珈琲店

柱時計が鳴り、ギィと押し出された平板から小人が飛び降りた。醜怪なこびとは曲がった腰を摩りながら腫れぼったい眼で辺りをぎょろぎょろと見渡す。ふと目が合うと、唾液の溜まったいやらしい口端を少しだけ上げて、小走りでマスターのこめかみの中へ消えて行った。


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