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漫画が大衆文化から伝統に変わるとき

こんにちは、メロンパスです。
 
私の本業は現代アート作家ですが、漫画を描くことが趣味のひとつです。
 
漫画は現在、アートというよりもエンターテイメントであり、ポップカルチャーのひとつとしての認識が強いかと思います。
 
しかし将来的に、漫画に対する世間の認識が『アート性のあるエンターテイメント』から『エンターテイメント性のあるアート』へと転換していく可能性は十分にありえます。
 
江戸時代のポップカルチャーであったの文楽や歌舞伎は、現代では伝統芸能として扱われ、当時よりも格調高いイメージがついています。現代のポップカルチャーである漫画もいずれはそうなるのではないでしょうか。
 
「文楽や歌舞伎は知識がないとよくわからない。だから高尚で難しいものなのだ。漫画とは違う」と思う方もいるかもしれませんが、漫画も実際には理解するのに知識が必要です。コマはどちらの方向に読み進めるのか、フキダシから出ているツノの意味は、汗やアオスジなどの記号の意味は…私たちが現代の日本に生きていて、当たり前のように漫画に触れているから自然と知っているだけで、違う時代、違う文化圏の人間にとっては難解なルールが多く存在しています。

この先いつか漫画がポップカルチャーから外れたとき、「漫画は難解でよくわからない」と言う世代が現れてくるのではないかと思っています。 
 
そこで、『漫画も日本の伝統となる』という意味を込めて、古民家の戸板に漫画を描くアート作品を制作中です。 私が現在アートレジデンスで滞在している新潟県柏崎市に伝わる伝承『藤五郎狐』をベースに、伝承における狐殺しの真相を探るという形で独自解釈を加えたストーリーです。


戸板は全部で15枚、つまり15ページの予定です。戸板のことを「ページ」と呼ぶこともなかなかないでしょうが…

以前Twitterにて4枚を公開しましたが、その前後を描き足すことにしました。

これは7~8月の個展『お座敷ブラックホール』に向けた作品ですが、完成後noteでも全編公開の予定です。乞うご期待!

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