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1992年 SideA-8「ムーンライト伝説/DALI」

小田加奈子作詞 小諸鉄矢作曲 池田大介編曲

・「美少女戦士セーラームーン」(テレビ朝日系 1992/3/7~1997/2/8)主題歌

 「美少女戦士セーラームーン」は、1966年の「魔法使いサリー」以来50年以上の歴史を持つ「魔法少女アニメ」の中興の祖的存在で、90年代を代表する少女アニメの金字塔。「おジャ魔女どれみ」や「プリキュア」シリーズなど多くの人気作の基本フォーマットとなり、のちに「魔法少女まどか☆マギカ」など多くの名作を生むことにもなる“集団戦闘美少女もの”というジャンルを確立したシンボリックな作品で、三石琴乃や久川綾などの声優もアイドル的な人気を博し、現在の声優人気につながる第3次声優ブームのきっかけとなった作品でもある。当然80年代から90年代生まれの女の子たちには絶大な影響を与えており、主題歌の「ムーンライト伝説」も絶対的な支持を得ている。そしてこの曲もビーイングが製作を請け負っている(「小諸鉄矢」というあからさまな作曲クレジットは長年、ビーイング所属でシンガーとして「ウーマンドリーム」のサントラにも参加、ソングライターとしても多くの実績を残している川島だりあの変名とされていたが、近年、関係者がこの曲を書いたのは川島ではないと否定して話題になった)。

 今や誰でも知っているこの曲、実は波乱万丈の歴史がある。元々は1991年からテレビ朝日で放送されていた「桜っ子クラブ」(SMAPがレギュラー出演していたことで名高い。これも音楽製作はビーイング)にメインキャラクターとして出演していた女の子集団「桜っ子クラブさくら組」(菅野美穂や持田真樹、加藤紀子、井上晴美らが在籍した)に属する、2人組グループ内ユニット「KEY WEST CLUB」(中谷美紀が在籍した)の持ち歌「夢はマジョリカ・セニョリータ」が原曲である。そのあと、同じスターダストプロモーション所属タレントによる4人グループDALIが「美少女戦士セーラームーン」の主題歌でデビューするにあたり、歌詞とタイトルを変えて録音され大きなヒットとなった。「夢はマジョリカ・セニョリータ」は逆に同じ歌詞とタイトルでメロディーを変えて、KEY WEST CLUBの3枚目のシングルとして発売され、彼女たちのラストシングルとなる。DALIはこの曲発売直後に解散し、4人のうち2人がMANISHとして1992年12月にZAIN RECORDSからデビューしている。

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