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10/11(月)-10/17(日) 1週間のミャンマーでの出来事まとめ

犠牲者数

死者 1,178名(先週 +17名)
逮捕 9,028名(先週 +193名)
うち現在も拘束中 7,355名(先週 +191名)
逮捕状発行 1,989名(増減なし)

ASEANは、月末の首脳会議にミンアウンフライン総司令官の出席を認めない事を決定

最終的には、ASEAN外相会議で「ミンアウンフライン総司令官をASEAN首脳会議に招かないこと」を決定。

※「非政府代表」という言葉をはじめは勘違いしてました。NUGではなく、外務省の高官…?と後に報道が流れた。

インドネシアによる言及

特使受け入れに対し、9の国と地域による共同声明

特使について「全ての関係者との面会を含め、訪問の狙いを支援する」と表明し、国軍側に受け入れを求めた。

マレーシア外相が、改めて「妥協はしない」とコメント

シンガポール外相も MAH外し を決めた外相会議に言及

タイの元外相 含む 市民社会 による声明

第1弾「ASEANの非干渉原則」を継続している事 等に言及

第2弾では「ASEAN の政治家主導でなく国民が主導を」等のメッセージ


ASEAN特使のミャンマー訪問予定はキャンセルに

その手前の段階では「ASEAN特使のエルワン氏がミャンマーを訪問予定」との報道が流れていたが、結果としてこのタイミングでの訪問は見送られた。
報道によれば、特使としては「スーチー氏の面会」が絶対条件で譲らず。軍は、ヘンリーバンティオ元副大統領らとの面会までは譲歩する、としたらしい。
とはいえ、選挙の部分でいえば、8政党といっても軍にとって都合の悪い政党は含めないようにするだろうし、そうなれば ほぼ議席なし政党 を招くことになるわけで… 特使にとっては時間の無駄、と判断したのかと。よくわかってらっしゃる。

(参考)2/1以降のASEANと軍の動き、時系列まとめ記事

国連もなかなか手が打てず、日本も中国もEUも「ASEANを支援する」との立場。すべて押し付けられたような形になっているASEAN。

軍の反応①「国連はダブルスタンダードをやめよ」

軍は、クーデター直後から、国連とうまく関係構築をする気だったが、うまくいかないので、悪あがき。国連のミャンマー代表問題は、はっきりしない状況ではあるが、

軍の反応②「5つの合意の実施への協力を約束する」と声明

Facebook の 外務省のページを通じて、軍がプレスリリース。
ざっくりまとめると「これまでも協力してきたし、今もかなり譲歩して柔軟な対応をしている。しかし幾つかの要求への対応はさすがに困難であり、国際社会も特使も理解すべきだ。まずはすぐに特使が出張して、信頼を構築すべきだ」と。

軍の反応③「ASEAN外相会議の結論に不服」と声明

軍は平常運転。 自らの非は棚に上げてのASEAN批判。軍からしたら、それが彼らの正義なのだろうけれど、国際社会の一員としては誤った対応をしている。そのことが、本当にわかっていないのか、わかっていてこの態度なのか…本当に不思議。

エルワンASEAN特使、派遣前の茂木外相との電話会談

この時の外相会議では「ちゃんと動いてるけど軍が受け入れない」事をきっちり伝えた上で「このまま態度が変わらないなら、ミャンマー訪問も見送る」といった話をしたのかもしれない。


ウィンミン大統領が、クーデター直前に 脅されていた事を証言

おそらくこの証言が事実であろうし、この直後、軍が弁護士に対して「メディアと接触するな」と言ったことからも、きっと真実である、と捉えて間違いないだろう。
どうせ軍は揉み消し、無視するだろうし、今のミャンマーでまともに司法が機能するとは思えない。これまでも軍や警察関係の裁判では、正当に機能してない事例ばかり(ウーコーニ氏裁判、ロイター記者裁判 等)だし、今の状況だとより酷いだろう。
仮に司法がまともに機能したとしても、あくまでも ウィンミン大統領による証言でしかない。証拠としては、少し弱い。仮に脅迫した当局の人間が「私がやった」と言ったとしても、今のミャンマーでは無視されるだろうし…

軍が担当弁護士に「メディアとの接触禁止」を言い渡す

一応、こんな発言もあった、ということで、共有まで。だから何って事ではないと思ってますが…

全土停戦協定から6年のタイミングでKNUが声明

独裁政権に復帰し、全土停戦協定の違反だとコメントし、要求声明を発表。


軍は比例代表制の導入を示唆

形だけ…過去にも制度変更は話題にのぼったことがあるが、憲法改正(国民投票)が必要などの事情もあって見送られた。軍にとっては、あの時に変えておけば、という事なのかもしれないが、その当時に比べて、さらに軍の評判は地に落ちている。よって普通に考えれば、仮に国民投票にかけたところで軍に都合のいい提案など通るわけはない。きっと2008年憲法制定時の国民投票のように、インチキをするのだろうけど。


チン州で軍が 大規模作戦展開か…?

その後、教会等が燃やされた、との情報もある。

北部の紛争エリアから将校の家族が退避で戦闘激化懸念

カレーからの情報では、軍用機が継続的に発着。軍の将校の家族が退避などの情報もある。激しい銃撃戦に備えての動きでは?などともいわれており、とても心配。しかもエリア的に、通信遮断されてる可能性も高い。

KNUによれば、10月のはじめの2週間で、92回の銃撃戦があり、126名の軍の兵士が死亡、114名が負傷、との情報も。雨季があけるタイミング、というのも影響はしているのだろうけれど、衝突が増えているようには思う。

今後も軍からの離脱者は増加の見通しか…?

なお 国民統一政府(NUG)の発表によれば、760名以上の軍人と警察官がCDMへの参加を計画している、とのこと。


なお、先週の報道だが、軍の北西部の司令官のピョー・タン准将(これまでの亡命者で最高位)が亡命を計画していた、として軍に拘束されたことが判明していた(記事はこちら)が、高官のドライバーと秘書が軍から脱走…? 軍は否定。

国際的なたばこ会社(BAT社)がミャンマー撤退

製造、販売、流通を中止し、年内には完全撤退。記事によれば、BAT社は 1999年にMEHLと事業提携してミャンマー進出。2003年に撤退要請を受けて撤退。2013年、再度ミャンマー進出したが、今回撤退。「国際的な企業にとって、ビジネス環境が、企業倫理や規則に適さなくなってしまっている。」と。事業環境は益々厳しくなっている印象。


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