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うるむ灯りのほんのひと粒。

老クマの夫婦は夕暮れに、海と岸辺の灯りを見に来た。ふたりの人生には人並みに色々なことが起こった。けれどもそれは、たえまなく美しい波が寄せる岸辺にうるむ灯りのほんのひと粒だった。明日も空は澄み、波は寄せ、夕暮れに灯りがうるむだろう。老クマの夫婦は手をつないで灯りの方へ帰って行った。

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