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やがて朝の光が。

‪遥かな旅をする人形がいた。ひとりぼっちには慣れていた。足の痛みにも慣れていた。朝の風に吹かれ金色の髪がそよげばそれで十分だった。人形を誰もが自分のものにしたがった。けれども朝になる前に人形は消えた。人形はどこかの壁にもたれてうとうとしていた。やがて朝の風が金色の髪を揺らすまで。‬

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