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消しかけの世界。

ある秋の日、神様は世界を消しゴムで消していた。
思い描いたのは、こんな世界じゃなかった、と
ゴシゴシ消していた。
でもあまりうまく消えなかった。
神様は消すのに飽きてどこかへ行ってしまった。
人々は消しかけの感情で生きた。
意外にちょうど良かった。
まるで秋の空のように清々しかった。

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