2017年6月の記事一覧
Titleさまから4度目のオーダー。
3週間ほど前に再々納品させていただいた
本屋Titleさまから、
完売したので倍の冊数のオーダーいただきました。
えっと。。どうゆうことなのか。。
きっと、Title辻山さまがツィッターで紹介くださり、ネットショップにあげていただいたから、ですね。うわー製本がんばります!
悪いことも起きるさ。こんなに美しいのだから。
悪いことも起きるさ。
とキツネはおもった。
こんなに美しいんだから。
僕のこころのどこかを、
さらにつらく切り刻んでも構わないから、
もう少し咲いていてくれないか。
絵を描くといいよ。
ユトリロのお母さんはロートレックやサティと恋をしたり絵を描いたり。あまり家にいない。ちいさなユトリロはアルコール依存性。床にこぼれたワインをすすりながら待ってる。病院で先生が言った。絵を描くといいよ。絵は評判がよくお母さんがほめてくれた。美しい絵を描き続けよう。どんな人生でも。
どんなときも、そこに花が咲いている。
なぜ庭をつくるの?
子ぐまが聞いた。
クマが答えた。
どんなときも、
そこに花が咲いていると感じたいからさ。
そこに花が咲いていれば、
たとえどんなことがあっても、
その1日は花ではじまり、花で終わる。
いまはいない大事なひとの気配を感じる。
音楽の気配を感じる。
儚いいのちの崇高さに身を正せる。
百年さんに再納品させていただきました。
百年さんが、小島きみ子さんのエウメニデスで紹介されてましたね、と言ってくださった。マークボズウィックのCDをかけてくださったが、ずっとこんな感じですか、と言ってしまったり。夏葉社さんにたぶん一番近い本屋さんではじめて夏葉社さんの本を買った。百年さん、ここに置いてもらえてうれしい。
コヅツミ。
シアワセってなに?子ぐまが聞いた。
クマが答えた。
コヅツミが届くことだよ。
中には、美味しいパン屋さんのラスクが入っていて、
パン屋さんからの帰り道で摘んだ花が入っている。
翌朝クマの庭に
子ぐまからのコヅツミが置いてあった。
クマはすぐには開けず紫陽花を見ながら
シアワセについて考えた。
悲しくて美しい迷子のまま。
雨に打たれながらキツネは、
雨に打たれている紫陽花をみて思った。
なあ、おれは、上手いことを言い合うゲームを
したいわけじゃないんだ。
今どきなセンスで器用に今を写して
お終いにしたくないんだ。
暗い雨に打たれた花のような、
悲しくて美しい迷子のまま、
自然のひとつになりたいだけなんだ。
そのまましばらく夢は覚めなかった。
キツネは夢の中で電車に乗っていた。
ドアが開くと海の匂いがした。
海の方にすこし歩いて
大きなアンティークの鏡のあるカフェに入った。
ひとはまばらでほっとした。
店主が美味しいアイスコーヒーを出してくれた。
クマがギターでうたいはじめた。
キツネは目を閉じた。
そのまましばらく夢は覚めなかった。
世の中がなんと言おうと。
クマは子ぐまに言った。
ブンガクもオンガクも
ひとには言えない自分だけの黒魔術だよ。
センスのよい選択なんかじゃない。
知識を競うような会話を
ニヤニヤしながらするものでもない。
安易に他者と共感しつるむものでもない。
きみはきみの孤独な黒魔術を
無言で大事にすればいい。
世の中がなんと言おうと。
草原が誘うから。
どうしてうたうの?
子ぐまが聞いた。
クマが答えた。
ずっと昔、僕の魂がアイルランドあたりを
放浪していた。
波打つ草原で、おじいさんがギターで
うたっていた。
僕の魂はそのギターを譲り受けたのさ。
そしてこれがそのギター。
ギターの中の草原が誘うから
僕はうたわずにはいられない。
ただそれだけだよ。
もう夢を見ていた。
キツネはこころも身体も青あざだらけだったが、
とくに気にしていなかった。
しんとした夜にベッドに入った。
キツネのこころの中には庭があった。
眠る前に草花の手入れをした。
アガパンサスが咲きそうだった。
キツネはそのそばに寝転んだ。
風がそよぎ、花が咲きこぼれた。
キツネはもう夢を見ていた。
Titleさまのweb shopに。
Title様のweb shopに、
マークストランド様と並んで
新入荷として載せていただいている。。
信じられない。夢のよう。
ありがたい。。