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小岩井農場周辺をブロンプトンで周回した件。

(2022. 5 走行)


まえがき

岩手の旅、前日まで西和賀町に滞在し、山深い里の風情を味わったわれわれであった。今度は北にひと山越えて雫石町にやってきた。
なんと言ってもこのエリアで名高いのは小岩井農場だ。

もう20年以上も前、毎年5月の数日間ここ小岩井に仕事で訪れていたことがあった。盛岡か繋温泉に宿を取って通っていたのを思い出した。
そのときは仕事は毎日午後半ばには終わってしまっていたので、そのあとは周囲を自転車で走っていろいろルートを開拓したものだ。今思えばのどかでいい仕事だった。
そのとき走ったルートのひとつが、小岩井農場から北に上る林間の道を登り、さらに西に向きを変えてもう少し上り、一気にふたたび平地に向かって下る爽快な道だ。
そのルートはその後も何度か走っているが、最後に来てからもう10年以上経つ。今回久しぶりにわれわれはブロンプトンでそのルートを辿ろうと思いたったのである。


小岩井農場から

花盛りの菜の花畑を抜け、10年ぶりの小岩井農場にやって来た。
外から見たところは昔のままだが、道路を挟んで西側の牧舎エリアの見学が有料になっていたり、隣の滝沢村が市に昇格していたり、微妙にいろいろ移ろい変わっている。

農場をあとにしてブロンプトンで北へ向かう坂道を登っていく。新緑の木立に囲まれたここちよい道だ。

脇に岐れていく小道を見つけた。クルマもより少なく静かで、どうやら県道と並行して登れるようだったのでそっちに入ってみる。


たしかに静かでいい道ではあったが、途中から未舗装となり、登りもきつくなってきた。しばらく押しを余儀なくされる箇所もあり、小径車にはおすすめしない。

相の沢キャンプ場

登りも一段落する雰囲気になってきた。滝沢方面からの道が合流し、やがて視界が開けてプラトーに至る。相野沢牧野だ。牛が寝そべっているのが見える。
牧野の端には広大なキャンプ場もある。ちょうどいいのでここで弁当を広げてお昼にする。まだ走り出したばかりだろうという声もあろうが、よいひるめしにはよい場所が相応しい。
林間から牧野にテントサイトが広がり、立派な道具一式を揃えたキャンパーが陣取っていた。なるほどあんな風にここで数日滞在してのんびり過ごすのもいいだろう。

この東屋で弁当をひろげた
キャンプ場からのハイキング案内。歩きにきてる人がけっこういた

下って平地へ〜小岩井農場に戻る

キャンプ場からは進路を西に変え、網張温泉方面に走り出す。
もう登りはないと思わせる地形だったが甘かった。まだしばらくじわじわ標高を上げていく。
やがてさらに網張へ上る道が岐れると、ようやく南へ下る道に行き当たる。本日の登り修行はこれでおしまいだ。

登りがようやく終わってあとは下るだけ

さびれた別荘地を抜ける林間の道を爽快に駆け降り、あっという間に平地に戻ってくる。

あとは東に向けてトラバースするルートで小岩井農場に戻る。気持ちのいい道だ。

途中随所に岩手山をバックにしたビューポイントも

農場に戻る直前には有名な一本桜がある。
近くには駐車場まで作られており、とくに桜の時期など観光客が怒涛となって押し寄せるであろうことが窺われた。そんな中で今回、桜も終わって静かな時期に訪れることができたわれわれはさいわいであった。

戻ってきた農場の売店で、現地限定アイスを食べたり牛乳を一気飲みして今日のサイクリングを締めくくるのだった。

雫石の宿:halcoya.

今日の宿は田園の只中に建てられた一棟貸しの宿.
オーナー自ら雫石産の木材を使って建てたという。
周囲には人家もなく、一面の農地が広がる中にぽつんと建つ。

左側に見えるウッドデッキで多くの時間を過ごした


1階はキッチンとダイニング。2階には寝室。
自炊設備完備、冬は薪ストーブも
2階からは遮るものもない岩手山ビュー
宿の近所をポタリング。地平線の向こうは御所湖

おまけ:ホテル三春を偲ぶ

御所湖に面した繋(つなぎ)温泉街。そのいちばん奥にかつて何度も泊まったホテル三春が今も建っている。
温泉街のいちばん奥なので眺めも良くて静か、ひとりでもOK、朝夕部屋食、温泉は宿泊客専用ですいててゆっくり入れた上に、2食付きで4ケタという破格で泊まれたいい宿だった。しかしそんな太っ腹がよ災いしたのか、残念なことに2019年に破産閉館してしまった。
その後3年が経ってどうなってるだろうとこのたび立ち寄ってみたが、すべてがそのままで放置されていた。時が止まったような情景は昔を知る者として心が痛むものがあった。
かつていい気分でくつろいだあの部屋、あの温泉がそのまま朽ちていくのはまことにしのびない気がする。

草むした玄関にはもう来る客もない

#いわて里みちサイクリング

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