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「おもいで」そして秘められたコード遊び

「日足NSP」3年ぶりのライブ、3曲目は「おもいで」です!
https://youtu.be/2-rPwqWvbj8

NSPで一番好きなアルバムは? と、聞かれれば・・・
アレコレ迷いつつも「シャツのほころび涙のかけら」と答えるほど大好きな
アルバムのA面ラストを飾る曲です。

この曲にも作曲家天野滋としての遊び心があるのは分かりますか?

オレも作曲家の端くれとして言うのですが、長いこと歌を作っていると
メロディーうんぬん、よりも「コード進行優先」で作ってみたい時があるのです。

例えば作ったメロディーは「G-C-D-G」ってコード進行になるんだけど
「G-D-Em-C」ってコード進行を使いたいので残念だがメロのほうを変えよう・・・

リスナーはメロディーを聴いていて、コード進行を聞いてる訳では無いので
まあある意味、本末転倒なのですが(^_^) 憧れのバンド(ビートルズとか)
のコード進行を使いたい!この曲では何が何でも使いたい!
という意地になる日があるのですよ。

さて、我らが「天野滋」さんにもかなり「コード進行遊び(?)」みたいな
曲があるのですよ。

まずは「1曲まるまる循環コード」
もうデビュー曲からしてこれですからねえ〜
どういう事かと言うと同じコードをずっと繰り返す、って事です。

「さようなら」のコード進行はカポ4で「Em-D-C」のくり返し。
イントロから、AメロもBメロもサビもず〜っと「Em-D-C」
これはギター初心者にはタマラン歌ですな〜(^_^)

他には
「コンクリートの壁にはさまれて」これもカポはあるにせよ
「Em-C-D」 オオッ!さようならとD、Cが入れ替わっただけ!ほぼ同じ!
イントロから間奏、エンディングもず〜っとこれ。これまた初心者大喜び!

さらに
名曲「雨は似合わない」
これもカポ3ながら「Am-Dm-E7」のくり返し!
モチロン、イントロからエンディングまでず〜っとこれ。
ギター始めた中坊が、数多いフォークバンドの中からNSPを好きになる理由が
これで分かるでしょ(^_^)

まさか天野さんが「中坊人気(?)」を狙うとは思えませんよね。
これはあきらかに天野さんの「Rock好き!」から来ています。
Rockやブルースには同じコード進行ってのがたくさんあるのです。
さっき初心者大喜び!って言いましたけど、こういう曲は
ライブでやるときも覚えやすくて良いですよね。

さらにNSPで探すと「おいろなおし」から
「君に直撃」
コチラに至っては何と!「Em-C」の二つだけ。
まあ途中にアレンジ上の「D」が入るときもあるけど
まあこの二つ。

そして、このアルバムのタイトル曲!
「シャツのほころび涙のかけら」
カポ3で「Em-D-B7」のエンドレス!

スゴいでしょ!「抒情派フォーク」なんて呼ばれてますけど
根底にあるのはRock魂!ですよ。

例えるなら「ゴメンゴメン」の皮を被ったオオカミ!

と言ったところでしょうか(?)(^_^)

閑話休題

で、「おもいで」ですが、この曲にもそういった仕掛けがしてあります。
気づいた人はいるのかな?

この曲のコードは
「G-Bm-Em-Am-D-Em-Am-Em」と今までよりもなが〜いサイクルで
繰り返されています。
Emが何度も出てくるし、くり返しとはいえこれはライブでは覚えにくい(^_^)

♫こ〜っくりと〜♫ の所と

♫まわれ〜おもいでまわれ〜♫

はどちらも同じコード進行で出来ているのですよ。
歌い出しもサビも同じ!

どうです。とても同じには聞こえないでしょう!?サスガ天野さん!

この曲、これだけでは無いんです!(^_^)
さらなる仕掛けがあって、
アレンジャーの福井峻さんがイントロもエンディングも
同じ進行を使ってアレンジしてるんですよ!

「ん?違うじゃ無いの。イントロはBmから始まってるよ」
ってアナタ! よ〜く楽譜を見て下さい!
最初に「G」を弾いてますよ〜(^^)
ただの見せかけに使ってますが、この「G」が始まりの「G」です(^^)

確かに、フルートが入る所がスタートって思えますよね。
福井さん、悟られないように(?)巧妙に罠を仕掛けてますね(^_^)

結果!同じ進行なのに

1.フルートのメロディー
2.Aメロ
3.サビ

それぞれ全く違った展開をしてますよね。
お二人とも素晴らしい作曲能力です!

オレとしてはこういうのを「職人ワザ」と呼びたい!
この曲が好きだとか、嫌いだとかあるだろうけど
音楽作る立場から「うわ〜スゲ〜」って感服しております。

実は他にもあるのですが、それはまたいつかの機会に。

今回は「日足」の演奏話は無かったけど、
たまにはこういうのも良いでしょ。
音楽の楽しみ方の一つとして(^_^)

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