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春の小一時間ポタシリーズ3 : 村山でいろいろ集めて囃し最上川

先だって碁点温泉から村山市西部の高原地帯をポタったわれわれであったが、この一帯のよさをさらに深く味わおうと考えてふたたびこの付近に降り立った。

このあたりの風景の重要な役者はなんといっても最上川である。古くはかの芭蕉もああ最上川最上川とか、そんな句は残っていないが、たぶん詠んだに違いない。古来からの雄大な眺めを成す実力はその辺の川が束になってもかなわない。

前回は高原地帯の風景と花見を主眼に据えたが、今回は前回のルートの北側の一帯を走り、最上川を大いに味わい讃えることにする。

約13kmのお手軽コース

大谷地沼の駐車場から走り出す。別名じゅんさい沼だ。
名のとおり蓴菜という水草の名産地で、茎や葉を食用にする。沼の畔にあるそば屋で付け出しとして味わうこともできるし、初夏のシーズンにはちょっとした拍子で転覆しそうな小舟に乗って自ら収穫するスリリングな体験ツアーもある。

あたりは葉山を背景に広大な農地が広がる高原風景だ。畑もレタスの類とか高原ぽい作物が目に付く。
ここからまずは北上して田沢集落を目指す。
付近の農地をうるおす農業ため池である大堤には公園が設けられており、ここも好きな場所のひとつだ。池を一周する。

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公園をひと巡りしたのち、最上川沿いの道をたどる。といってもこの辺りは川面は切り立った崖から落ち込んだ谷を流れているのでなかなか見えない。
隼の瀬眺望公園でようやく最上川の展望を得る。

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隼の瀬は付近の他の2箇所と併せて最上川三難所と呼ばれる。芭蕉も「碁点、隼、三カ瀬と云ふおそろしき難所あり」と「奥の細道」に記した。
その後開削されて安全になったいまも、川底は浅い岩盤で水しぶきが立っており、昔の舟だったら容易に座礁転覆しそうな難所感を残している。
このあたりの難所エリアを遊覧する観光船が碁点温泉から発着しており、困難を水上で偲びたい向きにはお勧めだ。

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周辺にはむらやまフットパスと称して川沿いのウォーキングトレイルが整備されている。自転車でも通行可能であり、共栄橋〜碁点の区間は野趣に富みおすすめ。

地図はなぜか南北逆さになっているので注意

このあたりはクルマで通ると国道347号線でズバーとショートカットしてしまうが、蛇行する最上川と周辺の静かな道はサイクリングに最適だ。山形県のなかでもとくにディープかつおすすめのエリアのひとつであり、そば街道と称して名店が散在するのも魅力だ。

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6. 北欧ぽいと思えば思えなくもないじゅんさい沼

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