップデートがあります。


まとめ

まとめとしては
・現在使用されているNO供給機と成分は全く同じであり安全性の心配はない
・現在使用されているNO供給機のボンベ関連の問題をきれいに解決出来る
・TAMは大きくないが既存品を置き換えられるだけの商品力はありそう
・100M$以上の販売が見込める段階になったら時価総額は10バガー(100M$⇒1B$)もあり得る。
・早くて2021年Q3~Q4には販売状況見えてくるかも
・他にもCatalystがあり期待出来るかも

引き続き進捗あればnoteなりTwitterで報告していきたいと思います。
ご覧頂き有難うございました!




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