銃声、重、生。
静かに激しい残響が脳内で爆音を立てた
メタリックグリーンの小柄な体躯に
力強いエンジンを嘶かせ
時速百二十キロに迫りながら
県境を幾つも越えて会いに行った
心を鷲掴みにしてくれた貴方へ
後悔はこれっぽっちも無い
あるのは感謝と小匙六十九杯の哀愁
弾倉に湿気った火薬は残ったままで
言葉、景色、音、光は撃鉄の一部だ
ターコイズブルーに堕ちた髪
ブリーチでもう一度色を消そうか
それとも墨汁を浴びて漆黒にしようか
夜の寂しさはふわふわのあざらしが包み込んでくれる
私は未だ生きている
何故か今も生きている
死ぬまで私は生きている
泥仕合
幸せは届かない
あなたがしあわせならそれでいい
前髪ひとつ、きらきらのまま
朝焼けにはまにあわなかったな
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