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2013年からオイル業界に従事しています。 潤滑油関連の技術情報を発信し、より深い潤滑…

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2013年からオイル業界に従事しています。 潤滑油関連の技術情報を発信し、より深い潤滑油の知識を求める皆さんと知り合えたら嬉しいです。 読み手は、機械系・化学系など「トライボロジー」や「潤滑」を扱う学生から、オイル作りに取り組む方、メーカーの担当者の方などを想定しています。

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はじめに

ご理解いただきたいことこのブログの内容は個人の意見・見解の表明であり、所属組織の意見・見解を代表しません。またブログ記事の内容の正確性については一切保証いたしません。学術的・技術的コンテンツを求めて来訪された方は、必ず学術書や論文などの資料をご参照ください。私自身のスキルアップのため知識を言語化している記事も多いです。後学のため、誤りを見つけた場合はコメント欄などでお知らせいただけると有難いです。 内容自体も公開後に改変することもありますし、改変の事実を必ずしも明示するわけ

    • 【プラグイン】WordPressサイトにオイルの粘度を計算するシミュレーターを設置してみた

      動機;なぜ粘度や密度を計算したいのか WordPressにてブログをはじめました。オイル業界への転職者や新卒のために情報、発信するサイトです。 潤滑業界に10年以上いる私が今まで最も使用した便利ツールは何かと考えてみると、 - 基油や粘度指数向上剤などの添加量を変えたときの粘度の予測 -ことなるオイルが混ざった時の粘度の予測 -特定の温度の動粘度が分かっているときの、異なる温度での粘度の予測 -15℃の密度が分かっているときの、異なる温度での密度の予測 これらはオイル

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      • 潤滑油の流動点降下剤:選び方と使い方のポイント

        流動点降下剤とは? 流動点降下剤の役割について解説します。。潤滑油の低温性能を向上させる重要性をお伝えします。 オイルも低温で凍結することをご存じでしょうか?ラーメンの油やラードが、料理がさめて白く固まってしまうのと同じですね。「流動点」というのは潤滑油が凍結して、ラードやバターのように固まってしまうときの温度と考えてください。この「流動点」という温度は低い方が良いとされ、たとえば-40℃でもオイルが固まらなければ、極寒の極地でも機器が作動できることになります。 流

        • 【ゆる解説】オイルの低温流動性について

          オイル(潤滑油)の低温流動性とは オイルの粘性と温度の関係 オイルの粘性は、温度が上がればサラサラになり、逆に冷却するとネバネバになります。サラサラ、ネバネバというのは「粘度」という値で表現されます。オイルは高温になれば粘度が下がり、低温になれば粘度が上がります。 オイルの凍結;流動点 オイルも低温で凍結、凝固します。ラーメンの油やラードがさめて白く固まってしまうのと同じですね。「流動点」というのは潤滑油が凝固して、ラードやバターのように固まってしまうときの温度と考えて

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          油種別解説: 二輪車用エンジンオイル

          はじめに 本稿では油種別のオイル解説第一弾として、二輪車用エンジンオイルを取り上げます。二輪車用4サイクルガソリンエンジンオイルとも呼ばれますね。Web上の記事をざっとみると、この分野には、さまざまなマーケットクレームの表現がありますが、ここではできるだけ基礎的な内容をとりあげます。 またトレンドやオイルと性能の関係の説明を行います。処方技術とマーケットクレームの関係の理解がゆるく深まればよいと思います。 二輪車エンジンオイルの役割と特徴 二輪車用4サイクルガソリンエ

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          ENEOS潤滑油仕切り価格は二か月連続下げ

          -燃料油脂新聞- ENEOS 潤滑油仕切り値下げ 10月1日出荷分から月次価格引き下げ GrIII未適用品;9月比13200円/KL 下げ GrIII適用品;9月比15500円/KL 下げ ENEOSは9月出荷分の月次価格を7か月ぶりに引き下げていた。引き下げは二か月連続。 9月の値下げ幅は GrIII未適用品;8月比15300円/KL下げ GrIII適用品;8月比6700円/KL下げ

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          自動車アフターマーケット UPDATE 2024

          自動車アフターマーケットにおけるオイル市場 日本の自動車アフターマーケットの状況をオイル分野に注目してレビューします。2023-2024年の統計情報を基にしています。 さて、本邦の自動車アフターマーケットの市場規模は8兆8487億円[1]といわれており、この市場におけるオイル分野とは具体的には、  エンジンオイル、ギアオイル、ATF/CVTF,ブレーキフルード が当たります。 市場環境 さてこの市場はストックマーケットと呼ばれます。市場を考える上での最も重要な因数は

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          GroupⅢマニアック解説:全合成ということ

          GroupⅢとGroupⅢ+ さて本ブログではベースオイルの基本的な知識を紹介してきました。ベースオイルはAPIにより5個に分類されます。 特に鉱油といわれる、GroupⅠとⅡについては下の記事で詳細に解説しましたので、今回はGroupⅢに分類されるベースオイルについて解説します。このグレードのベールオイルを使用するオイルは、ベースオイルの部分が100%、GroupⅢや、それ以降のグレード(ⅣやⅤ)で処方される場合は「全合成」と呼ばれますが、GroupⅠやGroupⅡな

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          鉱油マニアック解説

          鉱油と合成油 鉱油は安いベースオイルと言われます。GroupⅢの供給キャパシティの飛躍的向上とGroupⅠの製造能力の削減により、潤滑油用途にしようされるベースオイルのシェアはダイナミックに変化しました。今後"鉱油"といっても、GroupⅢ-合成油にくらべて、安く入手しやすいベースオイルとは限らないという世界になるかもしれません。 GroupⅢのシェアが拡大するにつれて、鉱油の重要性は低下し、もうGroupⅠやGroupⅡについて勉強する必要はないのでしょうか。そんなこ

          鉱油マニアック解説

          ベースオイルついて

          ベースオイルの分類[1] 潤滑油に使用される原料のうち、割合にしてエンジンオイルでは8割以上、場合によっては9割以上の比率を、ベースオイルが占めています。 ベースオイルはAPI(American Petroleum Institute)によって5種類に分類されています。GroupⅠのベースオイル、とかGrⅠベースオイルとか記載されます。 GrⅠは溶剤精製法と呼ばれる手法により、原油などから精製される基油になります。ガソリンなどの燃料の副産物としても知られます。 GrⅡは

          ベースオイルついて

          潤滑油-表面的な話

          種類 「機械工学便覧 デザイン編 機械要素・トライボロジー」という書籍によると、2000年以降、主に9種類の用途別に分類されるようになりました。[1] ①ガソリンエンジン油 ②ディーゼルエンジン油 ➂その他車両用エンジン油 ④船舶用潤滑油 ⑤機械油 ⑥金属加工油 ⑦電気絶縁油 ⑧その他特定用途向潤滑油 ⑨その他潤滑油 あらめて分類を勉強してみましたが、正直初めて知りました。笑 その他が多いのが気になりますが、確かにオイルメーカーのポートフォリオはこういう分類になっている

          潤滑油-表面的な話