言った途端にこぼれる。

夏の夕暮れの百日草を見ながらキツネは思った。きれい、すごい、尊敬する、すき、言った途端になにかがこぼれてしまうのはなぜだろう。しかも、そのこぼれたものは、自分にとってとても大事なもののような気がする。自分を失いたくないな。キツネはあらためて百日草を見て思った。でも、きれいだ。

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