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もう感情はいらないな。

もう感情はいらないな、と、キツネは感情をすべて売り払った。凪いだ海のように静かに暮らした。感情的にならないとものごとはうまくまりはじめた。感情的なひとを見ると昔の自分を思い出した。ある日街中でかかっているうたに足を止めた。ふと涙がこぼれた。悲しくはなかった。涙がこぼれ続けた。

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