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足利銘仙はじめまして Vol.5

こんにちは。
 
紅葉も始まり、目に映る景色の変化がまた楽しい時期になってきました。私は先日、実家に帰省しタイヤ交換をしてきました。去年北関東に引っ越してから過ごした感じだと、正直しなくてもいいかな~と思うのですが、まだ履ける冬タイヤがあるので。東北にいたときは冬タイヤの交換早割がだいたい10月いっぱいだったのですが、この辺りでは11月いっぱい、もしくは12月の頭までなんていうのを見かけて、一か月違う!と驚いたのが冬の驚き、まず一発目でした。「11月中に一回降るんだから、それまで交換しておけば安心だっちゃ」という合言葉で暮らしてきたので、結構凄い驚きなんです笑
 
 
ではでは、前回まで足利銘仙の柄についてお話してきましたが、今回はその他の地域にもある銘仙も一緒に、銘仙の柄に触れながら私が感じたことをまとめていきたいと思います。
 
足利銘仙の他にも、銘仙の代表的な産地として、群馬県の桐生や伊勢崎、埼玉の秩父、東京の八王子の5つが挙げられ、それぞれの地域によって生みだされる銘仙には違いがあります。これらの銘仙は、前回お話したように海外の芸術運動・思想に影響を受け、現代にも通用するようなモダンな柄で大胆な色使いの銘仙が誕生しました。
 
代表的な柄はいくつかありますが、まずは花柄のお話から。
花は古くから着物のモチーフに用いられてきましたが、銘仙の花柄は椿や牡丹といった日本古来の花だけでなく、バラやチューリップといった西洋のイメージがある花まで描かれてきました。そして花の形が幾何学模様のようになっていたり、もともとの色彩とは異なる色合いで表現されることもありました。


そして私が特に面白いと思ったのは、椿や牡丹などの日本の花は唐草絞、亀甲絞、流水絞など、日本の伝統的な柄と組み合わせてデザインされ、一方でバラやチューリップなどの花は、こうした日本の伝統的な柄との併用はほとんど見られないことです。無意識のすみ分けなのか、何か意図があったのか、もう少し調べてみよう思っています。


花柄の他には、アフリカの民族布を連想させるような色使い、エジプト風の丸紋様など、エスニック調の模様や色使いをした銘仙もあります。学生時代、エスニックのお店でアルバイトもしていたこともあるので、見慣れた柄を見たときに衝撃を受けました。カンガ(タンザニア、ケニアに代表される東アフリカで衣類や風呂敷などとして広く利用される一枚布)のような柄の銘仙があり、大きくインパクトのある花柄に惹かれる私が興味を持つわけだと妙に納得もしました。

銘仙のエスニック調の柄は、独自の技術・表現方法が組み合わさることで、また新しい柄に見える魅力もあると感じています。絣のおかげで、はっきりとした柄でありながらも、どこかアンニュイな雰囲気があり、明るさと寂しさが同居しているような、日本のわびさびといった美意識にも通じる印象を私は持ちました。
 
これらの他にも代表的な柄を次回でお話ししていきます!