由利高原鉄道で輪行したり旧矢島街道を走ったりブロンプトンの話(2021.9)
【由利高原鉄道で輪行】
承前)その日の午前を由利高原エリアのサイクリングロードをのんびり走って過ごしたわたしと妻氏は、平野部へと下って由利高原鉄道の矢島駅に向かった。
風情ある沿線風景で名高いローカル私鉄、由利高原鉄道で輪行し、しかるのち沿線をサイクリングもしようという算段だ。
矢島駅裏の駐車場にクルマを置いて、13時台発の列車で輪行する。
窓口で切符を買い求めてみれば、おお硬券だ(下車時に申し出れば記念に持って帰れる)。
ちなみに折り畳み自転車は袋に入れずともそのまま車内に持ち込める。これはありがたい(注)。
好天の日曜とあって車内はほぼ満席。由利高原鉄道の経営にひとすじの希望を見出す思いであった。
乗ったディーゼルカーは観光用に注力した車両で、景色がよく見える造りのクロスシートのほか、窓の方を向いて通路に背を向ける座席なども設けられていた。
車窓は色づいた田んぼの風景が流れていき、それはよいものだったけれど、下車したあとは並走する道路を自転車で戻って再び味わうことになるので、今はなるべく景色を見ないよう努力し、その時の楽しみにとっておくよう心がけた。
40分ほどの乗車で終/起点の本荘に近づく。
始発駅の本荘から走り出すとなると、しばらくは市街地の面白くもない道を走ることになる。よってその区間は割愛するために一つ手前の薬師堂駅で下車することにした。周囲は田んぼの広がる郊外だ。
(注)2022年現在、4〜11月はサイクルトレインと銘打ってフルサイズの自転車を持ち込み可能(要事前予約)。折畳車の扱いは不明。
【旧矢島街道(だいたい)を走る】
城下町本荘とさきほど乗車した矢島(ここも小さな城を擁するプチ城下町だった)は、子吉川に沿った矢島街道で結ばれていた。その旧街道を辿ろうというのが今日のサイクリングの趣旨でもある。
現在の国道108号と重なる区間も多いが、それに並行した旧街道の道筋も随所に残されている。もっぱらそちらを選んで走ることにする。
駅そばの薬師堂集落から旧街道ムードの裏道がはじまる。由緒ある神社などもありよい感じ。
旧街道といってもこの区間は古い建築や家並みが残ってるわけでもないので道筋の写真は撮ってなかった。Googlemapのスクショでお茶を濁すとする。
大半の区間ではR108に並行した旧道を辿ることができる。ところどころR108を走らざるを得ないところもあるが、長くは続かない。
山本、吉沢と続く駅も、それぞれかつて舟運の駅として栄えた古くからの集落であった。
その先、旧街道を外れて川を渡り、対岸の秘境ムードある道で少し遠回りして矢島に向かう。
【矢島に戻る】
矢島に着いて市街地を一巡りする。
商家や武家屋敷など城下町の情緒を偲ばせるものはほとんど残っていない。昭和の名残をとどめるうらびれた商店街であった。
旧矢島街道はこの先、山に分け入って秋田県の院内に向かう。旧街道の細い道は随所でR108に吸収されながらも、鳥海町の先あたりまでたどることができる。
その先の山越えはトンネルやスノーシェッドが現れ、路肩の無い狭い道かつ大型車の通行も多い。クルマでもけっこうスリリングな秘境感が味わえるし、自転車で走るにはちょっとスリルが多過ぎる(ちなみに最奥部の数kmはケータイも圏外となりスリリング)。
鳥海町の先から南に向かっての山中には、かつての羽州街道が山形県の及位(真室川町)に向かって岐れていた。しかし現道は存在しない。
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