第①回【枕詞大賞】《まくら節》部門
殺し啖呵よりやや長めの浪花節ならぬ《まくら節》。
👑≪~字余りは避けるが字誤りは辞さず、吹諜に偏正風に御手淫にと語意を故意に変えて意味新調、語感による互換性ならぬ語換性でもって新奇解釈を新規開拓、フロンティアのパイオニアたる語彙マニアを目指すのは奥田民生ボーイたるところ…≫
『まくらのまくら』
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〈次点〉(順不同)
≪~事情を根ほり葉ほり聞き出す前の報道には尾ひれはひれ、凶器の酒瓶はビール瓶にはじまり芋焼酎「魔王」からシャンパンボトルまで情報の錯綜することはらほろひれはれ、「馬王」からかわいがりの鉄槌をくだされた貴ノ岩の顔はまさに四谷怪談のお岩さん…≫
『お部屋騒動』
≪~さんざっぱらどこ吹く風を吹かせてはみたがどうしてあんな大ボラ吹いちまったか、大バカ者の蛮行を蒸(ふか)し返すは段々腹の嫁の十八番、ああそうだよてめぇのしたこたぁ誇張抜きで愚の骨頂よ、と反省無しで自己正当化を偏るに片寄らせれば季節外れの偏正風が吹きすさび…≫
『〆さぼ』
≪~赤だからってあんまりアーァと嘆くのも野暮なら黒だからっていっちょまえにイキがるのも野暮、いっそウツケになって「う」をつけて野望を抱くが吉、とにかく来年の縁起をエイコラと担がんことにはエライこっちゃとオロオロオロロ、これぞ酉の市のイロハならぬアイウエオ、AtoOはイキった言い方だが縁起熊手には粋な買い方があるようで…≫
『酉年の酉市』
≪~必死の笑顔で無理くり「メリクリ!」、好感度の低いがために交換はされないプレゼントはメルカリで転売必至、イルミネーション見ル意味ネーションと妻子を突っぱねきれず務めきるのはインスタ映エーションのための運転手、カタカナと漢字の交じるカゾ苦行ジに勤しむXデーを前にココこそココロの拠リドコロであり酔イドコロ、嫁がいるのはダイドコロ…≫
『おでん屋台』
≪~調子に乗ってヨコ文字をタテ続けに早口で羅列に羅列すりゃ途中で呂律がまわらなくなってらっりるっれろー、『ミッション・韻ポッシブル』とばかりに「られつ」と「ろれつ」で華麗に踏んでみたのも勇み足、イーサミ・フットならぬイーサン・ハントはおいおい「タイム・クルーズ」・〈時空航法〉してねぇときた…≫
『いま何時』
≪~冬期限定の献立に牡蠣そばを出すからには牡蠣いれどき、度胸がない代わりに愛嬌を前面に押し出して仲卸に授かるは冬なのに牡蠣講習。男は度胸、なけりゃ女の愛嬌借りて、オネェが酔狂ときたら子供と半人前は勉強でもしてろってか…≫
『築地市城』
≪~寝落ちならぬ死落ち、生死の境目たる死線は三途の川上でさまよう迷い橋、悪かったのは御行儀か往生際か…いざ目を覚ませば心肺停止していたわけでもないので心配停止、生き返ったんだからよしとしようぜ、と命の有る無しが有耶無耶にされてきたこと請け合い…≫
『三途の迷い橋』
≪~ただでさえ少ない読者にケツまで読んでもらえなきゃざぶとんの意味なし、まくらを高くしちまったら頭でっかち尻すぼりどころか頭隠さず尻隠れ、〈ヘイ、siri…〉と落ちを先に聞かれた日にゃ〈まくら✖ざぶとん??何のことだかしりません…〉
『椅子取り遊戯』
≪~ゾンビにゴースト、ドラキュラやフランケンシュタイン。しゃれこうべ乗っけた骸骨スケルトンなんてまさに完骨脱体だが、西洋文化にインスパイアされきった仮装じゃ腐乱死体のゾンビといえどインスタバエはたかりゃしねぇってのはただのしゃれ…≫
『節盆お化け』
えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!