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「Enter the NEOPHASE」を聴いて

2020年11月11日リリースのAngeloの最新作『[evolve]』を聴いた。

その中でも今回は1曲目の「Enter the NEOPHASE」に焦点を当てたいと思う。

適切な表現かわからないがはじめに言っておきたいことは、この曲のイントロ~Aメロの冒頭の部分がPIERROTの「HEAVEN」をとても髣髴とさせる。

少しずつ闇に光が差していくような音作りが印象的で、PIERROTの音楽に救われたあの頃の多感だった自分と、何もかも変わってしまった日常に疲れた現在の自分がシンクロした。

つまりまた彼に、彼の音楽に救われたという話だ。

「絶望の淵に立たされ、それでもなお光を求める」というメッセージ性は、このご時世を考慮すれば作品の幕開けには無難で相応しい曲だろう。

しかしAngeloのボーカルであるキリトの場合、世界が平和であろうとなかろうと、これまで20年以上も連綿と紡ぎ続けてきた姿勢であり死生でもあるのだ。

彼は名義さえ飛び越えて常に作品という形で想いを積み重ねてきた分、他のアーティストとは当然、言葉の重みが違ってくる。

コロナ禍という「凄惨な非現実」は既に「現実」のものとなり、先の見えない虚無の日常が人々の心を支配していた。

太陽が昇れば人が行き交うはずの街に人が居ないという恐怖は、10年前の東日本大震災で筆者は体験済みである。

まさにこの世界は今”無に支配された白い闇”なのだ。

それでもこの数ヶ月の間、キリトはTwitter/Instagramアカウントの開設、毎日のYouTube配信、Angeloの実験的配信ライブ、有観客ソーシャルディスダンスライブと例年以上に目まぐるしく活動してきた。

思っているだけでは伝わらない、結果的に誰も救えないことを教えられた気がした。

保守的になるより攻撃的に。

こうして足を止めることなく常に行動で示してきたAngeloだからこそ言えるであろうメッセージ

”思いを叫びに変えていく”

きっと彼らはこの混沌とした世界にも柔軟に適応し、この先訪れるであろう新世界へ強靭な翼を広げて羽ばたいていくと信じている。

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