見出し画像

1992年 SideA-1「決戦は金曜日/Dreams Come True」

吉田美和作詞 中村正人作曲・編曲

・「うれしたのし大好き」(フジテレビ系 1992/4/3~1993/4/2)オープニングテーマ

 1989年のデビュー以来1991年末までの3年間に、シングル10枚&アルバム4枚という怒涛のリリースを続け、見事大ブレイクを果たしたDreams Come Trueが次に選んだ選択肢が「音楽バラエティーへのレギュラー出演」だったことが当時は少し意外だったが、結果的にこれが彼らのことをファン以外の一般層へ知らしめる力になった。

 実際はレコーディング等の理由で半分くらいしか出演しなかったが、出演していた間はロケ企画にも出たし、コントも披露した。舞台裏はどうあれパブリックイメージとしてはどう考えてもドリカムの冠番組なのだから、これでいいのかという気もしたがレコーディングの末に完成したアルバム「The Swinging Star」は当時の歴代最高記録を大幅に更新する300万枚を売り上げるモンスターアルバムになったわけだから、番組としても十分元は取ったと言えるかもしれない。いずれにしても、ドリカム不在の時も含めて、中心となってこの番組を支えたのはメインMCの陣内孝則であった。すでに連続ドラマの常連となっていた陣内はこの番組で大きく芸風を広げ、彼のキャリアにとっても重要な番組となった。

 オープニングテーマの「決戦は金曜日」は、それまでの彼らの楽曲にはあまりなかったストレートな70’sディスコチューン。倍々ゲームでファンを増やしていた時期だけに、このキャッチーなパーティーソングはすぐに視聴者の心をつかんだが、リリースされたのは番組スタートから半年近く経ってからだった。あれだけ精力的にリリースを続けてきた彼らがここまで慎重だったのは、おそらくこの曲が純粋にバラエティー番組のテーマ曲として発表されたものだったからだろう。テーマ曲だからこれほど分かりやすく70’sソウルの影響を前面に出した。これをリリースしたら何を言われるかもある程度予想できたと思う。しかし彼らは最終的にCDシングルとしてこの曲をリリースすることを選択した。それはひとつの覚悟であったろう。結果この曲は大きなヒットとなり、彼らはメガヒットグループへの道を歩き出す。間違いなく彼らのキャリアの大きな転換点となった曲である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?