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SDGsと深く繋がる 「宇宙船地球号操縦マニュアル」 を読んでほしい

宇宙船地球号操縦マニュアル

とんでもない本に出会ってしまった。

「SDGs を 語る人は 全人類読むべきだ。」

私は、そう伝えたい。

原著は英語だが、日本語版もあるので、ぜひ安心して読んでいただきたい。

なお、バックミンスター・フラーの他の著書はべらぼうに高くて、なかなか手が伸びないが、この本は買いやすい価格で、読みやすいボリュームだ。

私が海外から取り寄せたフラー作の絵本の日本語版は 12,800円。。

とにかくフラーの考えに触れてほしいので、まずは この1冊を勧めたい。
内容が、視点がとんでもないので、ぜひさらっとでも流し見てほしい。
※熱がこもって長くなり 過ぎたため、3部作で公開しました。

1部:バックミンスター・フラーとは何者か?
   現代に通ずる 51年前からの皮肉

2部:フラーによる未来予測
   ベーシックインカム?
   オフィスが地下に埋まる?
   “所有しない” 生き方
   AI 時代における人間の役割

3部:フラーの根底に流れる思想
   フラーの唱える「富の概念」
   フラーが大切にした「シナジー」
   フラーが人間・人類に託したもの

本当は、この文章を読んで興味を持ってもらい、ぜひとも本書を買って読んでほしい。(残念ながら kindle版は 2020年 9月 21日現在なし。)


バックミンスター・フラーとは何者か?

バックミンスター・フラーは、1895年生まれで、思想家・デザイナー・構造家・技術家・建築家・発明家・詩人などの他分野にわたって才能を発揮し「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称された人物。

略歴の興味深い分野をピックアップして紹介すると

ハーバード大学を2度放校になり、紡績工場での勤務なども経験。
海軍、運送会社副支配人、建築会社経営、長女の病死、事業の失敗 etc

晩年、世界平和と環境保護を訴え続け、世界中の大学から 43個の名誉博士号が贈られた人物。
「切迫した地球上の諸問題を、政治ではなく、技術やデザインの革新によって解決していこう」との思想を持ちながら活動していた。

実は、日本とも意外に縁が深い。 フラーと共同研究をしていた梶川泰司さんという日本人がいたり、アンテナを保護するための富士山レーダー・ドーム(※)の構造を発明したのは、バックミンスター・フラー氏なのだ。
※現在は、山頂からは撤去され、富士吉田市立富士山レーダードーム館に移設されている。下記の写真の ドームがそれだ。


そんな バックミンスターフラーが、書いた 宇宙船地球号操縦マニュアルについて、ぜひ内容を紹介させていただきたい。

現代に通ずる 51年前からの皮肉

1969年(51年前!)に書かれたにも関わらず、本文中に時折登場する強烈な皮肉の数々には現代人として、ハッとさせられる。

まずは、その中から幾つか紹介させていただきたい。

専門分化とは事実上、奴隷状態のおしゃれな変形にすぎない
社会は、当時も今も、ほとんどは専門分化した奴隷たちによって構成されている

フラーは、専門分化に反対している。専門分化に関して「奴隷」との過激な言葉を用いて痛烈に批判しているのだ。
専門分化を否定しているが、では何を良しとしているのか? それは後半に記載したのでそちらを読んでほしい。

もう少し この話題に入る前談として「大海賊」の話など、興味深い記述も多いが、一旦飛ばさせていただく。興味ある方は、本を読んでみてください。

もう少し皮肉を紹介したい。

政治家は自動的に偏見を持つものだから、自分たちの陣営のことだけを弁護して、その利益のためだけに動く
システムを私たちが今日まで誤使用し、酷使し、汚し続けてきた
この惑星を「汚染号(ポリュート)」と名付けなおす日も近い
※冥王星(プルート) と引っ掛けた表現
後の世代の人間たち、そして彼らの前に広がる日々に対して、まったく無知、そして完全に無責任
機械の方がうまくできることを人間がやろうとして、生産が邪魔されることもなくなるだろう
「人種」の区別など、認めはしない。そんなものは無知が発明したものなのだ

まるで、今の時代を見ているかのような言葉の数々だ。

皮肉っている相手は
政治家、環境汚染、次世代に無責任な人々、機械化を邪魔する人々。
そして、ここ最近で、議論が再燃化している「人種差別」などに及ぶ。

このように、多くの 現代に通ずる皮肉のメッセージ が刻まれている。
もう一度言うが、これが 1969年(51年前!)に書かれているのだ。
詳細が気になる方は、ぜひ本文を読んでほしいと思う。

この強烈な皮肉を目にして、あなたは、何を感じるだろうか?

何も感じないとしたら、、、もう読まなくて結構です。

もう少し先が気になる方は、ぜひ続きをご覧いただきたい。

第2部「フラーによる未来予測」へ続く。


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