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初めて買った料理本の思い出

私が料理をし始めたのは、忘れもしない20歳である。それまでは学校の調理実習でも何もできないもんだから、洗い物は私がするよキリッみたいな態度でいた。
そもそも私の母は料理が出来ず、米を炊く以外は毎日の様に惣菜やお刺身などを買って来ていた。

そんな私も実家を出て、自力でご飯作ってみようと、当時住んでいた1Kアパートの近くの本屋で初めてのお料理みたいなタイトルの本を買った。

この本の表紙がハンバーグだったので、何となくだがハンバーグをラスボス的に捉えていた。

今、何でも作れる様になってから思うのは、ハンバーグを作るではなく、美味しいハンバーグを作るを目標にしない時点で、当時の実力はかなりお察しである。

当時は
○百均のミルクパン的な鍋
○カセットコンロ(貰い物)
○冷蔵庫(貰い物)
○百均の皿
○箸
と、まだ生まれていないミニマリストの概念も真っ青なキッチン用品だった。

ハンバーグにフライパンが要ると知ったのは入門書を読んでからでラスボスは本当に遠いんだなと思った。

仕方ないので本の後ろの方にオマケ的に載っていたパスタかハヤシライスを練習しながら随分と日々を過ごした。

それから数ヶ月して300円ショップみたい所で包丁とフライパンとまな板を買い、オムライスやチャーハンにもチャレンジした。

但し同時に二品は作れないし、火力もお察しなので、相変わらず一進一退だった。

その頃からテレビでお料理番組がやってたら見るし、雑誌とかに載ってたら作るをやってみるようにした。まだ唐揚げやハンバーグにはたどり着けてはいなかったが、イメージだけは一丁前に膨らませていた。

満を辞してハンバーグを初めて作った日はもう入門書はほぼ終えていたが、ハンバーグをフライパンで焼き出してからフライ返しがうちに無いと気がついた。その時は包丁で命懸けでひっくり返して作った。しかし完全に焦げていた。

その日は結構、へこんだ。何てダメなんだと思ったし、イメージ通りに出来ないなんて向いてないんじゃないか?と自問自答した。

だけど、そこから事あるごとにハンバーグを作りまくった。

今となっては肉汁ジュルジュルの照り焼きハンバーグを楽勝に作れるようになった。何でもしつこくやってみるものである。

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