「LIFE SIFT」を読んで仕事を辞めた私

2年前、朝のニュースで、リンダ・グラットン著「LIFE SIFT」を紹介していて、人生100年以上をどう生きるか?というテーマに惹かれ、ここ10年本なんてほとんど読んでなかったのに即購入。平たくいえば人生長くなった分、働き方も考えないと老後までお金がもたないよ、という話でスキルアップ、キャリアアップが必要だと説いていた。

そのころ、スマホアプリのスタートアップ企業でフルタイムパートとして働いていた私は、意識高い系の若者に囲まれ会社ではヒーヒー。子育てと仕事の両立にアップアップしていた。

その前は派遣で広告代理店で働いていたけれど、保育園のお迎えがあるから17時までしか就業できず、それが理由で契約打ち切り。慌ててスマホアプリの会社に転職したのだ。

スマホアプリの会社は、これまで勤めてきた会社とは別世界。片手にMac Book Airをもって打ち合わせ。お互い顔は見ないでずっと画面を見続けている異様さに最初は慄いた。私はマウスなしではPC使えなかったんだけど、インターンの大学生にキーボード打つ遅さにイラつかれ、「今の時代、マウス使ってたら生きていけませんよ」とのたまわれ必死で覚えた。今じゃマウスなしで打てるようになり、本当スムーズです。。。

大変だったけど、若い人たちの一生懸命な姿に感化され、40過ぎのおばさんでも頑張らねばモードになっていったんだよね。職場の飲み会なんてそれまで一度も行ったことがなかったけど、一念発起して参加を決意。17時に会社を出て家に帰り、子供の夕食を作って20時から飲み会へ。すると1時間くらいたって上の子から電話が。下の子が気持ち悪くなって吐いてしまったらしい。。。慌てて家に帰ると、リビング中汚物まみれで。意を決して夜出たらこの有様で。子供も可哀そうだし、自分も凹んだ。

でもこれを機にちょっとずつ残業をしたり、パソコンを持ち帰り家でリモートで仕事したり、土日も作業したり。ちょっとずつちょっとずつ、17時定時だった私の仕事がはみ出していった。時には夜中まで作業することもあった。作業をするために子供が話しかけてもそっちのけ、お風呂の時間も寝る時間も、面倒見ずにほったらかしで。そんな生活が半年以上続き、うしろめたさが募っていった。

? これってスキルアップ?キャリアアップ?

「LIFE SIFT」を読み始めた時期で、自分の仕事を振り返ったとき、これってキャリアアップでもスキルアップでもなく、ただ長く作業がしているだけだと思った。中途半端に働くのはやめようと、スマホアプリの会社は結局1年で退職することにした。

人生100年。曾祖母が98歳、祖母が99歳で他界した私は、100歳まで生きる自信がある。子供がママ、ママって追いかけてくれる時期ぐらい、仕事しなくたっていいじゃないか、時給で働くパートならあと5歳年取ったって、見つかるさ。

そして今もまだ定職に就かずプラプラしている私。

下の子が中学生になるまであと3年。100年の人生、15年や20年子育てに専念したっていいと思っている。で、時間に制約なく働けるようになったら、また若い頃みたいに飲み会もガンガン行って、仕事もがバリバリする。ブランクがあると再就職できない、なんていけずなことは言わずに、そんな人生が当たり前の社会になることを願っている。





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