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ボーエモーエンセンJ39 フレデリシア 


フレデリシア、ボーエモーエンセン,J39

ボーエ・モーエセン:北欧ツウなら誰もがしってるデザイナーの一人、Yチェアーで有名なハンスJウェグナーの方が日本では有名かも知れませんが、デンマークではボーエ・モーエンセンの方が名が通ってるようです。タイトルにもあるJ39は彼の代表的な椅子でデンマークではYチェアよりも多くのユーザーに使われています。それはこの椅子が生まれた背景が物語っています。この椅子は1947年に生まれてから一度も生産を止める事無く作り続けられています。当初はFDBモブラー(モブラーとはデンマークで家具と言う意味)で製造されていて現在はフレデリシアでつくられています。戦後人々が地方から街中へ移住しだんだんと土地がなくなり集合住宅が増え、狭い部屋にも使えるコンパクトデザイン、誰もが安価で購入できる、アノニマス(特徴のない)そして丈夫な。こんなコンセプトから生まれた椅子は車に例えれば誰にでも愛されるフォルクスワーゲン、こんな背景が現地で愛されてる理由です。でもスタンダードなだけではありません、ボーエ・モーエンセンは常に時代の先駆者でこの椅子には隠れた物語が存在します。実は制作にあたりボーエ・モーエンセンに与えられた工房はほうきやシャベル等の生活雑貨をつくる小さな工場、ボーエ・モーエンセンはほうきの枝を足に見立てたり、とにかく知恵をしぼりにしぼって椅子の制作にあたりました。出来上がってみると今で言うミリオンセラーの仲間入り。おおよそ70年たった今でも人気が衰えません、もっとも有名になってしまったがゆえにJ39の価格だけは当時と同じ庶民価格と言う訳には行きませんが…。パーツは4種類で構成されてます。いわゆる使いまわしです、言い方が少し荒っぽいですが極めてシンプル、無駄が無い。座面はYチェアと同じペーパーコード、しかしYチェアは太さ3mm、J39は3.5mm、比較すると太さが違います。1脚作るのに120m使われるYチェアに対しJ39は110m。画像のように編み方も中心をみると違いがわかります。(J39のクロスに対しYチェアは富士山のよう)おのずとYチェアよりもコンパクト設計になってます。


フレデリシア、ボーエ・モーエンセンJ39チェアとハンスJウェグナーYチェア

背板の角度がこれまた絶妙な角度でアームがなくても程よいホールド感が魅力の一つです。背板の角度でラインを真下に伸ばすとちょうどアイスクリームのコーンを連想させます。ヴァーナーパントンのコーンチェアも同じ構造になります。軽くて丈夫、シンプルでコンパクトなこの椅子は住空間で様々なシーンに適用します。私は後ろから見た直線的なデザインが大好きです。テーブルが小さめでも窮屈にならない、できるだけコンパクトでおしゃれな椅子と言われたら迷わずJ39をおすすめします。もし贅沢を言えるなら1脚だけテーブルの側面にYチェアを並べて下さい。ウェグナーは晩年いつも口にしていた言葉が「実は僕には大の親友がいてね!」。ボーエ・モーエンセンとウェグナーは大の仲良しだったのです。さ~夢の競演と行きましょうか?


体重100㎏近くの田中です。椅子が悲鳴をあげてる?いえそんな「やわ」ではありません。


フレデリシア、ボーエ・モーエンセン、j39ブラックフレーム

LAST 田中

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